夏休みの勉強計画、毎年立てていますか?
7月にきれいな計画表を作って、8月に気づくと真っ白のまま——。これ、めちゃくちゃ多いんです。でも安心してください。崩れるのはあなたの意志が弱いからではありません。大人でもハマる「計画倒れ」には、ちゃんと原因があります。

夏休みの計画、毎年立てるんですけど、いつも三日で終わっちゃって…

それ、意志の問題じゃなくて“設計”の問題だよ。作り方を変えれば続くから、一緒に見ていこう。
この記事では、「夏休み 勉強 計画」でつまずく中学生に向けて、崩れない計画の立て方を順番に説明します。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
1. 計画が三日で崩れるのは、意志が弱いからじゃない
まず結論から。三日坊主は意志の問題ではなく、設計の問題です。
1学期の期末が終わった直後に、色ペンで時間割みたいな計画表を作る子がいます。すごくきれいなんです。でも8月にどうなっているかというと、本人いわく「3日目までは完璧でした」。
これ、笑い話のようで、原因はハッキリしています。時間割型のびっしり計画は、大人でも守れないからです。予定は必ず崩れます。部活も、家族の予定も、体調も、思いどおりにはいきません。
だからこの記事で提案するのは、「時間」で計画を立てるのをやめること。代わりに「この夏で消す苦手」で計画を立てます。
2. 夏休みが特別な本当の理由——学校が「待ってくれる」唯一の40日
そもそも、なぜ夏休みが勉強にとって特別なのか。理由は一つです。
夏休みは、学校の授業が止まっているからです。
普段の勉強のつらさの正体を考えてみましょう。学校の授業は毎日どんどん進みます。苦手なところに戻ってやり直したくても、戻っている間に新しい単元がどんどん積み上がっていく。これだと、苦手の克服がスケジュール的にすごく大変なんです。
以前のライブで「中2の数学でなぜつまずくのか」を話しました。理由は、中1の内容がわかっている前提で中2の授業が進むから。逆に言えば、中1でつまずいたまま中2になると、その瞬間パニックになります。これは中3も高1も同じで、前の学年がわかっている前提で授業は進みます。
ところが夏休みは、その授業が40日間だけ止まる。だから今なら、普通に歩いて“戻れる”んです。
> 夏休みは、学校が待ってくれる唯一の40日。
だから夏にやるべきは「先取り」でも「全教科まんべんなく」でもなく、苦手に戻る勉強です。
3. 数字で見る:1日1時間×40日で何ができるか
「戻る勉強」と言われても、40日でどれくらいできるのか。数字で見てみましょう。
数学の授業時数は、学習指導要領で中1が年間140時間とされています。これを1学期(夏休みまで)の範囲で考えると、だいたい45〜50時間です。
一方、夏休みは約40日。ここで1日1時間だけ勉強すると——
- 1時間 × 40日 = 40時間
つまり、毎日たった1時間で、1教科の1学期分の授業をほぼまるごとやり直せる計算になります。
しかも学校の授業は「新しく学ぶこと」が多かったはず。でも夏の復習は「一度は聞いたことがある」前提なので、もっと効率よく進みます。
「1日8時間」みたいな受験生の数字に怯えなくて大丈夫。まずは1日1時間です(中3だけは後で別に説明します)。
4. やってはいけない夏の計画3つ
立て方の前に、やってはいけない計画を3つ挙げます。
- 時間割型のびっしり計画……何日に何をやると細かく書き込むタイプ。1日崩れると予定が全部崩れます。夏は部活・友達・家族の予定、急なお墓参り、夏バテなど突発的なことが必ず起きます。
- 全教科まんべんなく……全部やろうとすると、結局何も自分のものになりません。優先順位をつけるのが大切です。
- 宿題を8月後半に残す……当たり前だけど、みんなやりがち。後半に残すと、自分の勉強に使える時間がなくなります。
