
偏差値60の高校に合格するには、どれくらい勉強時間が必要?
こんにちは!Laf先生(@Laf_oshikawa)です。
この記事の読了時間の目安は20分です。
受験を控えた中学生本人、またそんなお子さんを持ちの保護者様向けの記事です。
今回の記事はこんな疑問について書いています。
- 偏差値60を超えるために必要な勉強時間は?
- 偏差値60を超える方法は?
- 効果的な勉強法は?
高校受験という大きな挑戦に向き合い始めたみなさんは、漠然とした不安が日々募っているかと思います。
親御さんとしても、高校受験はそう何度も関わることでもないと思うので、
受験生本人と同様、不安になることも多いかと思います。
例えば、「どれくらい勉強すると良いのか」というのはもちろん。
「今の勉強方法で大丈夫か」「日々の生活リズムは適正か」などなど、不安はいくらでもあると思います。
そこで、この記事ではそれらの不安を少しでも解消するために、
「必要な勉強時間」にまつわる勉強に対するヒントを解説していきます。
具体的には、以下の3つを知ることができます。
- 偏差値60になるための必要な勉強時間/日々の過ごし方に対する考え方
- 偏差値を上げるために必要なこと
- 偏差値60のに届くために注力すべきポイント
それではいきましょう!
偏差値とは
皆さんがこの記事をお読みの方は偏差値60を目標にしている、または、興味をお持ちになっている方だと思います。
そこでまず、そもそも偏差値とは何かを確認します。
偏差値とは、ある集団の中で特定のモノがどの位置にあるのかを指し示す値のことです。
偏差値は、「50」を平均とします。
この「偏差値50」よりどれくらい上なのか下なのかで、全体の中でその特定のモノがどの位置になるのかを知ることができます。
受験生は偏差値を確認することで、自分がその特定の集団の中でどこにいるのかを知ることができます。
偏差値を使うメリットは、難易度が異なるテストでも受験生の実力をできるだけ正確に算出することができるのです。
ここで重要になるのが、「母集団」です。
母集団とは、その値を算出する際に基にしている集団のことです。
テストで例にならうと、「あるテストを受けた生徒全員のこと」です。
偏差値は、特定の集団の中でどの位置にいるかを表す指標であるため、母集団の特性次第で算出される偏差値の意味合いは変わってきます。
母集団の特性とは、「質」と「量」です。
母集団の「量」が多ければ多いほど、「質」は均質化され算出される偏差値の値は本当の実力に対して正確になっていきます。
「受験生全体の偏差値」を知るためには、「あるクラス」を母集団とした場合よりも「全国の中学三年生」を母集団とした方が正確な値が知れますよね。
あるクラスに10人の受験生がいたとします。
そのうち9人は全国でもトップレベルの学力を持っていて、それに対し1人は普通レベルの学力を持っているとします。
このクラスで難易度の高いテストを受け、偏差値を計算すると、普通の学力を持った1人の学生の偏差値は本来の実力よりは低く算出されてしまいます。
なぜなら、難易度の高いテストにも関わらず、トップレベルの9人が叩き出す点数も高く平均点も高くなるからです。
しかし、このテストを全国の同じ学年の中学生が受けた場合はその人の本来の実力を反映した偏差値を算出することが出来るでしょう。
つまり、偏差値を見るときには、母集団がどういう特性なのかを意識しましょう。
一般的な実力より高い人たちが受験するテストでは偏差値が低めに出る可能性があります。
算出される値だけで自分の実力を判断せず、母集団も確認した上で自分の実力を確認しましょう。
自分の偏差値を求めたい方はこちらの記事もご覧ください!
