発達障害のお子さんに対しての指導で学校以外にも塾や家庭教師を頼んだほうがいいんじゃないかな?と悩んでいる方へ。
今回は発達障害のタイプを理解したうえで、それぞれのタイプにあった勉強法を解説していきます。
まずは自分のお子さんの発達障害のタイプを理解してそれに合った学習環境を整えてあげてください。
発達障害のタイプを理解しよう
ここでは発達障害のタイプを大きく3つに分けて説明します。
しかし、このうちのいくつかの特徴を併せ持つケースもあるので、ひとえに症状から障害の種類を決めつけることはよくないです。
まずは自分のお子さんがどのような障害を持っている可能性があるのかをしっかりと理解しましょう。
自閉症スペクトラム(ASD)
人とのコミュニケーションに困難があり、特定の物事に強いこだわりがあります。
無目的に同じ行動を繰り返すことが多かったり、環境などの変化に対応することが難しい、感覚過敏(または鈍感)といった特徴があります。
学習障害(LD)
知能には問題なくても、文字の読み書きや算数の計算など特定の物事に対して著しい困難を示すことがある障害です。
中枢神経系の機能障害であると考えられており、努力や気持ちで克服できるものではないので、先生や指導する人の理解が大事になってきます。
また、LDも下の3つのタイプに分けることができます。
読字障害(ディスクレシア)
読字障害の方は文字を読むことが苦手で、漢字を覚えられない、音読ができない、似ている文字の識別ができないなどの特徴があります。
例えば「め」と「ぬ」などの判別などが読字障害を持っている方からしたら大変困難な作業になってきます。
書字障害(ディスグラフィア)
書字障害の方は文字を読んで理解できても、文字を書くことはとても苦手です。
文字を書いても、書いた文字がマス目からはみ出してしまう、文字がぐらぐらしていて判読できない、板書に時間がかかるなどの特徴があります。
算数障害(ディスカリキュア)
算数や数学など数字に対して苦手意識を持っているタイプです。
数を数えられない、計算問題ができない、だけではなく、数の概念が理解できにくい、など数字に関する様々な特徴をもっています。
この3つの学習障害は努力ややる気の問題では全くないため、教師や保護者さんからの理解は必須になってきます。
ADHD(注意・欠陥多動性障害)
不注意(集中できない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考える前に行動してしまう)という3つの症状がみられます。
自分で気持ちや行動をコントロールすることが難しく、衝動が抑えられないなどの特徴があります。
■ 自閉症スペクトラム
コミュニケーションが難しい
特定のものに強いこだわりがある
■ 学習障害
読み書きや計算など特定の物事に著しい困難を示す
■ ADHD
集中・じっとすることが出来ない
発達障害のお子さんにあった勉強法は?
ここからは上記の3つのタイプの障害を持ったお子さんに対する適切な勉強法や指導法を解説していきたいと思います。
ここで紹介する方法はあくまでも手段の一つですので、いろいろ試してみて、お子さんに合った対応をしていきましょう。
自閉症スペクトラム(ASD)
「言葉」から意味を汲み取ったり、言葉を扱うことが苦手な傾向があります.図や写真、身振りなど視覚的な表現を取り込むことで理解されやすくなります。
また、一つの事を何度も繰り返したりすることはあります。
しかし、習慣化されていないことを始めるのは苦手な場合が多いです。
そのため、宿題を行ったりするときは、何をどの順番で、どうするかをわかりやすく紙に書いて見せてると、取り組みやすくなります。
学習障害(LD)
学習障害のお子さんは特定の読み書きや、算数などの行動が苦手な場合が多いです。
そのため、カードやボード、タブレットを使ったり、表現を身近で理解しやすいものに置き換えたりすることが学習方法として有効です。
苦手な行動をいかに、ほかの手段で補うかが必要になってきます。
また、苦手な行動に対し、恐怖心を感じていることもあるため、その場合は恐怖心を取り除いていくことから始めるとよいでしょう。
読字障害(ディスクレシア)
このタイプのお子さんには、文字を聴覚で訴えたり、視覚からの文字情報を大きくはっきりとわかりやすく見せる、読む行以外を隠して読むなどのことが大事になってきます。
書字障害(ディスグラフィア)
このタイプのお子さんには、似た文字の異なる部分を強調して覚える、部首などからパズルのように漢字を覚える、などの対策が漢字やひらがなを覚えるにはよい方法と考えられます。