計画表がきれいな夏ほど、成績は動きません。 計画表を作ること自体が目的になってしまうからです。
5. 崩れない計画の立て方(4ステップ)
では、どう立てるか。ステップは4つだけです。
① 宿題の締め切りは「お盆」に置く
夏休みは8月末まである、と思わないこと。宿題はお盆まで(8月10日ごろ)に終わらせるつもりでいきましょう。「お盆までに終わらなかったらお盆を楽しめない」くらいのルールにすると動けます。7月中に終わらせるのは大変なので、8月10日を締め切りに。宿題は計画の“材料”ではなく“前提”です。
② この夏で「消す苦手」を1教科だけ決める(マスト)
全教科対策はしない。最低限この夏で消す苦手を1教科、必ず決めてください。「この教科だけは絶対に得意にするぞ」というものです。
そのうえで、余裕があったらやりたい教科を書いておく。これが「マスト」と「ベター」という考え方です。
- マスト:必ずやらなくちゃいけない1個
- ベター:やれたらいいな、というもの
新しい習慣をつけるときって、モチベーションが上がっていて、あれもこれも目が向きがちなんです。ダイエットも始める、筋トレも始める、英語も歴史も始める……。でも複数に手を出すと、結局どれも続きません。まず1つ習慣化して、できたらレベルアップ。これが鉄則です。
③ 時間割は作らず、毎日の「固定1枠」を決める
びっしりの時間割は作らない。代わりに、毎日ひとつだけ固定の枠を決めます。しかもその枠でやるのは「マスト」です。
ここでやる気の話を1つ。やる気は「出てから始める」ものではなく、始めるから出てくるものです(これを作業興奮といいます)。だから、やる気がなくても、まず固定の枠で始める。これが一番大事です。
> モチベーション = やれそう感 × やりたい感
「やれそう」と自分で思えないとモチベーションは出てきません。だからこそ、必ず達成できる小さな1個に絞るんです。
固定枠は、今すでに習慣になっているものにくっつけると続きます。「朝ごはんを食べたらこれをやる」「朝ごはんの前にこれをやる」というふうに。
そして、5日ごとにレベルアップします。最初からハードルを上げないのがコツ。
実はおっしー塾長自身、最近生活習慣が崩れて朝が苦手になっていたので、7月から早起きを立て直し中です。6時半起きを6時にした初日はめちゃくちゃしんどかった。でも2〜3日目まで我慢したら、4〜5日目には楽になる。5日続いたら次は15分早めて5時45分に。今それも5日連続できたので、次は5時40分……と5分刻みで進めています。
夏休みは40日。5日ごとに区切れば8回レベルアップのチャンスがあります。15分ずつでも、終わる頃にはだいぶ変わります。
④ 見直しは週1回だけ
計画の見直しは、日曜の夜に5分だけ。崩れた日を数えるのではなく、消えた苦手を数える。ここを間違えないでください。
6. 学年別・夏にやるべきこと
やる中身は学年で変わります。共通するのは、英語と数学(積み上がる教科)を優先することです。
受験教科には「積み上がる教科」と「覚える教科」があります。積み上がる教科は、前がわからないと先に進めないもの。英語(一般動詞→三単現→助動詞)や数学(方程式→連立方程式→因数分解)がこれです。一方、理科・社会は単元ごとにリスタートできる暗記系。だから夏は、積み上がる英数を優先します。
| 学年 | 夏にやるべきこと | 1日の目安 |
|---|---|---|
| 中1 | 1学期の英数の総復習+小学算数の穴(分数・小数)。苦手意識のある子は小3・小4の算数まで戻る | 1〜2時間 |
| 中2 | 中1の穴を消す最大のチャンス。部活と両立しながらスキマ時間で中1に戻る | 2〜3時間 |
| 中3 | 受験基礎=中1・中2の英数の総復習を最優先。固めてから理科・社会の暗記へ | 6〜8時間(目安・夏で約300時間) |
