【中3数学】二次方程式の解が整数になる自然数aの求め方。(x+2)(x-4)=aを和と積で解く2 min read

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生徒
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因数分解するところまでは分かったんですけど、解説を見たらaがよく分からないところに行っていて、どうしてそうなるんだろうって思いました。

おっしー
おっしー

なるほどね。この問題は、理解してしまえば簡単なんだけど、初めて見るとなかなか難しいよね。一つずつ整理していこうか。

先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。

 

今回の問題

次の問題を考えます。

方程式 (x+2)(x-4)=a の解が整数となるとき、最も小さい自然数aを求めなさい。

左辺はすでに因数分解された形なのに、右辺が0ではなくaという文字になっています。ここが今回のいちばんの引っかかりどころです。いつもの二次方程式なら「=0」の形で、左辺を因数分解して解を出すという流れが決まっていますが、右辺が謎の文字だと手が止まってしまいます。

高校入試の応用問題でもよく出るタイプで、レベルは高めです。ただ、二次方程式の因数分解を「和と積」で理解できていれば、やることは決まった手順に落ちます

 

考え方の核: 解を文字で置いて、和と積の条件に変える

「解が整数になる」という条件は、そのままでは式に書けません。そこで、解に関わる数を文字で置いて、和と積の条件に翻訳します

二次方程式の解は2つあるので、因数分解の形をこう置きます。

(x+m)(x+n) = 0

この形に持ち込めれば、解は x=-m と x=-n です。つまり、mとnが整数なら解も整数になります。逆に解が整数ならmとnも整数です。「解が整数」という条件を、「mとnが整数」という条件に置き換えられたわけです。

そして、この形を展開すると

(x+m)(x+n) = x² + (m+n)x + mn

となります。xの係数が2数の和、定数項が2数の積。因数分解でいつも使っている「和と積」がそのまま出てきます。あとは、もとの式をこの形に合わせていくだけです。

 

ステップ1: 展開して右辺を0にする

まずは、右辺のaを左辺に移項して、右辺を0にします。そのために左辺を一度展開します。

(x+2)(x-4) = a

x² – 2x – 8 = a

aを左辺へ移項して

x² – 2x – 8 – a = 0

ここで、定数の部分をひとまとめにして括弧でくくっておきます。

x² – 2x + (-8 – a) = 0

括弧でくくらなくても計算は同じですが、「ここが積の部分ですよ」と見た目で分かるようにしておくと、次のステップで迷いません

 

ステップ2: 和と積の条件を書き出す

ステップ1の式と、(x+m)(x+n)=0 を展開した形を見比べます。

xの係数が和、定数項が積なので、

m + n = -2

m × n = -8 – a

この2本が今回の条件です。和のほうは -2 という具体的な数字で決まっていますが、積のほうにはaが残っています。ここでaの条件が効いてきます。

 

ステップ3: 自然数の意味からaの範囲を出す

問題文には「自然数a」と書かれています。自然数とは何だったか、ここで確認しておきます。

自然数は「正の整数」で、0は含みません

覚え方はシンプルで、自然に数えるときに出てくる数だと思っておくと迷いません。物は1個、2個、3個と数えますが、マイナス1個とは数えませんし、何も無いときに「0本のペンがあるよ」とわざわざ言うこともありません。だから自然数は1以上の整数です。

すると、aは1以上なので

  • aが1のとき、-8-a = -9
  • aが2のとき、-8-a = -10
  • aが10のとき、-8-a = -18

というように、aが大きくなるほど値は小さくなっていきます。つまり

m × n = -8 – a ≦ -9

積は-9以下になります。積が負の数ということは、mとnは片方が正、もう片方が負だと分かります。

 

ステップ4: 条件に合う組を小さい数から試す

和が-2で、片方が正、片方が負。この条件でmに小さい正の整数を入れていき、そのときのnと積を確かめます。

m n 和 m+n 積 m×n 積が-9以下か
1 -3 -2 -3 該当しない
2 -4 -2 -8 該当しない
3 -5 -2 -15 該当する
4 -6 -2 -24 該当する
5 -7 -2 -35 該当する

m=1のとき積は-3で、-9より大きいので条件に合いません。m=2でも積は-8で、まだ-9より大きい。m=3でようやく積が-15になり、-9以下という条件を満たします。

