不登校で今現在悩まれているなら、一つの解決手段に「転校」があります。
「転校」と書けばネガティブなイメージがありますが、決して悪いことではありません。
合わない環境で苦しむより、自分が合う環境で楽しんだほうが明らかに幸せです。
しかし、気をつけていただきたいのは「不登校は転校で解決する場合としない場合がある。」ということ。
この記事では、どのような場合転校すればいいのか、わかりやすく解説します。
不登校で転向したほうがいい場合
まずは、転校した方が良い場合の不登校について解説していきます。
いじめや友人関係が原因の場合
もし、いじめや人間関係のこじれが原因で不登校になった場合、転校が有効な解決手段となる場合が多いでしょう。
関係の悪かった人たちと離れられるため、一から人間関係をリセットさせることができます。
学校の方針と合わない場合
先生との関係が合わない、勉強の方針がどうしても自分のリズムから外れる場合、転校すればより自分に合った環境を見つけられることもあります。
あまりに独特すぎる文化を押し付ける学校もあるため、学校の方針に適応できないというのは必ずしも悪いことではありません。
むしろそこで折れてしまうのは、自分自身の心をころしてしまうことに繋がります。
注意点
上記2つに共通するのは、不登校の原因が自分では致し方ない問題である場合という点です。
ただ上記2つの場合でも、「本当に本人に問題がなかったのか。」を考えましょう。
例えば、クラス内であまりにわがままを言うためにいじめれられたという場合、仮に転向先でも同じ過ちを繰り返し、再び不登校になる可能性が高いです。
一度なくなった信頼関係を戻すのは難しいので、その場合に転校するのは確かに有効です。
しかし、自分に問題があったのかは必ず振り返りましょう。
そうすることで、転校せざるを得なくなった問題をきっかけに人間的に大きく成長できます。
■ いじめや友人関係が原因
■ 学校の方針と会わない場合
- 先生と合わない
- 勉強方針が合わない
■ 注意点
- 本人では問題が解決されない場合
- 本人にも非がある場合は要注意
不登校で転校するメリット
それでは上記の事例で転校したとしてどのようなメリットがあるのでしょうか。
不登校の原因から離れられる
学校でいじめを受けたり、方針に合わない場合、それらの問題から完全に離れられます。
「目の前の問題から逃げる。」と書けばいいイメージはありませんが、それは決して悪いことではありません。
試験で難しい問題は後回しにするのと同じく、自分の手を負えない問題はとりあえず距離を置いてみるというのは、人生の戦略的にはむしろ正しいです。
もし転校する事になっても「自分は望んでその選択肢を取ったのだ。」と自信を持ってもいいのです。
新たな気持ちで学校生活を迎えられる
転校することによって学校周辺の環境を一度リセットできます。
また、転校先のクラスメイトは転校生が不登校を経験していたことを知らないかもしれません。
全く新しい環境で、前の学校では見つかられなかったようなすばらしい発見ができる可能性もあるでしょう。
新しい楽しみが見つけられる
例えば部活や学校行事などで、前の学校では見つかられなかった、本人が心から打ち込めるものが見つけられるかもしれません。
特に不登校の間に「なにかしたい。」というエネルギーが溜まっている場合は、本人の意欲も高いので見つけられる可能性が高いでしょう。
そうでなくても新しい友人や恋人が刺激になる可能性もあるでしょう。
■ 不登校の原因から離れる
人間関係・学校の方針などの問題から解放される
■ 新たな気持ちで学校に行ける
■ 新しい楽しみが見つけられる
- 心から打ち込めるもの
- 新しい友人や恋人
不登校から転向しない方が良い場合
とはいえ、転校することによって必ずしも不登校が改善するとは限りません。
ここでは、転校しない方が良い場合、
もしくは、転校してもあまり意味がない場合を解説していきます。
学業不振の場合
学業不振が問題の場合、不登校が改善する可能性は低いでしょう。
勉強内容は日本全国どこの学校でも大きな違いがないためです。
転校することで教え方が素晴らしい先生に出会う可能性はありますが、それよりも「自分がどの内容で詰まり、それでどんな気持ちでいるのか。」をはっきりすることが優先です。
転校により改善しても、また同じような挫折を繰り返す可能性が高いでしょう。
無気力が原因の場合
