不登校の進学はどんな選択肢がある?
こんにちは!Laf先生です。
- 「進学先どうしよう、、」
- 「出席点もないし、高校に行けるのかな」
と不安に思う不登校の方は多いのではないでしょうか?
そこで今回は、不登校の方の高校進学について解説していきます!
不登校でも進学できる高校とは
日本の高校は、その出席方法の違いから大きく三種類に分けられます。
- 全日制高校
- 定時制高校
- 通信制高校
の三つです。
これらの高校は学年制か単位制のどちらかを採用しています。
その中でも、不登校の学生の進学先に向いている高校をご紹介するため、
それぞれの高校の特徴を比較していきます!
全日制高校
一つ目は、全日制の高校です。
ここでは、特に不登校の学生でも通えるものをご紹介します。
主な特徴としては
- 多くの時間を友達と学校で過ごせる
- 不登校の経験のある生徒を積極的にサポート
という点が挙げられます。
全日制高校には私立と公立(エンカレッジスクール)
の二種類があります。
それぞれの特徴を見ていきましょう!
全日制高校:公立
都立のエンカレッジスクールが代表的です。
- 特に学力検査によらない試験
- 二人担任制
- 少人数授業
- 1年次の30分授業
といった特徴が挙げられます。
生徒当たりの教員数が多いため、学力面で不安のある生徒に向いています。
全日制高校:私立
私立は学校によってさまざまな特色があります。
例えば明聖高校では、
中学校の総復習や習熟度別授業といった学力面のサポートはもちろん、
心のサポートも充実しています。
- カウンセリングの資格を所持した教員と相談しながら
- 段階的な登校
- 個別学習室での学習
など、勉強方法に複数の選択肢があります。
さらに、ゲームやロボットの制作などIT学習に特化した全日ITコースも特徴的です。
学校に応じて内容が変わるため
学校のパンフレット等から情報を集める必要があります。
定時制高校
二つ目は、時間の融通が利く定時制高校です。
主な特徴として
- 学校の滞在時間が短い
- 規定の単位数を満たすことで学年問わず卒業できる「単位制」が多い
- 部活動が楽しめる高校もある
といった点が挙げられます。
学校には行きたいが
- 長時間学校にいることが苦手という人
- 自分の時間を自由に使いたい人
に向いているでしょう。
単位制高校
定時制の高校の多くが採用している単位制高校について解説します。
主な特徴として
- 学年による区分がない
- 決められた単位を取得すれば卒業できる
- 基本は自分の興味や関心に応じて科目を選択可能
といった点が挙げられます。
学年がないため先輩後輩といった区別が緩やかです。
また、個別に授業を選択するため
学びたいことが明確な人や「みんな一緒」に苦手意識のある人に向いています。
また、定時制高校には、不登校の経験のある生徒を積極的にサポートする高校もあります。
例えば、都立のチャレンジスクールは、
- 学力検査や中学校からの調査書によらない生徒の学習意欲を重視した入試
- 中学校の復習や基礎学習に重点を置いた授業
- 心のケアを重視した生活サポート
などを行っている定時制高校です。
通信制高校
三つ目は、学校に主に自宅で学習を進めることが出来る通信制生高校です。
主な特徴として
- 自宅学習が基本で通学は月に数日程度のみ
- 単位制で留年がない
- 生徒同志の交流への自由度が高い
といった点が挙げられます。
通学日数や学習内容など、
一人ひとりに合わせた柔軟な対応が可能な学校もあるなど、
通学へのハードルが高い人にも進学の道が開けています。
一部の通信制高校には
単位取得や卒業をサポートしてくれる、サポート校
を併設しているところもあります。
高等専修学校
最後に、厳密には高校ではない
もう一つの選択肢、「高等専修学校」
について解説します。
高等専修学校とは
中学卒業者を対象に、実務を重視した教育を行う学校です。
主な特徴として
- 工業, 農業, 医療, 衛生, 教育/社会福祉, 商業実務, 服飾/家政, 文化/教養の八分野がある
- 学校によっては卒業後に国家資格や高卒資格、大学受験資格を得られる
- 修業年数は内容によって異なり、1年から5年まである
といった点が挙げられます。
高等専修学校の卒業生は、
社会的には高等学校の卒業生と同等の扱いを受けることが出来ます。
就職につながる職業教育がメインのため、
- 自分のやりたいことがはっきりしている人
- 早く自立したい人
に向いているでしょう。
高校を選ぶポイント
高校を選ぶためには幾つかの見るべきポイントがあります。
ここでは、特に
不登校の経験のある子の進学先を選ぶ際に注目すべき点をご紹介します。
ポイント①…全日制か否か
全日制とは、朝から夕方まで週5日決まった時間に登校し、時間割通りに授業を受ける一般的なスタイルです。
メリットとしては、
