不登校でもオンライン授業なら出席扱いになる?
こんにちは!Laf先生(@Laf_oshikawa)です。
近年の「新しい生活様式」の広まりによって、
オンライン授業を行う場所も急激に増えてきています。
この動きは、ある意味では不登校生徒にとっては大きなチャンスと言えます。
なぜなら、普段は学校に通うことが困難な学生にとっては
- 学校に行くことが難しくても授業を受けられる
- 登校の足掛かりにすることができる
- オンライン授業を受けると出席日数に数えられる
というメリットがあるためです。
オンライン授業のメリットについてはこちらの記事をご覧ください!
オンライン授業に不登校生徒の7割以上が参加
オンライン授業は、不登校の生徒にとっても受けやすい授業のようです。
青森市の調査によれば、県内で一斉に行われたオンライン授業には
累計で不登校生徒の74%が参加したと報告されています。
参加した生徒への聞き取りによれば、
- 登校しないのが自分だけではない
- 新しい形式に興味がある
- 周りの目を気にしなくてよい
- 勉強自体は嫌いではない
といった理由で、「オンラインなら」と参加した生徒が多かったようです。
「生徒同士の横の繋がりが薄い」というのは、
しばしばネガティブに捉えられがちなオンライン授業の特性です。
ですが、生徒はお互いの様子を見ることができなかったり、
録画形式で1人でじっくりと受けることができたりするオンライン授業は
学校の空気感が苦手な子にとっては良い機会にもなるようです。
さらに、オンライン授業を機に9割の不登校生徒が登校を始め、
そのうち7割が数週間後までも登校を継続できたそうです。
オンライン授業がなかった前年度では、せっかく登校を始めた生徒も
数週間後には40%しか登校を続けなかったそうです。
学校に戻る機会としての、オンライン授業の強みが伺えます。
- 青森市で行われたオンライン授業では不登校生徒の74%が参加。
- これを機に9割が登校再開、うち7割は数週間後も登校を継続。
不登校生徒をオンライン授業で出席扱いに
不登校生徒が学校に戻るのにも有益だったオンライン授業ですが、
登校はできず、家庭学習を続ける場合にも大きなメリットがあります。
家庭などで情報通信を使った授業を受ける場合でも、
在籍している学校の出席日数に充てられる制度があるのです。
実は、これ自体は新しい制度というわけではなく、
文部科学省が2005年に出した通知にそのことが書かれています。
そして、2019年には改訂版が出されました。
大きくまとめると、
「学校と相談の上、定期連絡を取れば外部の通信教育も出席扱いにしていい」
といった内容です。
いくつか条件があるので、ここでそれを確認してみます。
保護者と学校の協力関係
保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること。
保護者、もしくは学校の一存ではできませんよ、といったことです。
後の条件にも関わってきますが、事後報告で出席日数にできるのではなく、
あらかじめ学校に相談した上でオンライン授業を受ける必要があります。
ICT学習とは
ICT等を活用した学習活動とは,ICT(コンピュータやインターネット,遠隔教育システムなど)や郵送,FAXなどを活用して提供される学習活動であること。
オンライン授業であれば、「コンピュータやインターネット」を利用するので
ここの条件は特に問題がありません。
対面指導が適切に行われること
訪問等による対面指導が適切に行われることを前提とすること。
対面指導は、当該児童生徒に対する学習支援や将来の自立に向けた支援などが
定期的かつ継続的に行われるものであること。
学校に確認が必要な条件の1つです。
担任の先生などに、対面での相談を行ってもらう必要があります。
特に、テレビ電話(ビデオ通話)での相談をよしとするかは
最終的な裁量権を持っている校長先生に確認する必要があります。
計画的なプログラムであること
学習活動は,当該児童生徒の学習の理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであること。
なお,学習活動を提供するのが民間事業者である場合には,
「民間施設についてのガイドライン(試案)」(別添3)を参考として,
当該児童生徒にとって適切であるかどうか判断すること。
(「学習活動を提供する」とは,教材等の作成者 ではなく,
当該児童生徒に対し学習活動を行わせる主体者を指す。)
「その子に合わせた指導にしてくださいね」といった内容です。
また、ここにも明記されている通り、公立学校や公的施設だけでなく
民間で行われるオンライン授業でもよく、実例もあります。
校長が状況を把握していること
校長は,当該児童生徒に対する対面指導や学習活動の状況等について,例えば,対面指導に当たっている者から定期的な報告を受けたり,学級担任等の教職員や保護者などを含めた連絡会を実施したりするなどして,その状況を十分に把握すること。
出席日数に入れていいかの最終判断は校長先生が行います。
その校長先生に、状況が伝わっているようにしましょう、という内容です。
オンライン学習が適切であること
ICT等を活用した学習活動を出席扱いとするのは,基本的に当該児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動であること。なお,上記(3)のとおり,対面指導が適切に行われていることを前提とすること。
念押しがされている項目です。
登校や外部施設への通いではなく、
通信教育を利用することが適切な状況である場合にしてください、
といった内容です。
成績に不平等がないように
学習活動の成果を評価に反映する場合には,学校が把握した当該学習の計画や内容がその学校の教育課程に照らし適切と判断される場合であること。
制度上は、出席日数だけでなく、成績にもオンライン授業の成果を反映できます。
その場合は、他の生徒たちと不平等がないように、という趣旨です。
以上のような条件で、学校外のオンライン授業を受ける場合にも
出席日数にカウントしてもらうことができます。
不登校の成績についてはこちらの記事をご覧ください!
■ 保護者と学校の協力すること
■ 対面指導が適切に行われること
■ 計画的なプログラムであること
■ 校長が状況を把握していること
■ オンライン授業が適切なこと
■ 成績が平等であること
まとめ
このように、学校に戻る場合・戻れない場合両方で
オンライン授業は不登校の子供にとってメリットになります。
オンライン授業が爆発的に広まったのを受けて、
その利点もまた広く知られることになりました。
上で紹介した制度で登校日数を反映した生徒は、
2018年で286人、2019年で608人とも言われています。
不登校生徒全体と比べれば極めて小さな数字ですが、
文部科学省の再通知を経て2倍に増加。したとも言えます
対面以外の教育手段が急激に一般化した今だからこそ、
この制度がさらに広く知られることになります。
また、学校側にとっても「オンライン授業を出席に数える」という判断が
しやすくなっているのではないかと期待されます。
■ 遠隔授業は不登校改善に有効
■ 条件を満たせば出席扱いになる
■ 保護者と学校の協力が重要
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