近年では不登校の学生が増えており、大きな社会問題となっています。
そんな不登校の学生さんたちはどのような心理で不登校に走るのでしょうか?
その実態を知るために、実際に日本財団によって「不登校傾向にある子どもの実際調査」(2018/12/12)などの統計調査を元に心理状態を解説します。
※前提として、先程「不登校は社会問題となっている」と書きましたが、当サイトでは必ずしも「不登校=問題」と言うつもりはありません。
ただ世論がそういった風潮になっていることを伝えたかったのだとご了承下さい。
不登校の学生の心理
それではまず、不登校の方に見られる5つの心理を一つ一つ解説してきます!
不登校の学生の心理①…疲れる、朝起きられない
調査の結果、「疲れる」・「朝起きられない」という2つが上位2つに来ています。
こう聞くと本人の甘えによるものと捉えられがちですが、中には疲労感や体調不良で本当に体が動かないような学生もいます。
睡眠時間や活動時間は人によって個人差がある、中には遺伝によって決められているものがあるという調査結果も出ています。
人より多く睡眠時間が必要な人は、そうでない人に比べてかなり学校生活で無理をしていた可能性が高いでしょう。
また、体調には影響がなくても、「燃え尽き症候群」や「無力感を感じる人」もいます。
これこそ本人の怠惰のように聞こえますが、そうでない場合もあります。
例えば、昔は真面目に頑張っていた生徒だったけれど学校の勉強で挫折したパターンですね。
もしくは、特に挫折はなくても学校に行く意味が感じられないことがあります。
本人の感受性が強すぎる、頭が良すぎると、個性を押し殺す集団行動に嫌気が差したり、学校の勉強を「効率が悪い」感じたりして、「なぜ学校に行かなければならないのだろう」と疑問を感じるようになります。
不登校の学生の心理②…勉強がわからない、ついていけない
①でも少し触れましたが、勉強がわからないという理由で学校にいけなくなる方も中学校には増えてきます。
というのも中学校に入ると、算数が数学に変わるなど勉強がドンドン学問チックになってきます。
難易度が急上昇するため、ついていけなくなるのです。
特に毎日小テストが行われたりすると、ストレスが増えます。
勉強ができるような私立中学校だと、それだけで馬鹿にされたり、いじめの原因になりかねません。
そういったことを恐れて学校にいけなくなる生徒も一定数います。
このタイプの学生は勉強に一途に取り組んできたタイプとそうでないタイプに二分されます。
- 元々が真面目すぎるために自分を追い込みすぎて、逃避状態に陥ってしまうタイプ
- 元来勉強に対して真面目には見えないのですが、内心では勉強ができない自分に対して劣等感と、そして「どう頑張っても無理」という無力感を感じているタイプ
無力感故に現実からの逃避で不登校になります。
不登校の学生の心理③…いじめ・対人関係が嫌
いじめで学校に行けないというのはステレオタイプ的な不登校だと思います。
しかし、いじめがなくても、友人関係で問題があり、友達と関わるのが面倒、もしくは会うのが気まずくなり、学校にいけなくなるパターンのほうが実は多いです。
こういったタイプの学生はとても落ち込んでいる一方で、友達と遊びに行くことも非常に多いです。
というのもやはり友達と一緒にいないと寂しいのです。
また、仲をこじらせた友人とは今まで通りに関係が続いているために、心配して友達が家に迎えに来てくれることも多く、友達に対する申し訳無さを感じているか、もしくは依存することがあるでしょう。
不登校の学生の心理④…学校・先生が気に入らない
学校の先生、もしくは学校の雰囲気そのものに嫌気を感じて不登校になる学生さんも増えてきています。
具体的に説明すると、先生に関しては学校の先生の教育の方針が合わない、嫌な怒られた方をされた、もっと言うなら性格が合わないなどがあります。
学校そのものに関しては校則などの方針が気に入らないパターン、部活が厳しすぎてついていけない、
もしくは方針が自分と合わないなどで不登校に走ることになります。
ある意味一番無力感を感じているのが彼らかもしれません。
というのは突き詰めれば、勉強は自分の努力次第で改善できますし、友人関係も時を経てば解決される可能性があります。
しかし、学校は決まりきった組織のため、どうしても自分の力で解決することはできません。
それ故に「合わない所にいるくらいなら自分が引きこもろう。」と不登校になります。
不登校の学生の心理⑤…家庭問題のストレスで疲れ切っている
