どうなったら、不登校という扱いになるの?
こんにちは!Laf先生(@Laf_oshikawa)です。
昨今問題になっている不登校、
あなたの周りにも不登校の方がいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、この不登校とはそもそも
- どのような定義で
- どのようなときに
不登校という扱いがされるのでしょうか?
特に似たような使われ方をする「引きこもり」とはどのような違いがあるのでしょうか?
この記事では「不登校」という言葉の定義について解説していきます。
不登校の定義
まず、子供が学校に行かないからと言って
必ずしも「不登校」の定義に当てはまるとは限りません。
文部科学省によると以下のように定義されています。
「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席したもののうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」
(引用:文部科学省「不登校の現状に関する定義」)
不登校になる原因についてはこちらの記事をご覧ください!
そもそも不登校という単語が定義されたのは1992年からで、
当時は「学校嫌いで50日以上欠席した生徒」という定義でした。
それに比べるとより具体的な定義がされており、
「学校嫌いになった要因・背景」を明確にしようと言う意識が現れていると言えるでしょう。
また、上記では就学児を対象にした不登校の定義を説明しましたが、
広義では学籍がなく登校しない「非就学者」も不登校に含まれます。
年間30日以上欠席したもののうち、病気や経済的理由を除いた者
不登校の定義の区分
不登校は継続している理由により、以下の7つの区分に分けられます。
A.学校生活上の影響
原因としては
- 友人や教師との関係のこじれ
- 部活動への不適応
- 学業不振
などが含まれます。
このパターンは学校の教職員や保護者が学生の生活を観察し、
早期に適切に対処することが大切です。
学業不振が原因ならば学習への自信を取り戻すことで登校可能になりますが、
人間関係を原因としたものは解決が難しいです。
というのも本人以外にも原因があることが多く、原因がわかりにくいためです。
「誰が被害者で、誰が加害者か。」を決めることなく
中立の姿勢でコミュニケーションを取っていくことが重要です。
B.あそび・非行
いわゆる「不良」のレッテルを貼られるパターンです。
無断欠席や遅刻、早退を繰り返し登校しなくなります。
意外にも不登校においてこのタイプが占める割合は少なく、毎年5%以下です。
数は少ないのですが、対処は難しいです。
学校や保護者側が対処しても、
本人たちは学校以外の活動に積極的になっているため
それを崩すのはかなりの時間を要します。
あまりに事態が悪化すると暴力事件に発展するリスクもあるので注意しましょう。
C.無気力
特にトラブルがあったわけではありませんが、
ただやる気が無くて出席しないパターンです。
たまに学校に行くこともありますが、長続きしません。
無気力になる原因は発達段階での体験が偏っていることによるといわれています。
そのため無気力な子供には自発的に関わって励まし補助していくことが重要だと言われています。
D.不安など情緒的混乱
登校の意思はあるが不安を訴え登校できないパターンです。
中には身体症状が現れる例もあります。
このタイプの不登校は学生生活で困っていることが多く、そちらを解決することが最優先になります。
- 分離不安によるものと
- 息切れになるもの
- 甘やかされによるもの
- 生活基盤の不安定によるもの
の4つのパターンに分けられます。
①分離不安によるもの
主に小学生児童に現れる症状で、母親から離れることに不安を感じ学校にいけなくなります。
②息切れによるもの
家庭や学校など周囲からの期待に応えようとした結果、心労や無力感を感じるようになります。
③甘やかされによるもの
幼い時から甘やかされて育ったため、我慢したり、コミュニケーションを取ることが苦手です。
そのため、集団に入れなくなり、学校に行けなくなります。
④生活基盤の不安定によるもの
家庭内の不和や家庭生活の急激な変化から不安を感じ、学校に行けなくなります。
E.意図的な拒否
学校に行く意義が見いだせなくなり、
自ら生きる道を選んで登校しなくなるパターンです。
学生さんそれぞれに強い考えがあって登校しなくなるので、
根気強く話し合ってことが重要になってきます。
F.複合
上記の中で複数の要因が合わさっているパターンです。
ただ、どのタイプが複合しているか見分けるのはなかなか難しいです。
大事なのは継続してコミュニケーションを取り、
真に原因となっている要因を見極めることです。
G.その他
上記以外の要因です。
(引用:文部科学省「平成15年度学校基本調査」)
この内「不安など情緒的混乱」、「複合」、「無気力」が上位を占めています。
特に「不安など情緒的混乱」と「無気力」は似ている事が多いですが、
「不安など情緒的混乱」が名前の通り強い不安感や精神錯乱を持っているのに対し、
「無気力」は至って平然としています。
また「不安など情緒的混乱」が
学校に対する意欲や不登校に対する罪悪感を少なからず持っているのに対し、
「無気力」はほとんど罪悪感を持たないという明確な特徴があります。
不登校と引きこもりの違いは?
ここで不登校と同じようなニュアンスで使われる言葉に「引きこもり」というものがあります。
実際に混同して使われることの多いこの2つの単語ですが、実際には明確な違いがあります。
厚生労働省による引きこもりの定義を見ていきましょう。
「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6ヶ月以上続けて自宅に引きこもっている状態」(引用:,厚生労働省「引きこもりについて」)
似た部分もありますが、不登校との違いを上げると以下のようになります。
- 不登校と違い、学生だけが対象ではないし、学校に欠席することだけが対象ではない。
→不登校は学生限定の定義なのに対し、引きこもりは社会人も含みます。
- 引きこもりは欠席ではなく「人との交流がないこと」、「自宅に引きこもっていること」に焦点を当てている。
→そのため不登校でも、外出ができているなら引きこもりには該当しません。
- 不登校は年間30日以上学校に登校していない生徒が当てはまるが、引きこもりは6ヶ月連続で続く必要がある。
→誤解されがちですが、時たま学校に行っていても、年間で30日休んでいれば「不登校」の定義には当てはまります。
- 不登校が病気、経済的な理由によるものを除いているのに対し、引きこもりは含める。
→例えばうつ病で学校にいけなくなった場合は厳密には不登校には該当しません。ただ、それで外出困難になると引きこもりには含まれます。
なお、引きこもりかどうかの判別には以下の4つの質問が使われます。
- 趣味の用事のときだけ外出するか
- 近所のコンビニなどには出かけるか
- 自室からは出るが、家からは出ないか
- 自室からほとんど出ないか
下に行けば行くほど引きこもりは深刻になっていきます。
普段は家にいるが、自分の趣味に関する時にだけ外出する人は
「準引きこもり群」と定義され、
その他の3つに当てはまる人は「狭義の引きこもり群」と定義されます。
ただ、
- 自営業や自由業で家に籠もっている者
- 身体的な病気が理由にある者、専業主婦や主夫
- 家事手伝いで妊娠や介護、看護、出産・育児にあたる者
は除外するとしています。
■ 学校生活上の影響
■ 遊び・非行
■ 無気力
■ 不安など情緒的混乱
■ 意図的な拒否
■ 複合
■ その他
まとめ
不登校の定義は一言では定められますが、それだけでは問題の本質をついているとは言い難いです。
本当に要因となっているものを見極めて、それぞれに対策を打つのが真に重要なことです。
■ 学校に行かない≠不登校
■ 学校嫌いの背景も考慮する
■ 真の要因を見極め対策する
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