不登校になった子は将来どうなるの?
こんにちは!Laf先生(@Laf_oshikawa)です。
不登校と聞くと良くない印象がありますが、実際の所どうなのでしょうか。
ここでは
- 「中学が不登校だった場合将来はどうなるの?」
- 「不登校のリスクって何?」
という疑問に対する回答を中心に、親御さんにとって欲しい行動までご紹介していきます。
お子さんが不登校でお悩みの親御さんにはぜひ参考にしていただければと思います。
統計から分かる事実
文科省による不登校の中3生の追跡調査(2014年発表)では、
不登校経験者の高校進学率が85.1% となっています。
また高校中退率は14.0%となっています。
つまり、中学で不登校になった学生の8割以上のが高校に進学し、その9割近くが卒業しています。
さらに高校以降は大学・短大・高専への進学率は合わせて22.8%となっています。
不登校の学生でも入学できる高校についてはこちらのご覧ください!
また「不登校だった中学3年生の81.9%は、20歳になったときは就学・就業をしている」というデータがあります。
進学先の学力レベルや職業の内容までは非公開のため、不登校でも一概に大丈夫だと言うことはできません。
しかし、不登校だからと言って悲観し過ぎる必要はありません。
- 中学で不登校になった学生の8割以上のが高校に進学し、その9割近くが卒業。
- 不登校だった中学三年生の8割が20歳時に進学/就業している。
考えられる不登校のデメリット
ここまで、「不登校であっても将来を悲観しすぎる必要はない」と言いました。
しかしもちろん不登校のデメリットはあります。
それらを順を追ってご説明していきます。
不登校のデメリット① 引きこもりになりやすい
成人後に引きこもりになった人のうち約50%が学生時代に不登校経験者であったというデータがあります。
この原因は、不登校経験者は同級生や先輩後輩、先生などとの関係を築く機会が少なくなるからです。
つまり、コミュニケーションを通した社会性が身に付きにくいことが大きな原因となっています。
不登校のデメリット② 就職先が限られる
不登校で中卒のまま仕事を探した場合、就職先の選択肢が狭くなります。
また高校を卒業していない場合、正社員になるのは難しいことが多いです。
中卒で正社員になっている割合は約38%と大卒の約80%と比較すると差は歴然です。
不登校で中卒の子の多くは、学歴が必要ない力仕事が多い職場で働くことがほとんどです。
しかし、引きこもりの期間が長い人は体力が低下しており、力仕事が長く続けられない傾向にあります。
また不登校が長期化した子どもほど、就職1年以内の離職率が高くなります。
不登校のデメリット③ コミュニケーション能力不足
不登校のお子さんは周囲の人たちとコミュニケーションを取る機会が少ないです。
そのことが原因で人間関係の築き方や社会性、基本的なマナーが身に付きづらいです。
さらにこれらが原因で社会復帰した際に大きく足を引っ張るようなこともあります。
■ 再び引きこもりやすい
- 成人の引きこもりの半数が不登校経験
■ 就職先が限定される
- 中卒/長期の不登校は就職しづらい
■ コミュニケーション能力不足
- 人間関係や社会性が身についていない
不登校経験者が後悔していること
ここでは不登校経験者が後悔していることをご紹介していきます。
不登校経験者が大人になってどのような後悔をしているのか。
それらを知ることでお子さんの将来に向けて取る行動の参考になると思います。
不登校で後悔したこと① 学力が不足すること
「大学に進学したものの学力面の遅れが原因で大学での授業で困った。」というような声があります。
大学には進学できたものの自分の学力が低く授業についていくのが大変だった例です。
特に私立大学では受験科目が3教科の所が多く、AO入試などでは筆記試験すらない場合があります
そういった入学方法を利用した場合、学力面で壁にぶつかることがあるようです。
また「最終学歴が中卒の為、進学や資格取得が出来ず就職先の選択肢が狭まってしまった」という声もあります。
不登校で後悔したこと② 体力が低下すること
「家を出なくなり体力が落ちすぐに疲れるようになった為、行動を起こそうとしても起こせないことがあった」という声があります。
体力が落ちたことが原因で、せっかく社会復帰したのに体力が持たずに続かないといった負のスパイラルもあるようです。
不登校で後悔したこと③ 社会性が身につかないこと
- 「人とのかかわり方を学んでおけばよかった」
- 「協調性が身につかずに苦労している」
という声もありました。
こちらも社会復帰を妨げる大きな原因です。
