一次方程式の計算はできるのに、文章題になったとたん手が止まる——中1数学で、いちばん多いつまずきです。
なかでも「過不足問題」。何人かに何かを配って、「〇枚余る/〇枚足りない」と出てくるタイプの問題ですね。この記事は、公式LINEに実際に届いた質問に、おっしー塾長がその場で答えた授業をそのまま記事にしたものです。

「余る」「足りない」って出てくるから、これって不等号を使う問題だと思ってたんです。でも不等号の意味がよくわからなくて、そこで止まっちゃいました…

なるほど、その気持ちわかるよ。でも今回は不等号に引っ張られなくて大丈夫。「余る/足りない」が出てきても、普通の一次方程式で解けます。一緒に見ていこう。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
1. 今回の問題
まず問題文です。
> 何人かの生徒に色紙を1人5枚ずつ配ると7枚余り、1人6枚ずつ配ると8枚足りません。生徒の人数は何人ですか。
「5枚ずつなら余るのに、6枚ずつにしたら足りなくなる」——この2つの条件をどう式にするかがカギになります。
2. 解く前に:過不足問題は「等しい量さがし」
計算を始める前に、いちばん大事な考え方を先に言います。
方程式とは「〇〇〇 = 〇〇〇」の形を作ること。文章題が苦手な子は、いきなり数字をいじろうとしますが、順番が逆です。先にやるのは、問題文の中で「何と何が等しいか」をさがすこと。
では、この問題で「等しくなる量」は何でしょうか。
答えはこれです。
2つの条件は、どちらも同じ「色紙の総枚数」を表している
配り方を変えても、そこにある色紙の枚数そのものは変わりません。「5枚ずつ配ったときの色紙の総数」も「6枚ずつ配ったときの色紙の総数」も、同じ1つの数を別の言い方で表しているだけ。だからこの2つを「=」で結べる——ここに気づけば、この問題はもう半分解けたようなものです。
3. 3ステップで式を作る
ステップ1:聞かれているものをxとおく
文章題の最初の一手はいつも同じ。聞かれているのは「生徒の人数は何人か」なので、
生徒の人数を x人 とする
とおきます。「何を文字で置く?」と迷ったら、聞かれているものをそのままxにするのが鉄則です。
ステップ2:5枚ずつのほうから総枚数を表す
x人に5枚ずつ配ると、配った分は 5×x = 5x枚。そのうえで7枚余ったので、余った分を足し戻せば色紙の総枚数になります。
5x + 7(枚)
ステップ3:6枚ずつのほうから総枚数を表す
同じ色紙を、今度は6枚ずつ配ります。x人に6枚ずつだと 6×x = 6x枚。でも今度は8枚足りません。足りないということは、総枚数は6x枚より8枚少ないので、引きます。
6x − 8(枚)
ここが過不足問題のポイント。「余る」は足す、「足りない」は引く——向きを逆にしないよう気をつけてください。
この2つはどちらも同じ色紙の総枚数なので、=で結びます。
5x + 7 = 6x − 8
はい、方程式ができちゃいました。
4. あとは解くだけ
xを左、数を右に集めて解きます。1行ずつ見ていきましょう。
5x + 7 = 6x − 8
5x − 6x = −8 − 7
−x = −15
x = 15
答え:生徒の人数は15人
5. 検算——答えの吟味
答えが出たら、必ず問題文に戻して確かめます。x=15を2つの条件それぞれに入れてみましょう。
| 配り方 | 計算 | 色紙の総枚数 |
|---|---|---|
| 5枚ずつ配って7枚余る | 5×15+7 | 82枚 |
| 6枚ずつ配って8枚足りない | 6×15−8 | 82枚 |
どちらも82枚でぴったり一致。2つの条件が同じ枚数を指していたことが、これで確かめられました。ここまでやると満点の答案です。
6. よくあるつまずき
つまずき①:不等号の問題だと思い込む
今回の生徒がまさにこれでした。「余る」「足りない」という言葉から、大小を比べる不等号(>や<)を使う気がしてしまう——とても自然な感覚です。でも実際は、「余り」も「不足」も、同じ総枚数を言い換えるための情報。だから大小ではなく、=で結ぶ一次方程式で解けます。「足りない=引く」に置き換えれば、不等号は出てきません。
つまずき②:「余る/足りない」の符号を逆にする
2番目に多いミスです。余ったら足す、足りなかったら引く。迷ったら「実際にある色紙の枚数はどっち向きにずれる?」と考えると符号を間違えません。
7. FAQ
Q. どうして不等号を使わないの?
不等号は「AはBより大きい/小さい」と大小を比べたいときの記号です。今回は大小を比べているのではなく、同じ総枚数を2通りの言い方で表しているだけなので、=でつなぐ方程式になります。「余り」「不足」という言葉に反応して不等号を思い浮かべても、そこは一度落ち着いて「何と何が等しいか」を探してみてください。
Q. xを人数ではなく、色紙の枚数に置いたらどうなる?
解けますが、遠回りになります。総枚数をxとおくと、人数を表すのに「(x−7)÷5」「(x+8)÷6」のように割り算が入ってきて、式が複雑になります。聞かれているのは人数なので、聞かれているものをそのままxにするのがいちばんシンプルです。
Q. ほかの過不足問題も同じ解き方でいい?
同じです。「みかんを配る」「椅子に座る」など設定が変わっても、「2つの条件は同じ全体量を表す→=で結ぶ」という骨格は変わりません。この見方は高校入試までずっと使えます。
8. まとめ
・過不足問題は「〇〇〇=〇〇〇」の等しい量さがしから始める
・2つの配り方は、どちらも同じ「総枚数」を表している
・聞かれているもの(人数)をxとおく
・「余る」は足す、「足りない」は引く
・答えが出たら検算。2つの条件に戻して同じ数になるか確かめる
この問題は、Lafの公式LINEに実際に届いた質問をもとに動画で解説したものです。「この問題がわからない」「解説を読んでもピンとこない」という問題があれば、公式LINEから気軽に送ってください。授業のように、その場で一緒に解いていきます。
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