ノートの色を変えたり、色付きの眼鏡をかけたりして負担を減らすことも有効です。
また、手書きにこだわらず、パソコンやタブレットの文字や音声入力を利用したり、板書は写真でデータを残したりするなどで書字障害のお子さんに対して配慮をしてあげるとよいでしょう。
算数障害(ディスカリキュア)
このタイプのお子さんには、計算の時に電卓やおはじきを利用する。文章問題は一個ずつわかりやすく図や絵を使って理解させる。マス目のあるノートで桁の間違いなどを防ぐ。などの対策方法が有効であると考えられます。
ADHD(注意・欠陥多動性障害)
ADHDのお子さんは目に入ったものや思いついたものに対して気を取られて、一つのことに集中することが難しいといったケースが多くみられます。
そのためそのお子さんに対する勉強の指導法として、
スケジュールを表にして張っておく。作業を小分けにして一つずつ完了させる。など勉強に対して取り組みやすくする工夫が必要になってきます。
■ 自閉症スペクトラム
図や身振りなど視覚的な表現で情報を伝える
■ 学習障害
苦手な部分を強調して覚える
計算は物で物理的に表現する
■ ADHD
作業は小分けにする
スケジュールを見えるところに貼る
タブレット型の教材の注意点
発達障害のお子さんの中には、自分の感情をうまく伝えられなかったり、他の人と比べられたりして自信を失っているお子さんも多いのではないでしょうか。
このような発達障害のお子さんにとって、とても大切なことは「お子さんの活動や頑張りを認めてあげて、自己肯定感を高めてあげること」です。
しかし、これはタブレット教材では解決できるのでしょうか?
もちろんほめてあげる仕組みだったり、その子の学習ペースに合わせた指導などはありますが、集中力が続きにくい発達障害のお子さんにとっては、生身の人間からの情報ではなく、機械が繰り返して発生する音声では退屈に感じ、すぐに飽きてしまう可能性が高いといえます。
このように、現在流行っている、タブレット型教材も落とし穴があるため、しっかりとお子さんに合った学習かどうかを吟味していく必要がありますね。
■ 学習において重要なコト
- 褒める事
- 自己肯定感を高めること
■ タブレット教材の問題点
- 機械のプログラムされた音声に退屈してしまう恐れがある
- 集中力が続かない恐れがある
家庭教師が解決策とは限らない!?
家庭教師を雇うと、双方向的な学習になり、大勢の場で質問をするのが苦手なお子さんや、マイペースで学習を進めたいお子さんにとっては効果的であるといえます。
また、「わからないこと」があればその場でわかるまで丁寧に教わることができます。
常に寄り添って教えてもらえることができるので成長に沿ってほめてもらえたりして、自己肯定感を高めてもらいやすいことも特徴として挙げられます。
しかし、発達障害のお子さんにとって、家庭教師だけでは解決できないことが多いのも現実としてあります。
家庭教師は大体週に1~2回の指導が多いと思います。
そうすれば、せっかく直接指導したときに学習できたとしても、1週間後にはまた元通りで1から教わりなおすということになってしまい、短期的な成長が見込めない可能性も出てきます。
そのため、家庭教師を雇ったとしても、家庭教師に教えてもらわない日も継続して自宅で学習することが重要になってきます。
家庭教師が効果的な場合もあります。
家庭教師はお試しとして短期契約も可能です。
■ 家庭教師の良い点
双方向的な学習ができる
しっかり褒めてもらえる
■ 家庭教師の問題点
週に1~2回の学習では、翌週には前回の内容を忘れている可能性が高い
■ 解決策
家庭教師のない日にも勉強を継続する
まとめ
今回は、発達障害のタイプを解説したうえで、タイプ別のおすすめの勉強法を説明していきました。
そのうえで発達障害のお子さんによくお勧めされるタブレット型教材や、家庭教師の落とし穴についても解説していきました。
まずは、お子さんの波多津障害の特徴を理解しましょう。
そうすることで、何を補助してあげれば学習を進めることが出来るのかが分かります。
必要な補助が分かれば、それを提供してくれる場所を見つけましょう。
その場所は、お子さんの苦手度合いだったり、性格によって変わります。
特に家庭教師は短期間のお試し契約も可能です。
様々な方法を試してお子さんに合ったものを選びましょう!
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