
テストの前半の計算問題はスラスラ解けるのに、応用問題になった瞬間に手が止まります。自分は数学のセンスがないんでしょうか。

その悩み、めちゃくちゃ多いんですよ。でも安心してください。応用問題が解けないのは、地頭やセンスの良し悪しではありません。
テストの前半は順調だったのに、後半の応用問題で手が止まって、気づいたら時間だけが過ぎていた。丸つけをすると、間違えたのは全部後半。「やっぱり自分は数学が苦手なんだ」と落ち込む。この流れ、心当たりがある人は多いと思います。
でも、応用問題が解けない理由は、基本的に2つしかありません。
- ①基本問題の完成度が、実はまだ足りていない
- ②初めて見る問題への「免疫」が足りていない
このどちらか、あるいは両方です。センスの話ではないので、どちらなのかを見分けて、そこを埋めていけば動き出します。
この記事でお伝えするのは、次の内容です。
- 応用問題だけ解けなくなる2つの原因
- 応用問題のやってはいけない3つの勉強法
- つまずいたとき、どこまで戻ればいいのか
- 「基本ができてる」を自分で確かめる方法
- 今日からできる応用問題の解き方3ステップ
最後に、保護者の方へのワンポイントと、無料の特典もご用意しています。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
応用問題が解けないのは、センスの差ではありません
まず結論からお伝えします。応用問題でつまずくのは、頭の出来の問題ではありません。
理由はシンプルで、基本問題と応用問題では、求められている作業がそもそも違うからです。
基本問題は「決まった手順を1つ、そのまま再現する」だけで答えが出ます。計算のやり方を覚えていれば、あとは正確に手を動かすだけ。ところが応用問題は、「この問題は、どの手順とどの手順を、どの順番で組み合わせれば解けるのか」を自分で見抜くところから始まります。
つまり、基本問題は再現の作業、応用問題は組み立ての作業。種目が違うんです。
だから、基本問題がスラスラ解ける人が応用問題で止まるのは、まったく不思議なことではありません。今までの勉強で、組み立てのほうを練習する機会がなかっただけです。
そしてもうひとつ、うれしいお知らせがあります。中学生の数学は、実は成績を上げやすい教科です。おっしー先生はオンライン学習塾Lafの面談で「数学が苦手です」と言われたら、いつも「それは良かったですね」とお答えしています。理由は、これから説明するとおり、中学レベルの数学は問われるパターンがある程度決まっているからです。
苦手の正体がはっきりしていて、しかもパターンが有限。だから、やることさえ間違えなければ動きます。まずは原因の切り分けからいきましょう。
応用問題だけ解けなくなる2つの原因
原因の話に入る前に、テストには出ない雑学をひとつ。
将棋やチェスのプロって、盤面をパッと見ただけで最善の一手が浮かびますよね。あれ、生まれつきの才能だと思いますか。
もちろん才能の部分もあるのですが、実はそれだけではありません。プロは何千通りという盤面のパターンを、すでに見たことがあるんです。だから初めて見る盤面でも、頭の中にストックしてある過去の場面と照らし合わせて、「この形なら、この手だ」と引っぱり出してきている。心理学では、これをチャンキング(chunking=かたまりで覚えること)と呼びます。
つまり、ひらめきに見えるものの正体は経験値です。ひらめきは、パターンを見た回数から引っぱり出されてくるものなんですね。
そしてここが大事なところなのですが、数学の応用問題は、将棋やチェスの盤面ほどパターンが多くありません。中学校の定期テストで聞かれる形は、ある程度決まっています。入試問題は少しひねられますが、それでも過去問をある程度見れば傾向はつかめます。
だから、「応用問題が苦手」「ひらめきがない」と感じている人は、才能がないのではなくて、頭の中にパターンのストックがまだできていないだけ。基礎には基礎のパターン、応用には応用のパターンがあって、それを頭の中にインストールしていくと、数学の点数はグッと上がってきます。
この前提を踏まえたうえで、応用問題が解けない原因を2つに分けます。