背景事情にもよるでしょうが、無気力が原因の場合も不登校が転校で解決するとは限らないでしょう。
学業不振の場合もどうですが、原因が学校側でなく、本人の内面に問題がある場合は転校してもどうしようもありません。
ただし、通っている学校以外に好きなスポーツがあるなど、本人が猛烈に興味を持っているものが他にある場合はこの限りではありません。
本人の興味を持っているものに精一杯取り組める転校先がある場合は、転校によってエネルギーが戻る可能性は十分にあります。
家庭に原因がある場合
意外ですが不登校の原因が家庭にある可能性は高いです。
文部科学省が算出している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(平成30年度)」によると
調査対象の不登校中学生のうちいじめが原因で不登校になるパターンが0.6%なのに対し、家庭生活が不登校の原因になっているパターンは30.9%と家庭生活が原因になっているパターンはいじめの5倍という結果になっています。
特に当事者の方が理由を語りたがらない場合は家庭内の問題が高いです。
勿論学校を変えたからといって家庭内の問題が解決する可能性は低いでしょう。
この場合親子でお互い傷つけ合わないようなコミュニケーションを模索する必要があります。
発達障害が原因にある場合
不登校の原因が発達障害にある場合は必ずしも解決するとは言えません。
転校よりもむしろ本人が安心して学校に通えるような専門家によるサポートが必要になってきます。
ただし発達障害によりいじめが起きている場合は、転校によって環境を変えることは効果的でしょう。
発達障害そのものへのサポートも必要になってきますので、そちらも怠らないようにしましょう。
■ 学業不振が原因の場合
- 勉強内容は日本全国どこの学校も大差ない
- 「分からない」を解決することが優先
■ 無気力が原因の場合
- 無気力の原因にも要注意
- 転校先に熱中できることがあればOK
■ 家庭生活のストレスが原因の場合
不登校から転校する流れ
それでは不登校から転校する流れを説明していきます。
事前に確認すべきこと
まず原因が転校により解決することかそうでないのか見極める必要があります。
家族でしっかりコミュニケーションをとり、本当に転校しないとどうにもならないと判断すれば転校の準備に移って下さい。
中学校の場合
お子さんが中学生の場合の転校の流れを、学校の種類による場合分けで解説していきます。
①公立中学から別の公立中学に移る場合
同じ学区内で転校する場合、居住している市町村の「学事課」あるいは「学務課」で、「指定校変更」の手続きをします。
これが他の市町村に移る場合は転校先の市町村の窓口で手続きが必要です。
②私立中学から公立中学に移る場合
在籍している私立中学で在学証明書を発行してもらい、居住している市町村の「学事課」か「学務課」で手続きをします。
③私立中学に移る場合
私立中学の中には学期末に転入生の募集を行っている学校があります。
転入試験に合格すれば、その次の学期から入学できます。
提出書類は願書、在学証明書、成績証明書などの書類です。
高校の場合
高校の手続きは私立中学とほぼ同じですが、転入試験に不合格だった場合、前の在籍校にそのまま在籍できるか、除籍になるか確認しておきましょう。
除籍になった場合、再度高校に入学するためには編入試験を受けることになります。
■ 中学の場合
- 公立中学→別の公立中学
- 市町村の学事課で指定校変更の手続き
- 私立中学→公立中学
- 指定校変更の手続き(在学証明書が必要)
- 私立中学
- 願書・在学/成績証明書+転入試験で合格
■ 高校の場合
私立中学と同じ
転入試験に不合格の場合の処遇を聞く
まとめ
不登校は決して悪いことではなく、「次の一歩」に進むための一つのステップと考えておきましょう。
大事なのは「転校が悪いことかどうか」ではなく、「本当に不登校の問題を解決するにはどうすればいいか」です。
転校した場合、どのようにお子さんの生き方を築いていくか、そこが本当に難しい問題になってくるでしょう。
■ 不登校の原因を考える
- 転校が効果的な場合
- 転校しても意味がない場合
■ 根本の原因を押さえることが重要
■ 転校は悪いことではない
■ 不登校の問題が解決するかが重要
■ 転校の手順はしっかり確認する
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