- 選べる学校が多くある
- 学校行事や部活動も盛んなため、友達を作りやすい
といった点です。
デメリットとしては、
- 入学時の自分の学力、または学力以下の学校にしか行けない
- 成績や出席日数が基準を下回ると留年する
などが挙げられます。
体調不良や再び不登校になる可能性も考慮し、
全日制でも学校からのサポートが期待できるところを調べることも1つの選択でしょう。
ポイント②…公立か私立か
公立高校の入試は、入学試験の点数だけでなく
中学校の内申点も考慮されます。
そのため、中学校で不登校になっていた方の場合、
特に全日制の公立高校への進学は難しいでしょう。
それに対して、
私立高校は、内申書の必要ない受験方式を行っている学校も多いです。
さらに、私立高校は受験科目数が公立高校よりも少なく、
その場合は受験勉強の対策も比較的短期間でできます。
ポイント③… 学習意欲の高さが合っているかどうか
まずは「本人がどれくらい勉強したいか」を考えましょう。
不登校になった理由やその後の対応によって、高校選びをする段階での気持ちの回復具合には個人差があります。
- 「中学校には通っていないが勉強への意欲はある」
- 「不登校だけど大学進学を目指したい」
といった場合には、勉強を教えてもらえる学習環境のある通信制高校・サポート校を探してみましょう。
逆に、勉強をすることに抵抗がある、学校の勉強以外のことに興味がある場合には、勉強面以外のカリキュラムに注力している学校を選ぶといいでしょう。
ポイント④… 自分の感性、印象を大切にする
他人の評判よりも、自分の感覚を大事にし、
自分にあった環境を選びましょう。
他の人にとっては居心地が良いところでも、
自分にとっては居心地が悪いこともあります。
実際に学校へ足を運び担当者や責任者と話した印象を重要視する
ことがおすすめです。
そしてある程度まで選択肢が絞られた段階になってから
他人の評判を参考にすると、よりよい選択ができるでしょう。
■ 全日制高校
■ 定時制高校
■ 通信制高校
■ 高等専修学校
■ 高校を選ぶポイント
不登校の高校進学の注意点
ここでは、
- 不登校の学生が進学する際に注意するポイント
- 進学の手助けをするために知っておきたいポイント
をご紹介します。
出席日数
出席日数の扱い方は、
- 私立では学校によって
- 公立では地区によって
変わってきます。
出席日数を重視する地区では、
「欠席日数が多いと、高校に行けなくなる」と言われることもあります。
公立高校は欠席日数が多い場合は「審議の対象とする」として、
入試で不利になると明記している高校が多いのも事実です。
ただし、東京都や千葉県などは、欠席日数が多い場合の事情を自己申告書に記入して提出することで、評価の際に配慮してもらえるようになっています。
さらに埼玉県では、自己申告書を提出することにより、「不登校の生徒などを対象とした特別な選抜」という枠での出願が可能です。
一方、私立高校の一般入試では、欠席日数を含め、
調査書はあまり評価の対象として重視されない傾向にあるといわれています。
ただし、推薦入試については、
「欠席日数が各学年10日以内」(都内の大学付属高等学校)
などの条件がある場合が一般的です。
内申点
内申点とは、学校での成績を、決められたルールにしたがって点数化したものです。
どの学年から調査書に記載するかは、欠席日数と同様、学校によって異なります。
また、評価の際、学力テストの点数と内申点を
どの比率で見るかについても、高校によってまちまちです。
不登校で定期試験が受けられないと、学校の成績が下がります。
その結果、内申点が低くなってしまうことも考えられます。
したがって、入試の際に内申点を重視する高校では、
不登校であることによって受験で不利になる可能性も高いといえるでしょう。
他方、私立高校の場合は、欠席日数と同様、
一般入試では内申点はあまり評価で重視されないといわれています。
ただし、推薦入試の場合は、
学校の成績が出願条件に関わってくるケースが多いです。
進学情報源
中学に入学すると始まるのが「進路学習」です。
この進路学習を通して、高校の必要性やどんな学校を選べばいいのかを理解します。
しかし、不登校の生徒は進路学習への参加回数が少ないことが多いです。
この不足した情報は適応指導教室やフリースクールを活用して補うことができます。
学校のパンフレットを活用しよう
通信制高校・サポート校は、あらゆる部分が学校ごとに大きく異なります。
そのため、なかなか学校生活をイメージしづらいのが特徴のひとつです。
- クラスやテストの有無
- カリキュラムや進路指導
- 学校行事
- 先生の関わり方
など、それぞれが学校によって大きな違いがあります。
学校のパンフレットを取り寄せ、生徒に合った学校を選びましょう。
本人の気持ち