- 原因①:初めて見る問題への免疫がない(=チャンキングが足りていない)
- 原因②:基本問題の完成度が、実はまだ7〜8割止まり
順番に見ていきましょう。
原因①:初めて見る問題への「免疫」がない
応用問題は、定義からして「初めて見る問題」です。ということは、初めて見る問題に出会った経験そのものが少なければ、対応できないのは当たり前です。
ありがちなのが、学校のワーク1冊だけをぐるぐる繰り返しているというパターン。同じ問題集だけを何周もすると、たしかにその問題は解けるようになります。ただ、それは「問題の並び」を覚えてしまっているだけのこともあって、少し形の変わった問題を出されると手が止まってしまう。
では、どうするか。順番はこうです。
1. まず1冊を3周する
参考書や問題集を1冊決めて、3周繰り返します。5周までやる必要はありません。3周で十分です。
ただし、やみくもに3回解くのではなく、こう回してください。
- 1周目:全部解いて、解けた問題に丸をつける
- 2周目:解けなかった問題を解き直して、また間違えた問題にチェックをつける
- 3周目:チェックがついている問題だけを解く
一番望ましいのは、1周目も2周目も全部解くことです。ただ、夏休みは他の教科もあるので、時間が足りない人は「間違えた問題だけ次の周で解く」でまったく問題ありません。
2. そのあと、同じくらいのレベルの別の問題集を解く
ここが超重要です。1冊を3周し終えたら、似たレベルの別の問題集や参考書で解き直す。これをやってはじめて、初めて見るパターンに頭がフィットしていきます。
同じ問題集を4周目、5周目と回すより、別の1冊で初見の問題に触れるほうが、応用力という意味では効きます。頭の中の引き出し、つまりチャンキングの引き出しを増やしていきましょう。
原因②:基本問題が「九九のレベル」になっていない
そして2つ目。こちらのほうが、実は当てはまる人が多いです。
「基本問題はできてます」と言う人に正答率を聞くと、7割から8割という答えが返ってくることがよくあります。その状態で「自分は基礎はできている」と思ってしまう。でも、それでは応用問題は解けません。
目指すのは9割超え、なんなら9割5分超え。基本問題は満点を取るつもりでできていないと、応用の土台になりません。

おっしー先生はいつも「それ、九九のレベルで解けますか?」って聞いてます。
九九を思い出してください。「三八(さんぱ)は?」と聞かれたら、みなさん「24」とパッと出てきますよね。小学2年生のころは「三一が三、三二が六、三三が九、三四十二……」と最初から数えていたはずです。それでも答えは出るので、一応「解けている」ことにはなります。
でも今は、数えずに反射で出てくる。これが「基礎が徹底できている」という状態です。
同じことを、中学数学でもやりましょう。たとえば、こんな感じです。
- 1次関数の傾きの求め方が、考えずに出てくるか(傾き=変化の割合=xの増加量分のyの増加量)
- 2つの直線の交点の座標を求めなさい、と言われたら、すぐ「連立方程式だ」と出てくるか。しかも加減法も代入法もパッと使えるか
- 三角形の面積を二等分する直線を求めなさい、と言われたら、すぐ「底辺の中点だ」と出てくるか
- 確率なら「これはサイコロ2つだから6×6のマスを作るパターンだな」と出てくるか
思い出しながら解いているのか、反射で解けるのか。この差はとても大きいです。頭を使わなくても解けるレベル、つまり血肉になっているレベルまで落とし込むこと。基本問題は、九九と同じところまで持っていく。ここが応用問題の前提になります。
スポーツと同じですね。一つひとつの素振りが徹底できていないのに、複数の動きを噛み合わせたファインプレーはできません。
応用問題のやってはいけない3つの勉強法
正しいやり方の前に、まず「やらないほうがいいこと」から。よかれと思ってやりがちな3つです。
- 模範解答を読んで「わかった」で終わる
- いきなり難しい応用問題や入試問題からチャレンジする
- 解き方のパターンだけ丸暗記して、根拠を自分の言葉で説明できない
①模範解答を読んで「わかった」で終わる
