
英単語が覚えられません。何回書いても覚えられなくて…。どうしたらいいですか?

大丈夫。それ、頭のせいじゃありません。覚え方を変えれば覚えられるようになりますよ!
先日、Instagramで中学3年生からこんな質問をもらいました。何回書いても覚えられない中学生、めちゃくちゃ多いんです。毎朝7:15からInstagramでやっている朝ライブでこの相談にがっつり答えたので、この記事ではその内容を整理してお届けします。
先に結論を言うと、英単語が覚えられないのは頭のせいではありません。覚え方のせいです。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
英単語が覚えられないのは、暗記力のせいじゃない
まず大前提の話から。「暗記力って人によって違うよね」と思っていませんか?
実は、暗記力に個人差はほとんどありません。
証拠を出しますね。あなたは自宅の電話番号や、自分のスマホの番号をパッと言えますか? ほとんどの人が言えるはずです。電話番号が覚えられているなら、あなたの暗記力に問題はありません。
もうひとつ、「マジックナンバー7」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。人間は7つまでの数字なら一気に覚えられるのに、8個を超えた瞬間、急に覚えられなくなる——という性質です。電話番号やクレジットカードの番号が4桁ずつ区切られているのは、このためです。
つまり「一度にたくさん覚えられない」のは、あなただけではなく人間みんなの仕様です。「自分は暗記力がないんだ」と思う必要は、まったくありません。
まず原因診断——君はどのタイプ?
覚えられない原因は、だいたい次の4パターンに分かれます。自分がどれに当てはまるか、考えながら読んでみてください。
- 読めない — そもそもその単語を見たとき、適切に発音できない
- 見ればわかるけど、思い出せない — 答えを見れば「あー、あったな」となるのに、自分からは出てこない
- すぐ忘れる — 「え、そんな単語やったっけ?」となってしまう
- 書くことが目的になっている — とにかく書き写す「作業」になっている
なぜ診断から入るかというと、原因によって対策が違うからです。ダイエットで考えるとわかりやすいですよ。同じ「なかなか痩せない」でも、
- 食べすぎが原因なのか、運動不足が原因なのか
- 食べすぎだとしても、三食の量なのか、間食なのか、寝る前のアイスなのか
原因を特定しないと、正しい対策は打てません。勉強もスポーツも仕事も、ぜんぶ同じです。
中学3年間で覚える英単語は1,600〜1,800語。でも割り算してみて
解決策に入る前に、ひとつだけ「やる気の仕組み」の話をさせてください。心理学では、やる気はこんな方程式で説明されます。
モチベーション = やれそう感 × やりたい感
どんなにやりたいことでも、「やれなさそう」と感じた瞬間にやる気は下がる。逆に言えば、「やれそう」と思える計画さえ作れば、やる気は後からついてくるということです。
やる気の仕組みと「やりたい感」の高め方(目標の立て方)は、こちらの記事で詳しく解説しています。

では、英単語の「やれそう感」を作っていきましょう。学習指導要領では、小学校で600〜700語、中学校ではさらに1,600〜1,800語を覚えることになっています。
「1,800語!?」とうんざりしましたよね。わかります。でも、割り算してみてください。
1,800語 ÷ 3年 = 1年で600語。
600語 ÷ 365日 = 1日たった2語です。
2語なら、めちゃくちゃ簡単そうに聞こえませんか? 中学1年生なら本当に1日2語でいい。質問をくれた中3生の場合は残り日数が少ないぶん、1日5〜6語のペースになります。それでも「1,800語」と「1日5語」では、気持ちがぜんぜん違うはずです。
ゴールを決めて、1日に落とし込む。「やれそう」と思える計画にすることが、暗記の最初の一歩です。
やってはいけない覚え方3つ
覚え方のステップに入る前に、先にNGを押さえておきましょう。
①ひたすら書く
5回、10回、30回と書き写すのはNGです。 脳は「思い出した回数」が多い情報ほど重要だと判断して、記憶に定着させます。ただ書き写すだけの作業には、この「思い出す」プロセスがありません。だから何十回書いても覚えられないんです。
②一度で完璧に覚えようとする
人間は覚えた内容の74%を1日で忘れます(エビングハウスの忘却曲線)。一度で完璧に覚えようとするから、翌日忘れている自分にがっかりして挫折する。忘れる前提で、1週間かけて覚えるのが正解です。
③きれいなノート作り
ノートを美しく作ることに労力を使うと、肝心の「覚える」に使うエネルギーが残りません。目的は脳に定着させることです。ノート作りが趣味で楽しいならOKですが、そうでないなら無駄は削りましょう。
実際、うちの塾(オンライン学習塾Laf)に入ってきたばかりの生徒で、practiceを「プラクチセ」とローマ字読みしていた子がいました。こういう子に限って、たくさん書いてくれているし、ノートもきれいなんです。あんなに頑張って書いているのに覚えられないのは、悔しいですよね。でも原因は努力不足ではなく、手順だったんです。
覚え方4ステップ
ここからが本題です。順番が大事なので、ステップどおりにやってみてください。
