先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
LINEにこんな相談が届きました
先日、Lafの公式LINEに、中2の生徒さんからこんな質問が届きました。
> サイコロ2個を投げて、座標を作って三角形の確率を求める問題が全然わかりません。二等辺三角形になる場合が特に無理です…。図をかいても、どこから手をつけたらいいのか分かりません。
とても気持ちがよく分かります。この問題は「確率」と「図形」が合体していて、しかも数え方を間違えやすい、中2で一番差がつくタイプの1つです。
でも、考え方の順番を決めてしまえば、意外とスッキリ解けます。この記事で一緒に整理していきましょう。
■問題
> 大小2個のサイコロを投げ、出た目をそれぞれ a、b とする。3点 A(a, 1)、B(6, b)、C(4, 3) を頂点とする △ABC について、次のようになる確率を求めなさい。
>
> (1) AC=BC の二等辺三角形になる
> (2) 二等辺三角形になる
核となる考え方:「座標に直して、1点ずつ固定する」
この問題のカギは、2つの発想の転換です。
① サイコロの目を、そのまま座標の数字だと考える
サイコロの目 a と b は、点の位置を決める数字です。a は点Aの横の位置、b は点Bの縦の位置を動かします。つまり「サイコロを振る」ことは「点を動かす」ことと同じなのです。
② 3辺を一気に考えず、1点ずつ固定して数える
「二等辺三角形」は3辺のどれか2辺が等しい図形です。3辺を同時に考えるとこんがらがるので、「まず頂点Cに注目」「次に頂点Aに注目」というように、注目する場所を1つずつ固定して数えていきます。
実は動画の中でも、最初は「1マスずつずらして考えよう」としてうまくいかず、「1点を固定して数え上げる」やり方に切り替える場面があります。回り道も含めて、そのまま解き方の流れを追っていきましょう。
ステップで解説
ステップ① サイコロの目を座標に変換する
まず、それぞれの点がどこにあるかを整理します。
- 点C(4, 3) は動きません。固定された基準点です。
- 点A(a, 1) は、たての位置が 1 で固定。横方向(y=1 の直線上)を a=1〜6 で動きます。
- 点B(6, b) は、横の位置が 6 で固定。たて方向(x=6 の直線上)を b=1〜6 で動きます。
サイコロは大小2個なので、目の出方は全部で
6 × 6 = 36(通り)
これが確率の分母になります。
ステップ② 条件を満たす場合を「1点固定」で数え上げる
(1) AC=BC となる場合
「AC の長さ」と「BC の長さ」が等しくなる条件を、辺の長さの式で考えます。長さの2乗どうしで比べると、ルートを使わずに済みます。
AとCの横の差は (4-a)、たての差は (3-1)=2 なので
AC² = (4-a)² + 2² = (4-a)² + 4
BとCの横の差は (6-4)=2、たての差は (b-3) なので
BC² = 2² + (b-3)² = 4 + (b-3)²
AC=BC、つまり AC²=BC² になる条件は
(4-a)² = (b-3)²
これは「4 と a の離れぐあい」と「b と 3 の離れぐあい」が同じ、ということです。式にすると
|4-a| = |b-3|
両辺の値を k(=0, 1, 2, 3)として、あてはまる (a, b) を書き出すと、次の10通りが出てきます。
- k=0:a=4、b=3
- k=1:a=3 または 5、b=2 または 4(4通り)
- k=2:a=2 または 6、b=1 または 5(4通り)
- k=3:a=1、b=6
ここまでで 10通り。ですが、このあとステップ③で「三角形にならない例外」を取り除く必要があります。
ステップ③ 重複・除外に注意する(三角形にならない場合)
図形の問題で一番の落とし穴が、「3点を選んでも三角形にならない場合」です。これには2種類あります。
(ア) 2つの点が同じ場所に重なってしまう場合
a=6、b=1 のとき、A=(6, 1)、B=(6, 1) となり、点Aと点Bがピッタリ重なります。点が2つしかないので三角形になりません。→ 除外
(イ) 3点が一直線に並んでしまう場合
a=2、b=5 のとき、A=(2, 1)、B=(6, 5) で、そのちょうど真ん中が C=(4, 3) になります。A・B・C が一直線に並ぶので、これも三角形になりません。→ 除外