まず、模範解答を読むこと自体はグッジョブです。丸つけだけして答えを見ない人もいるので、読んでいる時点でえらい。問題は、そこで終わってしまうことです。
理由は2つ。ひとつは、読んだだけでは翌日には忘れるから。エビングハウスの忘却曲線という研究があり、人は覚えたことを1日で7割以上忘れてしまうと言われています。
もうひとつは、読めても手は動かないから。「この問題、見たことあるな」と思っても、いざ解こうとすると手が動かない。だから間違えた問題は、解法をもう一度自分の手で書いてみる。ただし答えを写すのはNGです。一度読んで理解したら答えを閉じ、その場でもう一度解けるか試す。わからなくなったらまた答えを見る。この往復が大事です。
そして模範解答には、もうひとつ大きな落とし穴があります。これは次の章で扱います。
②いきなり難しい応用問題・入試問題から始める
まずは基礎を固めましょう、というのは前の章のとおりですが、もうひとつ。応用問題にもレベルのグラデーションがあります。
応用レベル「弱」「中」「強」。いきなり一番上に飛びつくと、どこでつまずいているのかも特定できません。基本ができたら応用弱、そこから中、強、と一段ずつ上げていきましょう。
③パターンだけ丸暗記して、自分の言葉で説明できない
大事なのは、何のパターンと何のパターンが掛け合わされているのかを自分で言えること。そして、その問題の「幹」(毎回問われる本質)と「枝葉」(今回だけのアレンジ)を見分けられることです。
この見分ける力は、大人になってから仕事でも役に立ちます。いわゆる「要領のよさ」ですね。この識別を意識するだけで、勉強の効率は変わります。
応用問題で本当に大事なのは「発想法と着眼点」
前の章で触れた、模範解答の最大の落とし穴について。
模範解答を読んでも成績が上がりにくい一番の理由は、その解き方をなぜ思いついたのか、つまり発想法と着眼点が書かれていないからです。
書いてあるのは「どう解いたか」であって、「なぜそこに目をつけたのか」ではありません。問題集の解説に、そこまで書いてあるものは正直あまりありません。書いてあったら、その問題集はかなり親切です。しかも過去問になるほど模範解答は雑になりがちで、途中式が飛ばされていることもよくあります。
発想が出てこなければ、そもそも解けません。解く手順はその後の話です。だからここは、誰かに教わってしまうのが早いところでもあります。
「この文章でこのワードが出てきたら、まずこれを疑う」といった着眼点は、独学だと一番つかみにくいところです。逆に言えば、ここを教わるだけで一気に解けるようになる人も多い場所です。解説を読んで「解き方はわかるのに、自分では思いつかない」と感じているなら、足りないのは演習量ではなく着眼点かもしれません。
つまずいたら、どこまで戻ればいい?
ここでもうひとつ、大事な話をさせてください。
数学と英語は積み上げ系の教科です。理科と社会は暗記系の要素が強く、単元が変わればある程度リセットされますが、数学は前の単元がわかっていないと先へ進めません。
ということは、中学3年生で応用問題につまずいている場合、中3の基礎をやり直しても足りないことがあります。
- 2次関数でつまずいている → 中2の1次関数が怪しい
- 1次関数でつまずいている → 連立方程式が怪しい
- 連立方程式でつまずいている → 中1の比例・反比例が怪しい
- さらにさかのぼると、小学校の分数や小数の計算が苦手なまま、ということも

前の単元に戻るって聞くと、遠回りな気がするでしょ。違う違う。基礎ができてないのに応用なんてできっこないから。遠回りのように見えて、実は近道なんです。
計算そのものが遅いと感じている人は、百マス計算もおすすめです。0から9までを縦横に並べて、時間を計って解くあれです。毎日1回やるだけでタイムは縮んでいきますし、計算スピードが上がると、同じ勉強時間で解ける問題の数が変わってきます。計算へのアレルギー反応も出にくくなります。
「自分はどこまで戻ればいいのかわからない」という人が一番多いので、あとで対応表の受け取り方をご案内します。
中2でつまずいた場合の戻り方は、こちらの記事でもくわしく書いています。

「基本ができてる」を自分で確かめる2つの方法