偏差値60とは
さて、改めて偏差値60のレベルを確認していきましょう。
ずばり、偏差値60とは、平均よりやや上位に位置するレベルとなります。
問題の難易度で言うと、基礎問題は問題なく解け、標準問題もある程度解くことができるレベルとなります。
つまり、基礎をマスターすることで偏差値60に到達することができるということです。
これは、到達していない人が思っているよりは難しいことではありません。
なぜなら、教科書に載っている基本事項を習得すれば到達できるからです。
変に応用問題を解けるようになる必要はありません。
あくまで基礎を習得することを徹底すれば、偏差値60に到達することが可能です。
このレベル感を認識した上で、勉強に取り掛かりましょう。
ちなみに、標準問題を問題なく解けるようになると、偏差値65を超えていきます。
そこから先は応用問題をどれだけ解くことができるかというレベルになっていきます。
偏差値の基準ごとに比較すると
- 偏差値50と60の差は基礎問題をどれだけ解けるかどうか
- 偏差値60と65の差は標準問題をどれだけ解けるかどうか
- 65以降の差では応用問題をどれだけ解けるかどうか
という風になります。
- 偏差値は母集団における自分の位置を知る数値。
- 偏差値60とは、平均よりやや上の位置。基礎・標準問題が解けるレベル。
“偏差値60″に必要な勉強時間
さて、この記事の本題です。
「偏差値60に到達するためには実際どれくらい勉強すれば良いのか?」について解説していきます。
必要な勉強時間は決まっていない
期待を裏切ってしまい大変申し訳ないのですが、絶対的な「必要な勉強時間」というものはありません。
その人に必要な勉強時間はその人が定めていくものです。
「偏差値60に到達するには一般的にどれくらい勉強時間が必要か」と気になる気持ちは分かります。
しかし、“自分(または子供)は”に必要な勉強時間と、一般的な量や友人に必要な勉強時間は関係ありません。
なぜなら、勉強時間というものはあくまで目安でしかないからです。
自分にとっての必要な勉強時間を知る
決まっていないということは、自分(たち)で定める必要があるということです。
そして、これを行うことで、勉強時間に対する漠然とした不安の解消につなげていくことができます。
なぜ”必要な勉強時間”が決まっていないのかというと、それは「人によって違う」からです。
自分(本人)を取り巻く状況によって、”必要な勉強時間”は変わってきます。
そのため、まずはその「状況」として考慮すべきことは何なのかを知る必要があります。
そこが、自分(本人)にとっての”必要な勉強時間”を定める出発点になります。
考慮すべき「状況」として考えられる項目は以下です。
- 現在の自分(本人)の学力
- 自分(本人)が目指す高校のレベル
- 時期/受験までの残りの時間
これらもあくまで例ですが、代表的な3つです。
自分(本人)が、今どういう状況なのかを見なければ、”必要な勉強時間”は定まりません。
ここで重要になる視点が2つあります。
- 「差分」を明確に認識すること
- 目指すレベルが高い程、必要な勉強時間は多くなるということ
1つ目は、上記3つの視点で自分の状況を考慮することの目的です。
自分にとっての勉強時間を見極めるために必要な情報としての「差分」を認識するのです。
「志望しているレベル」と「現在の学力」を把握し、その差分を認識することで、目標に対してどれくらいの距離があるのかを客観的に表すことができます。
また、「受験日」と「現在の時期(日付)」を把握し、その差分を認識することで、本番までの自分が使える時間の最大値を知ることができます。
この2つの差分から得られた客観的な数値を基にすることで、自分にとって必要な勉強時間の規模感を把握することができます。
受験生のスケジュールにいて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください!
2つ目は、当たり前ですが「目指すレベルが高い程、必要な勉強時間は多くなる」ことです。
必要な勉強時間を気にする方は「できるだけ少ない勉強時間で済ませたい」と考えていることが多いです。
勉強の質を上げるためには量をやることも非常に重要です。
合格ギリギリを狙うスリリングな受験勉強もありですが、出来る限り勉強して自分の成長を楽しみながら受験勉強に臨むことをお勧めします。
「何かに頑張った」という事実は自信になりますし、自分を好きになれる絶好の体験です。
