一次関数の式は出せる。三角形の面積も出せる。でも「面積を二等分する直線を求めなさい」と言われたとたん、ピタッと手が止まる——中2の一次関数で、いちばん多いつまずきのひとつです。

(1)と(2)は解けたんですけど、(3)の「面積を二等分する直線」って、どこから式を立てればいいのか全然わかりません…

その気持ち、めちゃくちゃわかる。でもね、この問題は「ある1つの性質」を知っているかどうかで、難問にも一瞬の問題にもなるんだよ。今日はそこを一緒に見ていこう。
この記事では、実際の授業で扱った問題を使って、(1)から(3)まで順番に、そして最後の「二等分」を一気にスッキリさせる考え方まで説明します。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
1. 今回の問題
まず問題文です。
> 2直線 x+2y=6……①、3x+ay=−12……② について、次の問いに答えなさい。
> (1) ②の直線が、①の直線とy軸との交点をPとするとき、aの値を求めなさい。
> (2) ①の直線、(1)で求めた②の直線、x軸で囲まれた三角形の面積を求めなさい。
> (3) 点Pを通り、(2)でできた三角形の面積を2等分する直線の式を求めなさい。
一見ごちゃっとして見えますが、やることは1つずつです。(1)で点Pを、(2)で三角形を用意して、(3)が本丸。(3)の「面積を二等分する直線」こそ、この問題のクライマックスです。
2. 核の考え方:頂点を通って面積を二等分するなら「底辺の中点」
先に、この問題のいちばん大事なところを言ってしまいます。ここさえ押さえれば(3)は一瞬です。
三角形の頂点から、向かい合う辺(底辺)の「真ん中の点」を通る直線を引くと、面積はぴったり半分に分かれる
これは「中線(ちゅうせん)」と呼ばれる直線の性質です。なぜ半分になるのか。理由はシンプルで、2つに分かれた三角形は、高さが共通で、底辺の長さだけが半分ずつになるからです。
三角形の面積は「底辺×高さ÷2」。高さが同じで底辺が半分なら、面積も半分。これだけのことです。