ここまで「まず基本を固めましょう」と言ってきましたが、一番むずかしいのは自分の基本が本当にできているのかを判断することです。多くの記事は「基礎が足りないのでは」と指摘するだけで、確かめ方までは教えてくれません。ここでは2つの具体的なチェックをお伝えします。
チェック①:学校のワーク・教科書ワークで9割以上取れているか
解答を見ずに解いて、正答率が9割に届いていなければ、応用問題にはまだ着手しないでください。まずは基礎固めです。そして、9割に届かなかった単元を分析して、必要なら前の単元まで戻ります。
さらに言うと、正答率だけでなくスピードも見てください。前の章でお伝えしたとおり、悩みながら9割なのか、反射で9割なのかで、まったくレベルが違います。
チェック②:「なぜこの解き方になるのか」を説明できるか
解いた問題について、模範解答を見ずに「なぜこの公式を使うのか」「この公式が成り立つ理由は何か」を口に出して説明してみてください。説明できなければ、パターンを覚えているだけで、理解はできていない状態です。
イメージとしては、レゴブロックが近いです。

応用問題を解くのって、レゴブロックを積み上げていくようなものなんですよ。一つひとつのブロックをつないで、大きい建物を作っていくでしょ。ブロック同士のつなぎ方がわかっていなければ、大きいものは作れないよね。
ブロックのつなぎ方を知るのが基本問題。そのブロックを組み合わせて、見たことのない形を作るのが応用問題です。この関係がわかると、なぜ基本を9割まで固める必要があるのかが腹落ちすると思います。
今日からできる応用問題の解き方3ステップ
お待たせしました。ここからが本題です。今日から使える3ステップをお伝えします。
ステップ1:問題文の条件を、全部紙に書き出して図にする
これが超重要です。
たとえば連立方程式の文章問題。速さの問題なら、直線を引いて道のりを書き、距離・速さ・時間を書き込む。「去年の生徒数と今年の生徒数の差から式を作りなさい」という問題なら、表を作って、去年を上の行、今年を下の行に置き、男子・女子・合計を列にする。
図形の問題も同じです。問題文に書かれている情報は、全部図に書き込む。ここをめんどくさがってやらない人が、本当に多いです。
おもしろいもので、数学の点数が取れる人ほど途中式を書き、点数が伸び悩んでいる人ほど途中式を書きません。

頭の中で考えるより、書き出したほうがずっと楽なんですよ。紙に書けば、目で見えているあいだはずっと覚えていてくれる。頭の中に置いておくと、覚えながら、さらに情報を足していかないといけない。そんなの、しんどいに決まってるよね。
応用問題は情報量が多いので、頭の中だけで処理しようとするとパンクします。外に書き出して、それを見ながら情報をどんどん付け足していく。この形にしてください。
同じ考え方は、文章問題の記事でもくわしく解説しています。

ステップ2:「知ってる基本問題の組み合わせ」に分解する
応用問題は、知っている基本問題の組み合わせで解くことができます。
だから、問題を前にしたら「これは、どの基本問題と、どの基本問題の組み合わせかな」と、印をつけながら整理していく。
初めて見る問題に見えても、実は知っているパターンが2つ3つ重なっているだけ、ということがほとんどです。「初めて見る問題を解く」のではなく「知っているパターンを探す」に頭を切り替えると、手が動き出します。
ステップ3:1冊を3周したら、別の問題集で初見の問題に触れる
3つ目は、原因①でお伝えした話です。1冊のワークを3周繰り返したら、別のパターンの問題集を使っていろいろな問題に触れる。これで頭の中の引き出し、チャンキングの引き出しが増えていきます。
まとめると、書き出す → 基本の組み合わせに分解する → 別の問題集で引き出しを増やす。今日の1問目から試してみてください。
なお、図形の証明問題も「型を知っているかどうか」で決まる、応用問題と同じ構造の分野です。証明でも手が止まるという人は、こちらもあわせてどうぞ。

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単元別に見る、応用でつまずきやすいポイント
参考までに、応用問題でつまずきやすい単元と、そのときに戻るべき場所を整理しておきます。
