一次方程式の文章題、とくに「割引」がからむ問題になると、急に手が止まってしまう中学1年生はとても多いです。「%引き」と「円引き」が同じ問題文に出てくると、頭の中がこんがらがってしまうんですよね。
先日も、公式LINEにこんな相談が届きました。

割引の文章題が苦手で…。「%引き」と「円引き」が混ざると、何をどう式にすればいいのか全然わからなくなります。

わかる、そこはみんなつまずくところだよね。でも安心して。実はこういう文章題には、たった1つのコツがあるんです。そこさえ押さえれば、あとは1行ずつ式に直していくだけ。今日は一緒に解いていこう。
この記事では、実際の授業で扱った1問を題材に、割引の文章題で定価を求める手順を3ステップに分けてお話しします。読み終わるころには、「%引き」も「円引き」も怖くなくなっているはずです。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
今回の問題
まずは問題文を見てみましょう。
> あるセーターを、ゆきさんは定価の35%引きで、あきさんは定価の500円引きで買ったところ、ゆきさんはあきさんより270円安く買うことができた。このセーターの定価を求めなさい。
「35%引き」と「500円引き」という、割引の表し方がちがう2人が出てきます。さらに「270円安く」という差の情報もある。要素が多くて、どこから手をつければいいか迷いますよね。でも大丈夫。順番に片づけていきましょう。
核になる考え方:聞かれているものを文字で置く
文章題を解くときのポイントは、これです。
聞かれているものを、文字で置く
今回の問題で聞かれているのは「このセーターの定価」ですね。だから、その定価を x とおくところからスタートします。
ここができれば、あとは「文章に書いてあることを、そのまま式に翻訳していく」だけ。長い文章問題も、1行ずつ式に直していけば、こわくありません。実際の授業でも、この1問を次のように1行ずつ潰していきました。
ステップ1:定価を x とおく
聞かれているのは定価なので、
定価 = x(円)
とおきます。これが今回の主役の文字です。このあと出てくる「ゆきさんの金額」も「あきさんの金額」も、すべてこの x を使って表していきます。
ステップ2:ゆきさんの金額を式にする(35%引き → 0.65x)
次に、ゆきさんの購入金額を x で表します。ゆきさんは「定価の35%引き」で買いました。
ここが、この問題いちばんの山場です。実際の授業でも、生徒さんは最初こう答えました。

35%だから…3500分の1ですか?
これ、とても自然なつまずきなんです。「%だから分数にしなきゃ」という気持ちが先に立って、35と100をむりやり組み合わせて「3500分の1」としてしまう。でも、ここは落ち着いて整理すればちゃんと見えてきます。
まず、割引を考えるときの土台はこれです。
- 普段の値段(定価)を、まるごと100%とする
- 「35%引き」とは、その100%から35%を取り去ったということ
つまり、残っている割合はこう計算できます。
100 − 35 = 65(%)
ゆきさんが実際に払ったのは、定価の65%分だということですね。
では、定価 x 円の「65%」はどう表すか。x を100等分して、そのうち65個分を積み上げる、というイメージです。式にするとこうなります。
ゆきさんの金額 = 100分の65 × x = 100分の65 x(円)
この「100分の65 x」を小数で書けば 0.65x です。つまり、35%引きは「0.65倍」と同じことなんですね。
ここで大事なのは、35%引きだからといって「35」や「3500分の1」で計算しないこと。引かれる側ではなく、残る側の割合(65%)を使う、と覚えておきましょう。ちなみに、無理に約分せず「100分の65」の形のまま計算を進めたほうが、あとの計算がラクになることも多いです。
ステップ3:あきさんの金額と、差の方程式をつくる
続いて、あきさんの購入金額です。あきさんは「定価の500円引き」で買いました。これはシンプルで、定価 x から500を引くだけです。
あきさんの金額 = x − 500(円)
これで、2人の金額が x で表せました。
- ゆきさんの金額:100分の65 x(円)
- あきさんの金額:x − 500(円)
最後に、この2人の関係を式にします。問題文には「ゆきさんはあきさんより270円安く買うことができた」とあります。つまり、ゆきさんの金額は、あきさんの金額よりさらに270円少ない、ということです。式にするとこうなります。
100分の65 x = (x − 500) − 270
あとは、これを解いていきます。まず右辺を整理して、
100分の65 x = x − 770
x を左辺に集めると、
100分の65 x − x = −770
ここで左辺を通分します。x の係数の「1」は「100分の100」と同じなので、
100分の65 x − 100分の100 x = −770
100分の(65 − 100) x = −770
ここでもう一つ、つまずきやすいポイントがあります。65 − 100 を、つい「−45」と計算してしまう子がとても多いんです。落ち着いて計算すると、
65 − 100 = −35
ステップ2で「100 − 35 = 65」とやったのと同じ関係ですね。100と65の差は35。ここを−45としてしまうのは、よくある計算ミスなので気をつけましょう。したがって、
100分の(−35) x = −770
両辺に、35分の100(つまり100分の−35の逆数)をかけて、x について解きます。両辺とも符号がマイナスなので、かけ合わせるとプラスになります。
x = 770 × 100 ÷ 35
x = 2200
セーターの定価は 2200円 と求められました。
答えの吟味(検算)
方程式は、答えが出たら「本当に問題文と合っているか」を確かめるところまでがワンセットです。x = 2200 を、2人の金額にそれぞれ代入してみましょう。
- ゆきさんの金額:2200 × 0.65 = 1430(円)
- あきさんの金額:2200 − 500 = 1700(円)
2人の差を計算すると、
1700 − 1430 = 270(円)
ゆきさんのほうが270円安い、という問題文の条件とぴったり一致しました。検算まで合えば、自信をもって「これが答えだ」と言えますね。
よくあるつまずきポイント
今回の問題でつまずきやすいところを、まとめて整理しておきます。テスト前の見直しにも使ってください。
- 「%引き」を分数に直すときの混乱:「35%だから3500分の1」としてしまうのが典型例。%引きは、引く側ではなく残る割合(100 − 35 = 65%)で考えます。
- 65 − 100 を「−45」としてしまう:100と65の差は35です。ここは−35。差の計算は落ち着いて。
- 移項の符号ミス:x を左辺に移すとき、符号を変え忘れると答えがずれます。「引っ越したら符号が変わる」を毎回声に出して確認しましょう。
- 約分を急ぎすぎる:無理に早く約分せず、「100分の◯◯」の形をキープしたほうが、最後の計算がラクになることもあります。
どれも「頭が悪いから間違える」わけではありません。割引の文章題は、みんなが同じ場所でつまずくだけ。手順を知って、1行ずつ翻訳していけば、解ける問題です。
割引の文章題で定価を求める手順まとめ
- 聞かれているもの(定価)を x とおく
- 「%引き」は残る割合で考える(35%引き → 100 − 35 = 65% → 0.65x)
- 「円引き」はそのまま引く(500円引き → x − 500)
- 「◯円安い」は差の関係を = で結んで方程式にする
- 解いたら必ず代入して検算し、問題文の条件と合うか確かめる
わからない問題は、公式LINEで質問できます
今回のセーターの問題のように、「%引きと円引きが混ざる文章題」でつまずいたら、一人でかかえこまなくて大丈夫です。Lafの公式LINEでは、みなさんの「わからない問題」に一つひとつお答えしています。解けなかった問題の写真を送ってもらえれば、今回のように1行ずつ一緒に式を作っていきます。
「わからない」を「わかる」に、そして「わかる」を「自分で解ける」に。一緒に一歩ずつ進めていきましょう。また次の授業でお会いしましょう。
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