不登校状態では気持ちや心は弱くなっている可能性が高いです。
そこに「受験」という大きなストレスがかかると、
受験生本人はもちろん、家族の負担も大変なものになるでしょう。
不登校になる理由は人それぞれの様に
「高校に通いたい」という理由も1人1人違います。
何となく行った方が良いと思っている子と、
目的があって行きたいと思っている子では、
当然のことながらモチベーションは違います。
また自信のなさから、途中でやる気を失う子もいます。
進路選択の相談や気持ちが行き詰った時のフォローに役立てるため、
- お子さんがなぜ高校に行きたいのか
- どの程度のモチベーションで目指しているのか
について知っておく必要があります。
■ 出席日数
■ 内申点
■ 進学情報源
■ 本人の気持ち
保護者へのアドバイス
最後に、保護者の方へのアドバイスです。
子供と向き合う
不登校になってしまっているお子さんは、さまざまな葛藤を抱えています。
いろいろな感情が渦巻いている中でも、
ほとんどのお子さんが「このままではいけない」と思っています。
先に述べたように進学といっても色々な選択肢があります。
何年も不登校を続けていた子供でも、
高校から学校に戻っている子は、少なくありません。
進学の有無に関わらず、
- お子さんが今どんなことを考えているのか
- 受験についてどんな気持ちで挑むのか
について理解するよう努めることが大切です。
子供を追い詰めない
受験はお子さんだけでなく保護者の方の神経もすり減るものです。
前向きに取り組めないお子さんを見て、
ついつい発破をかけたくなることもあるでしょう。
ですが、お子さんはいろいろなことを考えて受験に臨んでいます。
親としてやるべきことは、お子さんを受験へせき立てることではなく、
この受験がダメでも次があると、心に余裕を持ってお子さんを見守ることです。
お子さんの不登校は、親も辛いことです。
でも、一番大変なのは当事者であるお子さん自身であることを忘れないで、
サポートに徹するよう心がけましょう。
安易に志望校を決めない
お子さんが進路に投げやりになることがあります。
そこで、「ここは近いし不登校の生徒でも受験できるから」と、
安易に志望校を決めてしまい、後で後悔してしまう可能性があります。
それぞれの学校には特色があり、お子さんの特性や希望などで、どの学校が合うかが変わります。
入学したらちゃんと卒業することを目標に、志望校を選ぶようにしましょう。
勉強の伸びしろで受験する高校を選ぶ
高校受験に必要な内申点ですが、
高校によってどの程度重視するかが異なります。
- 1~3年生の内申点を見る高校
- 3年生の時の内申点のみを見る高校/strong>
- 元々内申点をあまり重視しない高校
と分かれます。
お子さんの現在の学年と学力を考えて進学先を検討しましょう。
お子さんが現在中学1、2年生の場合
3年生のときの内申書だけを審査する高校を探す
のがおすすめです。
3年生での出席日数を増やし、内申点を上げましょう。
ただし、「3年生になったら、無理にでも学校に行こう」という意味ではありません。
無理をして心身の調子を崩さないようにしましょう。
また、過去の不登校について内申書で「説明」が可能なら、
内申書を審査する高校も視野に入れましょう。
1〜3年生の内申書を審査する高校・入試方式でも、
状況によっては合格することももちろんあります。
進学先で出席に改善が見られそうな場合、
中学校の先生内申書に「特記事項」として記入する場合があります。
高校が、その特記事項について「理解」した場合、内申書の審査は通過となります。
お子さんが現在中学3年生の場合
- 内申書を重視しない高校・受験方式を探す。
- これから内申点を上げられそうなら、内申書を審査する高校も視野に入れる
などの選択肢があります。
次に、一般的には、通信制高校と定時制高校は内申書を重視しません。
このように、内申書を重視しない高校や受験方式はたくさんあります。
また、小学校中学校で繰り返し不登校であっても進学することができます。
まずは、「現在のあなた」の学力や内申書で進学できそうな高校・受験方式を探しましょう。
不登校でも勉強が得意、好きだという人は、
自分の内申点でも進学できる学校を選び、
更に卒業生の中に大学への進学者が多い高校を探してみましょう。
ただ、特に「進学校」と呼ばれるところは全日制が多いです。
授業のスピードが早かったり生活指導が厳しかったりするところもあります。
毎日通学して授業を受けることや集団生活などに不安があるようであれば、
通信制高校や定時制高校で高卒資格を目指しつつ、
受験勉強は塾・家庭教師で補う、という方法もあります。
学校と連携する
高校受験は、内申書の作成はもちろん、
受験に関して必要なことは学校を通して行うことになります。
不登校の状態になっていると、何をいつまでに完了させるかが把握しにくく、