ステップ1:発音から入る
読めない単語は覚えられません。 まず音声を聞いて、真似して読めるようにします。今はGoogleで単語を検索すれば音声が出てきますし、アプリでもAIでも聞けます。1日目は、35単語(1日5語×1週間分)の発音を5回ずつ真似るだけでもOKです。
ステップ2:音読しながら3回書く
声に出しながら書きます。目・耳・口・手を同時に使うイメージです。回数は3回だけ。それ以上は作業になります。
ステップ3:隠してテスト(3日目〜)
日本語だけ見て、英単語を書けるかテストします。ここが一番大事で、この「思い出す」瞬間が記憶を作ります。書けなかったらうんうん考え込まず、すぐ答えを見て、その単語だけ3回書く。テンポよくポンポン進めるのがコツです。
ステップ4:例文で覚える
最後は例文ごと覚えます。単語を単語のまま覚えるのは、実はいちばんつらい方法です。
たとえば「豊臣秀吉」という漢字を「覚えなさい」と言われたら苦痛ですよね。でも「昔は猿って呼ばれてた」「織田信長の草履を懐で温めてた」というストーリーを知ると、急に身近になって覚えやすくなる。英単語も同じで、例文というストーリーの中で覚えると定着しやすいうえに、文法まで一緒に覚えられて一挙両得です。
忘れるのは当たり前——1週間で35語を回す
もう一度言います。人間は1日で74%忘れます。テストの点数につながらない子の多くは、勉強不足ではなく復習不足です。
だから「1日5語を完璧に」ではなく、「同じ35語に毎日ふれて、1週間で覚える」に切り替えてください。今日35語をざっと見る。明日も同じ35語。あさっても同じ35語。1回1回は完璧じゃなくていい。7回くり返す中で、気づけば定着しています。
続ける仕組み——3分だけ、いつもの習慣に乗せる
やり方がわかっても、続かなければ意味がありません。続けるコツは2つです。
1つ目は「まず3分だけやる」。 やる気は、やり始めた後に出てきます(心理学で「作業興奮」といいます)。私も皿洗いが大嫌いなんですが、始めてしまうと勢いがついて他の片付けまでやりたくなる。英単語も「3分だけ」と決めて手をつければ、自然ともう少しやりたくなります。
2つ目は「今ある習慣に乗せる」。 新しい習慣をゼロから作るのは大変です。だから、すでに毎日やっていることにくっつけます。おすすめは夕飯の前か朝食の前に必ずやると決めること。余裕があれば、寝る前に今日の単語をパラパラッと見返すと、睡眠中に記憶が整理されてさらに定着します。全部やろうとすると崩れるので、まずはどれか1つだけで大丈夫です。
学年別のポイント
| 学年 | ポイント |
|---|---|
| 中学1年生 | 教科書の英単語だけをきっちり覚えればOK。まず「読める」の土台づくりを |
| 中学2年生 | 単語量が一気に増え、前置詞とセットの熟語(イディオム)が多くなる。熟語単位で覚える |
| 中学3年生 | 入試の頻出語を、単語帳を使って頻度の高い順に覚える |
保護者の方へ——「なんで覚えられないの」はNGです
最後に、この記事を読んでくださっている保護者の方にお願いです。
お子さんが覚えられずにいるとき、「なんでやらないの」「なんで覚えられないの」は言わないであげてください。ここまで読んでくださった方はもうご存知のとおり、人間は1日で74%忘れる生き物です。忘れるのはサボりではありません。
代わりに、いちばん効果があるのは一緒にチャレンジすることです。といっても時間はかかりません。お子さんが今週覚えている35語のうち5語くらいを、毎朝「これ、何ていう意味?」と聞いてあげるだけ。これがそのまま最重要の「思い出す練習」になります。
しかも翌日、翌々日には答えられるようになってくるので、お子さんを褒めるタイミングが自然と増えます。「なんでやらないの」というネガティブではなく、「できるようになってるじゃん!」というポジティブを言える機会を増やしていきましょう。
よくある質問
Q. 結局、何回書けば覚えられますか?
A. 回数は関係ありません。「思い出せた回数」が記憶を作ります。書くのは3回まで、あとは隠してテストです。
Q. 覚えられないのは病気でしょうか?
A. 自宅の電話番号が覚えられているなら心配いりません。原因は暗記力ではなく覚え方です。この記事の4タイプ診断に当てはめて整理してみてください。
Q. アプリと紙、どっちがいいですか?
A. 続く方が正解です。アプリは復習のタイミングを自動化できるのが強み、紙は書く感触や例文などの情報が加わって定着しやすいのが強み。ハードルが低いと感じる方から始めてください。
Q. 単語帳は何を使えばいいですか?
A. まずは教科書準拠のもので十分です。買うなら1冊を極めてください。何冊も買って目移りするのがいちばん遠回りです。
まとめ
- 暗記力に個人差はない。覚えられないのは覚え方のせい
- 書くのは3回まで。4回目は隠してテスト——「思い出した回数」が記憶を作る
- 忘れるのは当たり前(1日で74%)。1週間で35語を回して覚える
- 続けるコツは「3分だけ」と「いつもの習慣に乗せる」
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明日も一緒に頑張っていきましょう。
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