中1で数学に苦手意識がある子は、実は小数・分数の計算でつまずいていることがとても多いです。恥ずかしがらずに、この夏に小学算数から戻りましょう。
中3は暗記系(理科・社会)を早くやりすぎると入試本番までに忘れてしまうので、理解系・積み上がる系(英数、理科なら物理・化学)から先に固めるのがおすすめです。
7. 1日のスケジュール例
固定枠は「朝」に置くのが一番おすすめです。夜は予定が読めないからです。食事に行ったり、友達から連絡が来たり、疲れてやる気が起きなかったり……夜はコントロールできないものが多すぎます。
朝ならほかの予定が入りにくい。おっしー塾長が朝ライブを続けられているのも、帽子をかぶって配信しているのも、「ハードルを徹底的に下げているから」です(帽子をかぶれば髪を整えなくて済む=準備のハードルが下がる)。続けるコツは、やることを増やすより、始めるまでのハードルを下げることです。
- 午前:思考系(数学)
- 午後〜夕方:暗記系(英単語など毎日の枠)
- スマホは固定枠の間だけ別の部屋に置く
8. 計画が崩れた時のリカバリー
3日崩れても、夏はまだ終わりません。やってはいけないのは、遅れを取り戻そうとして計画を1.5倍にすること。それは必ず死にます。
崩れたら、最低ライン1個まで縮めて再起動。「どんな日でもワーク1ページだけ」「単語10個だけ」でいい。旅行の日でも単語10個ならできます。ゼロの日を作らないことが、計画表を守ることより100倍大事です。
9. 【保護者の方へ】「計画立てなさい」より効く関わり
最後に、これを聞いてくださっている保護者の方へ。
お子さんに「計画立てたの?」と聞くのは、ちょっとやめてあげてください。それは「計画表というきれいな成果物」を生むだけで終わりがちだからです。
その代わりに、「今日のマスト1個は何?」と聞く係になってください。あれもこれも言いたい気持ちはすごくわかります。受験生なのに数学しかやっていないと不安だし、中1で宿題をやっていなさそうだと不安。でも、まずは今日の1個だけを聞いて、できたら「すごいじゃん!」と褒める。
そして、5日間だけ耐えてください。5日連続できたら、少しずつ増やす。ほんの少しずつ。それを8セット繰り返すと、40日後にはだいぶ変わっています。
Lafでも、勉強で大切にしているのは「自己肯定感をいかに上げるか」です。頑張っても全然わからない状態が続くと、精神的にきつい。だからこそ「自分でもできる」という感覚を積み重ねることが、大人になってからの挑戦する力にもつながります。
10. よくある質問
Q. 宿題が終わりません。
宿題を「毎日コツコツ」で計画に混ぜないこと。お盆を締め切りにして、先に片付けてしまいましょう。
Q. 結局、1日何時間やればいいですか?
学年別の目安表のとおりです。ただし大事なのは時間の長さより、「消した苦手の数」です。
Q. 夏期講習や塾は必要ですか?
自分で固定枠を守れるなら、必ずしも必要ありません。守れないなら「時間を買う」意味で検討する価値はあります。Lafでも無料の授業やオンライン自習室を用意しています。
Q. やる気が出ません。
やる気は始めると後から出てきます(作業興奮)。まず3分だけ手をつけてみてください。
11. まとめ
・夏休みは学校が待ってくれる唯一の40日。だから「戻る勉強」に使う
・計画は「時間」ではなく「この夏で消す苦手」で立てる(1教科=マスト)
・時間割は作らず、毎日の固定1枠+最低ライン。5日ごとにレベルアップ
・見直しは週1回。崩れた日ではなく、消えた苦手を数える
「一人だと続かない」「小学算数や中1から戻ってやり直したい」という人は、Lafの無料の授業・オンライン自習室を使ってみてください。小学算数の総復習や中1の総復習も無料で開催しています。
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