
面積が半分なんで、ABの二等分線かなって思ったんですけど。

うんうん、いい線いってる。ACPとBCPってことは、まずここがポイントなんだよね。
これは、実際の授業でのやり取りです。中1数学の平面図形、作図の問題ですね。「面積が同じ」と言われると難しそうに見えますが、底辺をそろえて考えると、答えの形が一気に見えてきます。今回はこの考え方を、作図の手順まで順番に解説します。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
今回の問題
右の図2で、△ABCは鋭角三角形です。
解答欄に示した図をもとにして、辺AB上にあり、△ACPの面積と△BCPの面積が等しくなるような点Pを、定規とコンパスを用いて作図によって求め、点Pの位置を示す文字Pも書きます。ただし、作図に用いた線は消さないでおきます。
つまり、辺ABの上のどこかに点Pがあって、そこから点Cへ向かって線を引いたとき、左側にできる△ACPと右側にできる△BCPの面積がちょうど同じになる。そんな点Pを、コンパスと定規だけで見つける問題です。
面積を比べるときは「底辺をそろえる」
2つの三角形の面積をいきなり比べようとすると、形も向きも違って見えて、ピンときません。授業でも「二つの三角形って言われても、いまいちピンとこない」という声がありました。
こういうときのコツは、底辺をそろえて見ることです。
△ACPと△BCPを見比べると、実は2つとも辺ABの上に底辺を持っています。ACPは点Pから点Aまでの部分(AP)を底辺に、BCPは点Pから点Bまでの部分(BP)を底辺にしていると考えられます。
そして、この2つの三角形はどちらも頂点Cを共有しています。ということは、頂点Cから直線ABまでの高さは、2つの三角形でまったく同じです。
底辺をABの上に置いて、高さが共通だと分かれば、あとは底辺どうしを比べるだけで面積の比較ができます。
面積が同じになるのは「AP=BP」のとき
三角形の面積は、底辺×高さ÷2で求められます。
△ACPの面積は、AP×(Cからの高さ)÷2。
△BCPの面積は、BP×(Cからの高さ)÷2。
高さの部分は2つとも同じなので、面積が等しくなるのは、底辺のAPとBPが等しいときだけです。
つまり、点Pの位置を求める問題は、「AP=BPになる点Pはどこか」という問題に置きかえられます。AP=BPということは、点Pは線分ABをちょうど半分に分ける点、つまり線分ABの中点です。
授業でも、ここまで整理できたところで「じゃあ点Pは、ABの中点を求めればいい」という流れになりました。
中点は「垂直二等分線」で作図する
線分の中点を、定規とコンパスだけで正確に求める方法が、垂直二等分線の作図です。手順は次の3ステップです。
ステップ1: 点Aを中心に円をかく
コンパスを点Aに合わせ、半径を線分ABより少し長めにとって円をかきます。
ステップ2: 点Bを中心に、同じ半径で円をかく
コンパスの開き具合を変えずに、今度は点Bを中心にして円をかきます。ステップ1と同じ半径にするのがポイントです。
ステップ3: 2つの円の交点を結ぶ
2つの円は、線分ABの上下でそれぞれ1点ずつ交わります。この2つの交点を直線で結ぶと、それが線分ABの垂直二等分線です。
この垂直二等分線と辺ABが交わる点が、求める点Pになります。
垂直二等分線の上にある点は、どこでも点Aと点Bまでの距離が等しくなります(円の半径が同じだからです)。その中でも、辺ABの上にある点だけが、AP=BPを満たす点P、というわけです。
答えの確かめかた
作図が終わったら、目で見て確認できることが2つあります。
まず、点PがだいたいABの真ん中あたりにあるかどうか。極端に端に寄っていたら、円の半径を左右で変えてしまっている可能性があります。
次に、垂直二等分線が辺ABと直角に交わっているかどうか。名前の通り「垂直」な二等分線なので、交わる角度が斜めになっていたら、円の中心や半径がずれています。
この2点をさっと見るだけで、作図のミスにはだいたい気づけます。
よくあるつまずき
つまずき1: 何を作図すればいいのか分からない
「面積が同じ」という条件から、いきなり作図の手順を思いつくのは難しいものです。今回のように、面積の条件を「底辺の長さが同じ」という条件に言いかえるのが最初のステップです。作図そのものは中点を求めるだけなので、ここさえ言いかえられれば、あとは知っている手順で解けます。
つまずき2: 垂直二等分線と角の二等分線を混同する
どちらもコンパスで円をかく作図ですが、目的がまったく違います。垂直二等分線は「線分の中点」を求めるための作図、角の二等分線は「角を半分に分ける」ための作図です。今回は線分ABの中点を求めたいので、垂直二等分線を使います。
つまずき3: コンパスの半径を途中で変えてしまう
ステップ1とステップ2は、同じ半径でかく必要があります。半径がずれると、2つの円の交点が線分ABの真上からずれてしまい、点Pの位置も不正確になります。コンパスを一度開いたら、2つの円をかき終えるまで動かさないようにしましょう。
よくある質問
Q. なぜ点Pが辺AB上にあると分かっているのに、垂直二等分線をわざわざ作図するのですか?
A. 「AB上のどこか」というだけでは、位置が1つに決まりません。AP=BPという条件(中点であること)を満たす点を正確に作図するために、垂直二等分線という手順が必要になります。目分量でだいたいの真ん中に点を打つのではなく、コンパスで正確な位置を求めるのがこの単元のねらいです。
Q. △ACPと△BCPの面積が同じになる理由を、式で確認できますか?
A. できます。△ACPの面積をAP×h÷2、△BCPの面積をBP×h÷2とすると(hは点Cから直線ABまでの高さ)、AP=BPのときこの2つの式は同じ値になります。逆にAP≠BPなら、底辺が違うぶん面積も変わってしまいます。
Q. この作図の考え方は、他の問題にも使えますか?
A. はい。「2つの図形の面積を同じにする点を作図する」というタイプの問題は、平面図形の単元でよく出てきます。今回のように、まず底辺や高さをそろえて考え、面積の条件を長さの条件に言いかえるという流れは、他の問題でも共通して使えます。
今回のポイントまとめ
- 2つの三角形の面積を比べるときは、底辺をそろえて考える
- △ACPと△BCPは頂点Cを共有しているので、高さは共通
- 面積が同じになるのは、底辺のAP=BPのとき
- AP=BPになる点Pは、線分ABの中点
- 中点は、線分の両端を中心にした同じ半径の円をかき、その交点を結ぶ「垂直二等分線」で作図する
もっと詳しく見たい人は、実際の解説動画も参考にしてください。コンパスの使い方を、手元の映像で確認できます。
平面図形の作図は、手順を覚えるだけでなく「なぜその作図でいいのか」が分かると、初めて見る問題にも応用できるようになります。分からない問題があれば、公式LINEで気軽に質問してくださいね。
あわせて読みたい



動画でくわしく確認する
この内容は、こちらの動画でくわしく話しています。
毎朝7:15から勉強相談ライブをやっています
オンライン学習塾Lafのおっしー塾長が、毎朝7:15からInstagramで中学生の勉強相談ライブを配信しています。
「やる気が出ない」「覚えられない」といった悩みに、その場でお答えします。
勉強の悩みを直接相談したいときは、公式LINEからどうぞ。無料でお答えします。


関連記事