一次方程式の計算はできるのに、文章題になったとたん手が止まる——中1の数学で、いちばん多いつまずきです。
なかでも「追いつき問題」。妹が先に出発して、あとから姉が追いかけるタイプの問題ですね。

追いかける問題、学校では表で整理するって習ったんですけど、表を書いてもそこから式にできません…

その気持ち、めちゃくちゃわかる。実はこの問題、表を書かなくても「たった1つの質問」に答えられれば式1本で解けるよ。一緒に見ていこう。
この記事では、公式LINEに実際に届いた問題を使って、速さの文章題の解き方を順番に説明します。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
1. 今回の問題
まず問題文です。
> 妹は、600m離れた駅に向かって分速50mで家を出発した。それから6分後に、姉が自転車で分速200mで同じ道を追いかけた。姉は出発してから何分後に妹に追いつくか。
「6分後に姉が追いかけるくらいなら、一緒に出ればいいのに」と思った人、正しい感覚です(笑)。でも入試でも定期テストでも、この形は本当によく出ます。
2. 解く前に:方程式の文章題は「等しい量さがし」
計算を始める前に、いちばん大事な考え方を先に言います。
方程式とは「〇〇〇 = 〇〇〇」の形を作ること
文章題が苦手な子は、いきなり数字をいじろうとします。でも順番が逆です。先にやるのは、問題文の中で「何と何が等しいか」をさがすこと。等しい2つの量が見つかれば、それを「=」で結ぶだけで方程式は完成します。
では、姉と妹で「等しくなる量」は何でしょうか。
答えはこれです。
追いついた瞬間、2人の進んだ道のりは等しい
姉が妹に「追いつく」というのは、後ろから来た姉が妹と同じ地点に並ぶこと。つまりその瞬間、2人が移動した距離はまったく同じになっています。ここに気づけば、この問題はもう半分解けたようなものです。
3. 3ステップで式を作る
ステップ1:聞かれているものをxとおく
文章題の最初の一手はいつも同じです。聞かれているのは「姉は出発してから何分後に追いつくか」。だから、
姉が出発してから x分後 に追いつくとする
とおきます。
ステップ2:「み・は・じ」で姉の道のりを表す
小学校で習った「み・は・じ」(道のり=速さ×時間)を使います。
姉は分速200mでx分進んだので、
- 姉の道のり = 200 × x = 200x(m)
ステップ3:妹の道のりを表す——ここが最大のポイント
妹も同じように表したいのですが、ここで注意。
妹が歩いた時間は「x分」ではありません
妹は姉より6分先に出発しています。つまり、姉がx分進んだとき、妹は姉より6分長く歩いている。だから妹の時間は「x+6」分です。
- 妹の道のり = 50 × (x+6) = 50(x+6)(m)
追いついた瞬間、2人の道のりは等しいので、=で結びます。
50(x+6) = 200x
はい、方程式ができちゃいました。
4. あとは解くだけ
分配法則でかっこを外して、移項して解きます。1行ずつ見ていきましょう。
50(x+6) = 200x
50x+300 = 200x
50x−200x = −300
−150x = −300
x = 2
答え:姉は出発してから2分後に妹に追いつく
5. 検算——600mはここで使う
「あれ、問題文の600mを一度も使ってない」と気づいた人、鋭いです。600mは検算(答えの吟味)で使います。
| 速さ | 時間 | 道のり | |
|---|---|---|---|
| 姉 | 分速200m | 2分 | 400m |
| 妹 | 分速50m | 6+2=8分 | 400m |
2人とも400mで一致。しかも駅までの600mより手前なので、駅に着く前にちゃんと追いつけていることも確認できました。もし計算結果が600mを超えていたら「駅に着くまでに追いつけない」ことになり、答えとしておかしい——そこまで確かめられると満点の答案です。
6. よくあるつまずき2つ
つまずき①:xを妹の時間にしてしまう
「妹が出発してからx分後」とおいても解けますが、聞かれているのは姉の時間なので、最後に6を引く一手間が増えてミスのもとになります。聞かれているものをそのままxとおくのが原則です。
つまずき②:「+6」を忘れる
いちばん多いミスです。「先に出発した人は、その分長く動いている」——追いかけ問題では毎回この確認をしてください。
Q. 表で整理するのはダメなの?
ダメではありません。表は「速さ・時間・道のり」を整理する道具としてとても優秀です。ただし表はあくまで整理であって、最後は「何が等しいか」を見つけて=で結ばないと方程式になりません。表を書いても解けなかった人は、式の骨格(道のり=道のり)が見えていなかっただけです。
Q. ほかの追いつき問題も同じ解き方でいい?
同じです。「兄が忘れ物を届けに追いかける」「バスを自転車で追いかける」など設定が変わっても、「追いついた=道のりが等しい」という骨格は変わりません。2つの条件があるときに何が等しいかをさがす——この見方は高校入試までずっと使えます。
7. まとめ
・方程式の文章題は「〇〇〇=〇〇〇」の等しい量さがしから始める
・追いついた瞬間、2人の道のりは等しい
・聞かれているもの(何分後)をxとおく
・先に出発した人は「x+(時間差)」分動いている
・答えが出たら検算。600mのような一見使わない数字は吟味で使う
この問題は、Lafの公式LINEに実際に届いた質問をもとに動画で解説したものです。「この問題がわからない」「解説を読んでもピンとこない」という問題があれば、公式LINEから気軽に送ってください。
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