よって、AC=BC になる10通りから、この2通りを引いて
10 - 2 = 8(通り)
これが (1) の答えの分子になります。
確率は
8 / 36 = 2 / 9
(2) 二等辺三角形になる場合(AB=BC や CA=AB も数える)
(1) は「AC=BC」だけでしたが、(2) は3辺のどれか2辺が等しければOKです。そこで、注目する頂点を変えて追加分を数えます。
- AB=AC になる場合(頂点Aに注目):a=5 のとき B=(6, 3)、a=4 のとき B=(6, 1) の2通り
- AB=BC になる場合(頂点Bに注目):b=2 のとき A=(4, 1)、b=3 のとき A=(6, 1) の2通り
(1) の 8通り に、この 2+2=4通り を足して
8 + 2 + 2 = 12(通り)
確率は
12 / 36 = 1 / 3
検算・答えの確認
改めて答えをまとめます。
- (1) AC=BC の二等辺三角形になる確率 … 8 / 36 = 2 / 9
- (2) 二等辺三角形になる確率 … 12 / 36 = 1 / 3
ここで一番強調したいのは、「三角形にならない場合を見落とすと答えがずれる」という点です。
もし除外を忘れると、(1) は 10 / 36(約分して 5 / 18)となり、正しい 2 / 9 とズレてしまいます。「点が重なっていないか」「3点が一直線に並んでいないか」を必ず確認するクセをつけましょう。
チェックの目安はこの2つです。
- 2点の座標が完全に同じ → 点が重なる(三角形にならない)
- 1点が、残り2点を結んだ線分のちょうど真ん中 → 一直線に並ぶ(三角形にならない)
よくあるつまずき
つまずき1:二等辺三角形になる条件を絞れない
3辺を同時に見ようとすると混乱します。「AC=BC」「AB=AC」「AB=BC」の3パターンを、注目する頂点を1つずつ変えて別々に数えるのがコツです。「全部いっぺんに」ではなく「1点ずつ」が合言葉です。
つまずき2:長さの比較でルートに手こずる
辺の長さそのものを比べるとルートが出てきて大変です。「長さの2乗どうしで比べる」と、ルートを外したまま計算できて、ミスも減ります。
つまずき3:重複・除外を数え忘れる
これが一番多いミスです。条件を満たす (a, b) を全部書き出したら、そこで満足せず、「本当にこの3点で三角形ができるか?」をもう一度確認しましょう。重なる点・一直線の並びは、条件式だけでは見つからず、実際に座標を書き出して初めて気づけます。
FAQ
Q1. なぜサイコロの目を座標に置きかえるのですか?
サイコロの目 a、b は、そのまま点の位置を決める数字だからです。「サイコロを振る=点を動かす」と言いかえると、36通りの点の配置を1つずつ調べる問題に変わり、確率の問題として整理できます。
Q2. 長さを比べるとき、なぜ2乗のまま計算していいのですか?
長さは必ず0以上なので、「長さが等しい」ことと「長さの2乗が等しい」ことは同じ意味になります。ルートを外したまま計算できるので、途中の式がぐっとラクになります。
Q3. 三角形にならない場合は、どうやって見つければいいですか?
条件を満たす (a, b) を全部書き出してから、1つずつ座標を確認します。「2点が同じ座標になっていないか」「1点が他の2点の真ん中に来ていないか」の2点をチェックすれば、三角形にならないケースを取りこぼしません。
まとめ
サイコロと座標を組み合わせた二等辺三角形の確率は、次の3ステップで解けます。
- サイコロの目を座標に直す(全部で36通り)
- 注目する頂点を1つずつ固定して、条件に合う場合を数える
- 点が重なる・一直線に並ぶ「三角形にならない場合」を除く
この順番を守れば、(1) は 2 / 9、(2) は 1 / 3 と、迷わずたどり着けます。難しく見える問題ほど、「発想の転換」と「数える順番」で一気にほどけるのがこの単元の面白いところです。
分からない問題は、遠慮なくLINEで送ってくださいね。この記事も、実際にLINEで届いた質問から生まれました。おっしー塾長が一問ずつ、つまずきの元から丁寧に解説します。質問はLINEで受け付けています。
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