受験勉強はプレッシャーが大きくかかるイベントですが、やるのであれば全力で取り組んで頂けたら幸いです。
目安の勉強時間
絶対的な”必要な勉強時間”は存在しないと言いました。
しかし、「全くイメージ湧かない」という方も多いと思うので、”目安としての”必要な勉強時間を紹介します。
目安は目安です。
目安を参考に、自分(本人)を取り巻く状況を整理した上で”必要な勉強時間”を定めてください。
※勉強時間は1日単位で示します。
※想定している学年は中学3年生です。
時期について
時期に関しては「夏休みまで」と「夏休み以降」で大きく分かれます。
夏休みまでは部活動が残っている生徒が多く、なかなか思うように勉強時間が取れません。
一方、それ以降は部活動を引退することになるため、勉強時間が取りやすくなります。
そのため、夏休みまでは勉強時間を少なめに見積もり、夏休み以降は多めに見積もります。
しかし、現状の偏差値と志望する偏差値との差分が大きい場合、「夏休まで」でも多くの勉強時間が必要になります。
現状の偏差値との差分ごとに、目安の勉強時間をご紹介します。
現状の偏差値50
つまり、偏差値の差分が10の場合です。
この場合は、平日1日5時間、土日休日などは1日8時間というのが目安になります。時期によって±1〜2時間すると良いでしょう。
現状の偏差値40
つまり、偏差値の差分が20の場合です。
この場合は、平日1日7時間、土日休日などは1日10時間というのが目安になります。時期によって±1〜2時間すると良いでしょう。
現状の偏差値30
つまり、偏差値の差分が30の場合です。
この場合は、平日1日9時間、土日休日などは1日12時間というのが目安になります。
時期によって±1〜2時間すると良いでしょう。
目安の勉強時間についてまとめ
目安の勉強時間は、偏差値の差分が10につき、2時間単位で必要な勉強時間が増減します。
そこに、時期を併せて考えることで、自分に必要な勉強時間を算出することができます。
繰り返しますが、ここで紹介した”必要な勉強時間”はあくまで目安でしかありません。
“必要な勉強時間”は得意/不得意や部活動、その他諸々の個人的な状況次第でいくらでも変わります。
■ 必要な勉強時間は決まってない
- その人の必要勉強時間は本人が定める
■ 自分に必要な勉強時間を知る
- 本人を取り巻く環境で決まる
■ 目安の勉強時間
- 夏休み前か後か、現状との差が重要
生活の時間を見直す
勉強時間は多ければ多い程良いというのは確固たる事実です。
ぶっちゃけ平日に7時間以上勉強するのはかなり大変です。
9時間以上となったらほぼ不可能のレベルになるでしょう。
目安として「それくらい勉強する必要がある」と紹介しましたが、現実問題厳しいものです。
そこで、日々の生活の中で勉強時間を増やす方法を紹介します。
生活の中の不要な時間を削り、勉強時間を見出す
まず、「睡眠時間」は削ってはいけないことを強くお伝えします。
睡眠時間を削ると一時的に勉強量は多くなります。
しかし、
- 翌日の集中力が低下し
- 体が弱り、体調を崩しやすくなる
- 成長期の体には多大なダメージを与える
と、デメリットも多くあります。
睡眠時間を削り続けると、体調不良により勉強を休むことになります。
合計の勉強時間は、睡眠時間を削った場合の方が少なくなる可能性がかなり高いです。
よって、睡眠時間は7〜8時間を死守し、これを削ることはしないでください。
では、何を削れば良いのでしょうか?
ズバリ、「娯楽時間」を削りましょう。
とは言っても、「娯楽時間を削りたくない!」というのが皆さんの反応でしょう。
それは当たり前です。
勉強は大変なものなので、時に気分転換をすることも重要です。
なので、ここでは「娯楽時間を一切とるな」と言っているわけではありません。
娯楽時間は、気が付くと「気分転換の域」を超えて無限にとってしまいます。
そこで、「気分転換のための娯楽時間は1日30分」など、時間のルールを決めておきましょう。
そして、ルールを決めたらご家族や友人と共有しましょう。
次に、そのルールを破った場合のペナルティを決めておきましょう。
そうすると、貴重な時間を浪費することを防ぐことができます。
自分と向き合い、自分と相談しながら、無理のない範囲で削っていきましょう。
次に、どこに勉強時間を見出せば良いか。
ズバリ、「休憩時間」です。
つまり、予定と予定、行動と行動の間の「隙間時間」を削ります。
例えば、家で食事をしてお風呂に入るとき、その間に無意識に休憩時間を挟んでいないでしょうか?