意外に思われるかもしれませんが、不登校中学生のうち30%が学校ではなく、家庭の問題から不登校になるという結果が出ています。
両親の別居や親子関係のこじれなど、家庭内で大きなストレスがかかることにより疲れ切って学校どころではなくなってしまうのです。
お子さんは口では「疲れた」と言っているパターンが多いですが、
その実、誰にも期待できなくなり、大きな孤独感を感じています。
というのも学校には行く気力が行かない上に家庭内でも居場所を実感できなくなっているためです。
■ 疲れる、朝起きられない
■ 勉強についていけない
■ いじめ・対人関係が嫌
■ 学校・先生が気に入らない
■ 家庭問題のストレスで疲弊
不登校の心理を改善する方法
ここから先ではそういった学生さんの心をケアする方法を解説していきます。
以下は主に学生さんよりはその周りの方に向けた記事になります。
不登校の心理を改善する方法①…疲れる、朝起きられない
このパターンの場合、疲れの原因は2つのパターンに分かれます。
- 身体的なものから来ているパターン
- 精神的なものから来ているパターン
まずは、どちらのパターンなのか判別しましょう。
1. の場合、日頃の生活リズムに問題があるパターンがあります。
睡眠時間を見直す、健康な食生活をする、運動をするなど生活リズムを整えましょう。
それでもどうしようもない場合は学校に行く日と行かない日を繰り返し、本人に無理のないスタイルで学校生活を送らせるようにしましょう。
また、高校になるといつでも好きな時に勉強できる通信制の学校に入るのもオススメです。
2の場合、以下で説明する項目に真の要因があるので、学生さんとコミュニケーションを取って話してみて下さい。
不登校の心理を改善する方法②…勉強がわからない、ついていけない
まずはどこで勉強に詰まっているのか、本人では手に負えなくなっているため、勉強をよく知っている人に相談するようにしてみましょう。
勉強のよくできる友人でも、塾の先生でも家庭教師でもいいです。
自分では発見できなかった問題が、案外他の人から見たら簡単に見つかる可能性は高いです。
ここ注意してほしいのは短期間で解決しようとしないことです。
本人が無力感を感じていることが多いために、解決法だけ示すと「どうせできない」と拒否感を示すためです。
まずはできないことを素直に受け止めて、一歩ずつ理解してもらいながら楽しいコミュニケーションを取っていきましょう。
不登校の心理を改善する方法③…いじめ・対人関係で学校に行けない
この場合、相手の学生と和解することが最終的なゴールになります。
本人たちでは解決できなくなっているパターンが多いため、学校の担任の先生や相手側の親との相談になります。
この場合に大事なのが「コミュニケーション」です。
お子さんからしたら口を挟んでほしくないと思われることが多いでしょうし、過度な干渉はお節介になってしまいます。
相手側の親御さんにしても、自分の子供が加害者扱いされるのは好ましいことではありません。
感情をぶつけることなく、現状を理解してもらうために丁寧に現状を説明することが大切です。
不登校の心理を改善する方法④…学校・先生が気に入らない
先生に問題がある場合はお子さんが一人ではどうしようもないので、親御さんから先生に相談にいきましょう。
それでも解決しない場合、もしくは学校が問題になる場合、もはやどうしようもありません。
転校を考えるのも一つの手です。
不登校の心理を改善する方法⑤…家庭問題のストレスで疲れ切っている
まずは家庭内の環境がお子さんのストレスの原因になっていることを認めましょう。
その中で家族一丸になって問題に向かい合いましょう。
時間はかかりますが、幸せな過程を作ることがお子さんの復帰に繋がります。
■ パターンを判断する
身体的からくるもの
精神的からくるもの
■ 勉強に詳しい人に相談する
■ 相手の学生と和解する
■ 親御さんが先生に相談する
■ 家族一丸となって解決する
まとめ
一言で「不登校」と言っても、このように様々な要因があり複雑です。
いずれの場合も共通してやってはいけないのが、無闇矢鱈に「学校に行きなさい」と追い立てることです。
丹念なコミュニケーションが解決に繋がります。
■ 不登校の心理は複雑
■ 無理に通学させるのはNG
■ 原因を見極める
■ 適切な対処法を取る
■ コミュニケーションが重要
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