ケーキを頂点からまっすぐ切るとき、底の真ん中を狙って切れば、左右が同じ大きさになるでしょ。あれと同じだよ。
だから(3)は、実は「点Pと、底辺の中点、この2点を通る直線の式を求めなさい」という、いつもの一次関数の基本問題に早変わりします。闇雲に式を立てようとすると詰まる問題が、性質を1つ知っているだけで基本問題になる。ここが今日のヤマです。
では、この考え方を使うために、まず(1)(2)で材料をそろえていきましょう。
3. 3ステップで解く
ステップ1:点Pの座標を出して、(1)のaを求める
点Pは「①の直線とy軸との交点」です。まず①を、扱いやすい y= の形に直します。
x+2y=6
2y=−x+6
y=−1/2 x+3
y軸との交点は、x=0のところ。①の切片がそのまま出てきて、
P(0, 3)
②はこの点Pを通るので、②の式 3x+ay=−12 に x=0、y=3 を代入します。
3×0+a×3=−12
3a=−12
a=−4
これで(1)の答えが出ました。「Pを通る」=「Pの座標を代入できる」、この言い換えが決め手です。
ステップ2:三角形をつくって、(2)の面積を求める
a=−4を②に入れると、②の式は 3x−4y=−12。これも y= の形にしておきます。
3x−4y=−12
−4y=−3x−12
y=3/4 x+3
三角形は「①・②・x軸」で囲まれた形。頂点が点P(0, 3)で、底辺はx軸の上にあります。そこで、①と②がx軸と交わる点(x切片)を出せば、底辺の両端が決まります。
①のx切片は、y=0のとき。
0=−1/2 x+3
1/2 x=3
x=6 → 点Q(6, 0)
②のx切片は、y=0のとき。
0=3/4 x+3
3/4 x=−3
x=−4 → 点R(−4, 0)
底辺QRの長さは、x軸上の6と−4の間なので、
底辺 = 6−(−4)= 10
高さは、頂点Pのy座標そのもの。
高さ = 3
あとは公式に入れるだけです。
面積 = 10×3÷2 = 15
(2)の答えは 15 です。
ステップ3:中点を通る直線を求める——(3)が一瞬で終わる
いよいよ本丸。核の考え方どおり、頂点Pから底辺QRの「中点」を通る直線を求めます。
まず底辺QRの中点Mを出します。両端はQ(6, 0)とR(−4, 0)。x座標は真ん中を取って、
中点M = ( (6+(−4))÷2 , 0 ) = (1, 0)
あとはP(0, 3)とM(1, 0)の2点を通る直線を求めるだけ。まず傾きは、
傾き = (0−3)÷(1−0) = −3
切片は、点Pがy軸上(0, 3)にいるので、そのまま3。よって、
(3)の答え:y=−3x+3
性質を知っていれば、(3)はたったこれだけ。難しそうに見えた問題が、2点を通る直線の式という基本に帰着しました。
4. 検算——本当に面積は半分になっている?
「中点を通れば半分」と習っても、本当かどうか自分の手で確かめられると、答えに自信が持てます。
分けてできる2つの三角形は、どちらも高さが同じ(頂点Pの高さ3)。底辺だけを比べます。
| 底辺 | 高さ | 面積 | |
|---|---|---|---|
| 左(R〜M) | −4から1まで=5 | 3 | 5×3÷2=7.5 |
| 右(M〜Q) | 1から6まで=5 | 3 | 5×3÷2=7.5 |
左右ともに7.5。合わせて15で、もとの三角形の面積とぴったり一致します。7.5+7.5=15、しかも左右が同じ。中点を通ると面積が半分になることが、数字でも確認できました。
5. よくあるつまずき2つ
つまずき①:闇雲に「y=ax+b」と置いて連立し始める
いちばん多いパターンです。面積を二等分する条件を式で処理しようとすると、とても複雑になって手が止まります。先に図形の性質(中点を通れば半分)を思い出すのが正解。式より先に「どこを通ればいいか」を考えると、一気にラクになります。
つまずき②:中点の座標をミスる
中点は「両端を足して2で割る」。今回はx座標が 6と−4 なので、6+(−4)=2、それを2で割って1。マイナスが混じると符号ミスが出やすいので、ここは落ち着いて。y座標はどちらも0なので、中点も0です。
6. よくある質問(FAQ)
Q. 頂点を通らない、面積を二等分する直線もあるの?
あります。ただし条件が「頂点を通る」と指定されている今回のような問題では、中点を通る中線が答えになります。「頂点を通る」と書いてあったら、まず底辺の中点を疑う——これが合言葉です。
Q. なんで中点を通ると半分になるの?もう一度知りたい
2つに分かれた三角形は、高さが共通だからです。面積は「底辺×高さ÷2」なので、高さが同じなら面積の比は底辺の比と同じ。底辺を半分(中点)で分ければ、面積も半分になります。高さが共通のとき、底辺の比=面積の比、これは他の問題でもよく使う超重要ルールです。
Q. 三角形の面積を求めるとき、底辺と高さはどう選ぶの?
x軸で囲まれた三角形なら、x軸上にある辺を底辺、そこから頂点までの高さ(頂点のy座標)を高さにすると計算がラクです。今回のように頂点がy軸の上にあると、高さがそのままy座標になって暗算できます。
7. まとめ
・「頂点を通って面積を二等分」→ 底辺の中点を通る直線(中線)を引く
・理由は「高さが共通なら、底辺の比=面積の比」だから
・(3)は結局「頂点と中点、2点を通る直線の式」の基本問題に変わる
・中点は両端を足して2で割る。符号ミスに注意
・「頂点を通る二等分」と書いてあったら、まず中点を疑う
この問題は、Lafの授業で実際に扱った一次関数と図形の融合問題を動画で解説したものです。「この図形問題がわからない」「解説を読んでもピンとこない」という問題があれば、公式LINEから気軽に送ってください。
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