その先も見ておくと、m=4で-24、m=5で-35。mが3より大きくなると、積はどんどん小さくなっていくので、すべて条件を満たします。組み合わせは無限にあるということです。

 

ステップ5: aが最も小さくなる組を選ぶ

条件を満たす組はいくらでもあるので、ここから「aが最も小さい」ものを選びます。それぞれの組について、-8-a の値からaを逆算します。

積が-15のとき

-8 – a = -15 より a = 7

積が-24のとき

-8 – a = -24 より a = 16

積が-35のとき

-8 – a = -35 より a = 27

並べてみると分かりますが、積が小さくなるほど、引く量を増やさないといけないのでaは大きくなっていきます。これ以上mを大きくしても、aが大きくなるだけです。

したがって、aが最も小さくなるのは積が-15のとき。

答え: a = 7

 

検算: a=7を代入して確かめる

出た答えを、もとの式に戻して確かめます。

a=7なので、x² – 2x – 8 – a = 0 の -8-a の部分は -8-7 = -15 になります。

x² – 2x – 15 = 0

和が-2、積が-15になる2数は3と-5なので

(x+3)(x-5) = 0

x = -3, 5

どちらも整数になりました。解が整数という条件をきちんと満たしているので、a=7で正しいと確認できます。

 

m、nの置き方と符号のずれに注意

ここは補足ですが、大事なところなので付け足しておきます。

「解をmとnとおく」と言うと、因数分解の形は (x-m)(x-n)=0 になります。これを展開すると

x² – (m+n)x + mn = 0

となり、xの係数は「和にマイナスをつけたもの」です。つまり、解そのものをm、nと置くと、和の符号が逆転します

今回 m+n=-2、m×n=-8-a として扱ったm、nは、解そのものではなく (x+m)(x+n)=0 と因数分解したときの2つの数です。だから和も積もそのまま読めます。実際、答えの組(3, -5)に対して解は x=-3, 5 で、符号が入れ替わっていますよね。

置き方の細かい話に振り回されるくらいなら、因数分解の「和はxの係数、積は定数項」だけをシンプルに意識するのがおすすめです。そこさえ外さなければ、答えはずれません。

 

よくあるつまずき

  • 右辺がaのまま因数分解しようとしてしまう。まずは展開して移項し、右辺を0にするのが先です
  • 自然数に0を含めてしまう。0を入れると積が-8となり、条件に合わない組まで数えてしまいます
  • 積が-9以下という条件を、-8以下や-9より小さいと読み違えてしまう。aが1のときの-9はきちんと含まれます
  • mを1から順に試したとき、最初の1、2個が該当しないところで「合う組が無い」と諦めてしまう
  • 条件に合う組をすべて書き出したあと、そのまま最初の組を答えにしてしまう。求めるのはaが最小になる組なので、積が最大の組を選びます

 

FAQ

Q. なぜ解をmとnの2つ置くのですか?1つではだめですか?

A. 二次方程式なので解は2つあると考えるのが基本です。解が1つ(重解)の場合は、mとnが同じ値になるだけなので、2つ置いておけば両方の場合をカバーできます。

Q. mとnはどこまで試せばいいですか?

A. 積が-9以下になり始めたあとは、mを大きくするほど積は小さくなり続けます。積が小さくなるとaは大きくなるので、最初に条件を満たした組(今回はm=3)で打ち切って構いません。

Q. mが負でnが正の組は考えなくていいですか?

A. mとnを入れ替えただけなので、和も積も同じです。同じ組み合わせを二度数えることになるだけなので、片方だけ調べれば十分です。

Q. 「最も小さい自然数a」なのに、なぜ積が最も大きい組を選ぶのですか?

A. m×n = -8-a という式は、aで引き算をしている形だからです。引く量が小さいほど結果は大きくなるので、積が大きい(絶対値が小さい)組ほどaは小さくなります。

この問題のポイント

  • 右辺が文字のときは、展開して移項し、右辺を0にしてから考える
  • 「解が整数」は、因数分解した2数の和と積の条件に置き換える
  • 自然数は1以上の整数なので、-8-a は-9以下になる
  • 条件に合う組を小さい数から並べ、aが最小になる組(積が最大の組)を選ぶ
  • 答えが出たら代入して、解が整数になるか確かめる

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