不登校で後悔したこと④ 学校行事に参加しなかったこと
- 「文化祭や修学旅行など、学校時代にしか経験できない行事に参加できなかった」
- 「大学で友だちが中学時代の思い出話をしているときに、話に入れない。」
といった声もありました。
大多数の人が経験していることを経験できないということが、後悔につながるようこともあるようです。
■ 学力が不足する
■ 体力が低下する
■ 社会性が身につかない
■ 学校行事に参加しなかった
保護者の方に出来ること
不登校でも将来を悲観しすぎることはないと言いつつ、マイナスな側面をご紹介してきました。
以下では、そんなマイナスな側面を乗り越えるために出来ること、してほしいことをご紹介していきます。
保護者の方に出来ること① 学校以外の居場所を作る
学校以外の場所で居場所を作ることが重要な理由は、お子さんには人間関係を学ぶ場が必要だからです。
- フリースクール
- 習い事
- サークル
- ゲームのコミュニティ
など何でも構いません。
コミュニケーション能力を上げる為、交流の場を探しましょう。
保護者の方に出来ること② 将来の選択肢を提示する
お子さん自身が一番将来に対して不安を感じています。
ですので、不登校から成功した人や学校に行かずに夢を叶えた人の方法をたくさん伝えてあげましょう。
学校に行かなくても、社会で活躍している人はたくさんいます。
また進学するにしても通信制の高校や高専、高認試験、就職などたくさんの選択肢があります。
将来が不安な原因は「どうなるのか分からない」からです。
不登校経験者たちがどのような未来を歩んでいったのか提示してあげましょう。
保護者の方に出来ること③ 学ぶ機会作る
不登校でも社会で生きていくための最低レベルの知識は身につけた方が良いです。
国語や英語などの言語は使えるようにしておくと日常生活がスムーズになります。
特に現代文は重要です。
理由は、筆者や物語登場人物の心情を読み解く現代文は、相手の気持ちを察する訓練になるからです。
きっとコミュニケーション能力向上の一助となってくれるはずです。
不登校の学生の学習方法についてはこちらの記事をご覧ください!
保護者の方に出来ること④ 子供を肯定してあげる
不登校であることを含めてお子さんを肯定してあげましょう。
不登校であることを一番お子さんが負い目に感じています。
そのことで全てに対して自信を無くしてしまっています。
そこへ責めたりしようものなら家庭に居場所がなくなり心を閉ざしてしまいます。
そうなればさらに事態は悪化します。
ですので、お子さんを責めずに肯定してあげましょう。
お子さんの自信を取り戻すことにもつながります。
せっかくお子さんに時間もあることですし、お子さんの熱中できることを一緒に探してみてあげてはいかがでしょうか。
そこから道が開けることもあります。
保護者の方に出来ること⑤ 第三者を頼る
お子さんの不登校の原因が全て親の自分にあると抱え込まないでください。
それ自体がお子さんのプレッシャーになる可能性すらあります。
ですので、不登校に詳しい専門家・第三者を頼るのがおすすめです。
第三者とは、
- 市区町村の子育てや不登校に関する相談窓口
- 不登校の「親の会」
- メンタルクリニック
- カウンセラー
- NPO法人
などがあります。
親御さんの精神衛生上の為にも第三者に頼っていただければと思います。
保護者の方に出来ること⑥ 自己表現が出来きない状態にあると理解する
お子さん自身が自分の気持ちについて理解していない場合があります。
不登校関係なく、思春期のお子さんは気持ちをうまく話せないこともあります。
将来についての結論を急ぎたい気持ちをぐっと抑えて、
日々ゆっくりとお子さんとコミュニケーションを取っていきましょう。
その中で将来についての認識をお子さんとすり合わせていきましょう。
■ 学校以外の居場所を作る
■ 将来の選択肢を提示する
■ 学ぶ機会を作る
■ 肯定する
■ 第三者に頼る
■ 自己表現が出来ない事を理解する
まとめ
ここまで不登校経験者の将来についてご紹介してきました。
不登校という経験の良し悪しは未来のお子さんにしかわかりません。
未来のお子さんが幸せならば不登校の経験も笑って良い経験だったと振り返ることができるでしょう。
結局終わり良ければ総て良しなのです。
その終わりも全て本人の努力で切り拓いていくことができます。
その切り拓く過程で、この記事が参考になれば幸いです。
■ 不登校でも進学/就業は出来る
■ 長期化/高校中退は避ける
■ 不登校は体力/学力が低下する
■ 不登校は社会性が身につかない
■ 保護者として出来ることをする
関連記事