そういう無意識に使っている細かな時間を、勉強に当てましょう。
机に向かうだけが勉強ではありません。
単語帳、教科書、模試の解説冊子、さっと開ける参考書があればどこでも勉強ができます。
生活の中の細かな勉強時間をいかに拾い集められるかが、勉強時間を見出すことにおける最重要ポイントです。
ただし、通学時に歩きながら参考書を読むなど、無理をするのはやめましょう。
家にいるときなど、安全な環境で隙間時間を見つけるようにしてください。
- 生活の中の不要な時間を削り勉強時間を見出す。
- 無駄な娯楽の時間を削る。
- 無意識にとっている休憩時間を削る。
偏差値を上げるために
さて、偏差値60に届くために必要な勉強時間や、それにまつわるお話をこれまでしてきました。
勉強時間に関して知りたかったことは知ることが出来たのではないでしょうか。
しかし、皆さんが最終的に成し遂げたいことは「実際に偏差値60に到達すること」だと思います。
ここからは、勉強において偏差値を上げるために意識するポイントについて話していきたいと思います。
基礎力と応用力
学力は、「基礎力」と「応用力」に分解できます。
- 基礎力とは、教科書に出てくる単元や練習問題を解けるレベルの学力を指します
- 応用力とは、基礎を組み合わせて解く発展問題・応用問題が解けるレベルの学力を指します
このうち、偏差値60に到達するために必要なのは基礎力です。
つまり、基礎が完璧になれば、偏差値60に届きます。
よく、偏差値を上げようと応用問題を解こうとする人がいます。
しかし、偏差値60に到達することが目的なのであれば、応用問題を解けるようになる必要はないです。
そもそも、基礎が備わっていない状態では応用問題を解くことはできません。
応用問題よりも、まだ習得しきれていない基本事項の勉強に当てた方が断然有意義です。
適切な勉強をして、目標の偏差値に近づけていきましょう。
勉強法 – 予習・復習・過去問
それでは最後に、具体的な勉強法について触れたいと思います。
ここでは実際の勉強で、どのような手順ややり方で進めていけば良いのかをお伝えします。
特別なことはせず、予習・復習・過去問を徹底して行うことが重要です。
予習・復習をせず、習った事を曖昧なままにしておくことは非常に怖いことです。
基礎の内容が曖昧であれば実力は安定せず、問題も解けるようにはならないでしょう。
基礎の勉強でも甘く見ずに、ぜひ予習・復習を行ってください。
また、過去問は知識のアウトプットという点で非常に重要です。
模試でも、志望校の入試問題にでも、どのような問題が出題されるかを知れば、偏差値や点数を上げやすくなります。
基礎事項のインプットだけでなく、アウトプットもバランスよく行うことで、確かな実力を身につけていってください。
基本の暗記の重要性
繰り返しですが、偏差値60に到達するためには基礎を徹底することが重要です。
そして、基礎の知識・理解を試される問題が、例題や基本問題などです。
これを全科目全範囲で解けるようになることが、皆さんのひとまずの目標になります。
それを達成するために、皆さんが具体的な行動として何をすべきかというと、それは「暗記」です。
例題や基本問題を解くために必要なのは、暗記によって得た知識です。
暗記を軽く見る人もいますが、全ての勉強の基本にあるのは暗記です。
逆に言えば、暗記をしなければ永遠に学力は上がらないということです。
「暗記が苦手」だと感じている方もいると思いますが、「時間」や「量」が足りていないだけです。
確かに、人によって暗記にかける時間や量が多少変わると思います。
しかし、それは全体的に見れば微々たる差です。
自分の苦手意識や周りの人は気にせずに、できるまで暗記に取り組んでみてください。
必ずできるようになります。
ぜひ、自分を信じて最後まで走りきってください。
■ 基礎力と応用力
- 偏差値60に必要なのは基礎力
■ 勉強法 – 予習・復習・過去問
- 過去問で知識をアウトプットする
■ 基本の暗記の重要性
- 全ての勉強の基本にあるが暗記
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回の記事を簡単にまとめますと、以下のようになります。
- 偏差値とは、ある集団の中で特定のモノがどの位置にあるのかを指し示す値のこと。
- 偏差値60とは、平均よりやや上位に位置するレベル。
- 偏差値60に到達するために”必要な勉強時間”というものが決められたものとしてあるわけではない。
- その時の自分を取り巻く「状況」を把握し、整理することで自分にとっての”必要な勉強時間”が決まってくる。
- 生活の中で、不要な時間を削り、勉強時間を見出す。娯楽時間の上限を決めて、余分な娯楽時間は削る。予定と予定・行動と行動の間にある休憩時間の中で勉強に使える時間を探す。
- 偏差値60に到達するために必要なのは基礎力。
- 勉強は予習・復習・過去問を徹底して行い、どの段階でも暗記を怠らないことが大切。
以上の要点を意識して、偏差値60を突破する受験勉強に臨んでください。
しかし、「勉強時間を確保できるか不安」、または「やるべきことはわかったけど自分(または子供)はそれを実行していくことができるか不安」と感じられる方もいると思います。
そんな時はぜひ、周りにあるものを頼ってください。
塾や家庭教師などは特に、勉強における良いサポーターとなってくれるでしょう。
少しでもこの記事があなたの悩みを解決することに役立てたのなら幸いです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
■ 偏差値60は平均より少し上
■ 偏差値60に必要なのは基礎力
■ 絶対的な必要な勉強時間はない
■ 必要な勉強時間は環境次第
■ 勉強法は予習・復習・過去問