期限ギリギリに学校からの連絡で必要なことを知るケースもあります。
それを防ぐために重要なのは、学校側とこまめに連絡を取ることです。
また、
- 内申点や進学先
- それぞれの受験方法
など、ネットでは把握しにくい情報も得ることができます。
中学3年になったら、学校からの連絡を待つのではなく、
親の方から積極的に連絡を取り、面談の時間を作ってもらいましょう。
少しでも受験がスムーズに行くよう心がけましょう。
■ 子供と向き合う
- 心に余裕を持ってお子さんを見守る
■ 安易に志望校を決めない
- 勉強の伸びしろで選ぶ
■ 学校と提携する
学校とこまめに連絡を取ることが重要
高校以外の選択肢
高校は義務教育でなく、無理して通う必要はありません。
もし、お子さんが再び不登校になってしまったら、
もしくは高校進学を希望しなかったら、どんな選択肢があるのでしょうか。
高校に行く以外の3つの選択肢を紹介します。
フリースクール
フリースクールとは、適応指導教室のことです。
小中学校の時からお世話になっているところへ引き続き通うのであれば親子共に心理的な負担が減ります。
また、高校に通わず、フリースクールで支援を受けながら大学入学を目指すという方法もあります。
それぞれのフリースクールによって対応が異なるため、高校生でも利用可能かどうか、そして高校の出席扱いになるかどうかは事前に確認を取ってください。
高卒認定試験
高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)は、
高校卒業程度の学力があるかどうかを計る試験です。
この試験に合格すれば、
大学や専門学校の受験資格などを得ることができます。
16歳以上であれば受けることができ、
全日制高校に在学中でも試験を受けることができます。
そして中退や在学中の場合、すでに取得した科目分の試験は免除されます。
最低1科目の受験で高卒認定を受けることも可能なので
お子さんの既得科目分を確認しましょう。
- 学校に行けない
- 進級や卒業が危ない
と感じ始めたら、試験を受けてみるのも良いかもしれません。
海外留学
海外に留学するのも有効な手段です。
視野が広がるだけでなく、
日本を離れ異なる文化に触れることで自身を客観的に見直すこともでき、
精神的な成長が期待できます。
留学の内容に応じて利用できる奨学金が変わるので、
お子さんの興味のある留学に合わせて調べてみるのも良いかもしれません。
民間の学力向上手段
学力の向上については様々な手段をとることができます。
一番大切なのは、目標を定め頑張れる環境を整えてあげることです。
家庭教師
先生に自宅へ来てもらい勉強を教わります。
最大の魅力は、わからない箇所はすぐに質問することができる点です。
そのため、自分の苦手分野や単元に特化して教わることもできます。
- 手持ちの教材を基に教わる形式
- 家庭教師の派遣先の教材を基にカリキュラムを組み勉強する形式
など目的に合うシステムを選びましょう。
ネット授業
スタサプやトライなど、家にいながら動画配信の授業を聞くことができます。
最大の魅力は何度も授業を聞くことができる点です。
- 授業の途中で集中力が切れてしまう
- 授業の途中で寝てしまう
といった人でも何度も再生できるので途中から聞き直すことができます。
また、時間の制約がなく、
生活リズムが不規則な人でも存分に勉強することができます。
学習塾予備校
決まった時間に塾へ行き授業を受けて勉強します。
最大の魅力は高校受験という同じ目標を持った同級生と切磋琢磨できることです。
前提として、勉強することに価値があると感じていなければ塾へは行きません。
そのため学習という共通目的を持った人に囲まれて勉強することができます。
通信教育
毎月郵送で届く教材を基に勉強します。
多くの通信教育が学校のカリキュラムを補完する教材という立ち位置にあります。
- 教科書をかみ砕いで解説し理解を促すコース
- 受験校に特化したコース
など選択肢が多いです。
現在の学力と志望校の学力の差を埋めるようなものが見つかりやすいでしょう。
■ フリースクール
■ 高卒認定試験
■ 海外留学
■ 民間の学力向上手段
まとめ
高校進学は、学校に戻る大きなきっかけの1つです。
将来、お子さんが苦労するかもしれないから、
今復帰させた方が良いと考える親が多いと思います。
しかし、お子さんの意思にそぐわない進路を選択し、
更に社会生活に馴染めないと思い詰めてしまうこともあるでしょう。
高校進学はあくまでもお子さんの選択肢の1つです。
進学は必ずしも必要なものではないことを念頭に置き、
親子でしっかりと相談することこそがお子さんの将来とって最も良い選択になるでしょう。
■ 高校進学は復学のきっかけの1つ
■ 高校進学はあくまで選択肢の1つ
■ 親子でしっかり相談する。
コメント一覧