
「X使って解きなさい」までは分かるんですけど、AP=xにしたときの式の作り方がもう分からなくて…

あーなるほどね、これじゃあめちゃくちゃ簡単だから、一緒に手元見ていこうか。
これは、ラフ先生の公式LINEに実際に届いた質問です。正方形の辺の上を2点が同時に動く、中3の「二次方程式の利用」でよく出るタイプの図形問題ですね。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
今回の問題
正方形ABCDがあり、点PはAを出発して辺AD上をDまで動きます。また点Qは、点PがAを出発するのと同時にDを出発し、Pと同じ速さで辺DC上をCまで動きます。
- AP=xcmとするとき、PD、DQの長さをxを使って表しなさい。
- 点PがAから何cm動いたとき、△PQDの面積が10cm²になりますか。
正方形の1辺は10cmです。
核になる考え方は「動いた距離は同じ」
この問題でいちばん大事なポイントは、PとQは同時に出発して同じ速さで動いているので、移動距離は常に等しいということです。
つまり、AP=xと置くと、DQも同じxになります。ここに気づけると、あとは一直線です。
正方形の辺上を「同時出発・同じ速さ」で動く2点は、移動距離が常に等しい
3ステップで解いていく
ステップ1: PD、DQをxで表す
AD=10cmで、AP=xcmなので、
PD=10−x
そして、DQはPと同じだけ動いた距離なので、
DQ=x
ここまでは、実は「10−x」と答えるだけの、拍子抜けするくらいシンプルな計算です。
ステップ2: 三角形の面積から方程式を作る
△PQDは、PD、DQを2辺とする直角三角形です(正方形の頂点Dの角は直角なので)。三角形の面積の公式は、
底辺×高さ×2分の1
なので、
x×(10−x)×2分の1=10
という式になります。これを展開して整理すると、
10x−x²=20
0=x²−10x+20
という二次方程式ができあがります。
ステップ3: 解の公式で解く
x²−10x+20=0を解の公式に当てはめると、
x=(10±√(10²−4×1×20))÷2
ルートの中を計算すると、100−80=20なので、
x=(10±√20)÷2
√20=√(4×5)=2√5 なので、
x=(10±2√5)÷2
ここで、10÷2と2√5÷2をそれぞれ約分すると、
x=5±√5
という答えが出てきます。
答えの吟味(検算)
x=5±√5には、5+√5と5−√5の2つの値が出てきます。ここで「どっちが正解なんだろう」と迷う人が多いのですが、この問題ではどちらも成り立ちます。
√5は、√4<√5<√9、つまり2<√5<3なので、だいたい2.2〜2.3くらいの値です。
- 5+√5 ≒ 7.2cm
- 5−√5 ≒ 2.8cm
どちらも0cmより大きく、正方形の1辺の10cmより小さいので、点PがAD上を実際に動ける範囲にきちんと収まっています。だから、2つとも答えとして正しいのです。
二次方程式の文章題では、答えが2つ出たときに「マイナスになっていないか」「問題の場面からはみ出していないか」を確かめる一手間が必要です。今回のように、どちらも成り立つケースもあれば、片方しか使えないケースもあります。
よくあるつまずき
つまずき1: 「動いた距離」を式にできない
「AP=xcm」と言われても、PDやDQをどう表せばいいか分からなくなる人は多いです。図の中で「全体の長さ」から「すでに動いた分」を引く、という考え方に慣れていないのが原因です。正方形の1辺の長さから、AP(=x)を引けばPDになる、という単純な引き算だと分かれば、一気に楽になります。
つまずき2: 答えが2つ出たときに、片方を疑ってしまう
二次方程式を解くと、答えが2つ出るのが当たり前です。ですが「片方は間違いなんじゃないか」と、せっかく出した答えを自分で疑ってしまう人がいます。今回説明したとおり、答えを問題の場面に戻して、範囲におさまっているかを確かめるのが正しい手順です。
つまずき3: 解の公式の計算が長くて、ミスが増える
解の公式は、係数のbが偶数のときに使える時短ワザがあります。動画では、ax²+2b’x+c=0の形に整理して、
x=(−b’±√(b’²−ac))÷a
という「2や4を省略できる」公式も紹介しています。今回の問題では、b=−10なのでb’=−5となり、通常の解の公式よりも数段階、計算が短くなります。
よくある質問
Q. 解の公式の時短ワザは、いつでも使えますか?
A. bが偶数のときだけ使えます。奇数のときは、通常の解の公式をそのまま使います。
Q. 答えが2つとも問題の条件に合っているとき、両方書いていいですか?
A. はい。両方が問題の範囲(今回なら0cm〜10cmの間)に収まっているなら、両方とも正しい答えです。
今回のポイントまとめ
- 同時出発・同じ速さで動く2点は、移動距離が常に等しい
- 三角形の面積から二次方程式を作り、解の公式で解く
- 答えが2つ出たら、問題の場面に戻して範囲を確かめる
- bが偶数のときは、解の公式の時短ワザで計算をぐっと短くできる
もっと詳しく知りたい人、実際の解説を見ながら確認したい人は、YouTubeの動画も参考にしてください。
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