| つまずいている単元 | 疑うべき「前の単元」 | チェックポイント |
|---|---|---|
| 2次関数(中3) | 1次関数・連立方程式 | 交点を出すとき、すぐ連立方程式が浮かぶか |
| 1次関数(中2) | 比例・反比例、方程式 | 傾き=変化の割合=xの増加量分のyの増加量、と即答できるか |
| 連立方程式(中2) | 1次方程式、分数・小数の計算 | 加減法と代入法を、迷わず使い分けられるか |
| 図形・証明(中2・中3) | 角度と平行線、合同条件 | 図に条件を全部書き込めているか |
| 確率(中2) | 場合の数、表・樹形図 | 「これは6×6のマスを作る形だな」と判断できるか |
| 文章題(全学年) | 計算の正確さ、図・表の書き方 | 条件を紙に書き出す習慣があるか |
コツは、上の単元でつまずいたら、その単元の基礎ではなく「ひとつ前の単元」を疑うことです。数学は積み上げ系なので、土台のほうがぐらついていることが本当によくあります。
そして、戻る先は中学の単元とは限りません。分数の計算、小数の計算といった小学校の内容が原因になっていることもあります。恥ずかしいことでは、まったくありません。むしろそこを直せば、上の学年の問題まで一気に通りがよくなります。
【保護者の方へ】
最後に、この記事を読んでくださっている保護者の方へ。
「基本問題はできるのに、なんで応用ができないの?」。つい言いたくなるお気持ちは、とてもよくわかります。ただ、この記事の最初にお伝えしたとおり、基本問題と応用問題は求められている作業が違います。応用ができない=地頭が悪い、ではありません。
将棋のプロの一手がひらめきに見えるのは、過去に膨大な盤面を見てきたからでした。応用問題も同じで、パターンに触れた回数の差です。今から積み上げられるものなので、他のお子さんと比べる必要はありません。
そのうえで、おうちでできることを2つだけ。
1つ目は、「これ、九九のレベルでできてる?」と聞いてあげること。
たとえば1次関数の傾きの求め方を、悩まずに反射で答えられるかどうか。ここができていないのに応用問題に挑むと、ただ苦しいだけになってしまいます。数学から離れて久しい方でも、「すぐ出てくる?」と聞いてあげるだけで十分チェックになります。
2つ目は、「どのパターンとどのパターンの組み合わせか、一緒に探そうか」と伴走すること。
答えを教える係ではなく、一緒に探す係です。問題文の条件を紙に書き出す作業なら、内容がわからなくても一緒にできます。
そしてもうひとつ。前の単元に戻るのは、遠回りに見えて近道です。お子さんが「今さら中1の内容?」と嫌がったら、そこだけ後押ししてあげてください。
よくある質問(Q&A)
Q. 応用問題は才能なので、後から伸ばせないのでは?
そんなことはありません。記事でお伝えしたチャンキングの話のとおり、ひらめきの正体はパターンに触れた経験の量です。しかも中学数学は、定期テストも入試も問われるパターンがかなり限られています。今から積み上げられます。
Q. 何冊も問題集をやる時間がありません。
何冊も必要ありません。学校のワークなど1冊を3周して、そのあと同じくらいのレベルの問題集を1冊。これで十分です。大事なのは量ではなく、初見の問題に触れる経験があるかどうかです。
Q. 難しい問題なら、どれをやってもいいですか?
難しい問題には良問と悪問があります。悪問は、ただ難しくしただけの嫌がらせのような問題。良問は、1問解くだけで他の応用問題にも転用でき、基礎から応用までまとめて復習できる問題です。せっかく時間をかけるなら良問を選びましょう。先生に「どれが良問ですか」と聞いてしまうのが早いです。
Q. 集中が続かず、演習量が積めません。
ポモドーロテクニックがおすすめです。25分勉強して5分休憩、これを繰り返すだけ。ポイントは、25分たったらキリの悪いところですぐ休憩に入ること。キリのいいところまでやると一区切りついてしまい、再開に大きなエネルギーが必要になります。キリが悪いところで止めれば「次はここから」がはっきりしていて、戻ってきやすいです。5分休憩はスマホを見ず、スクワットなど軽い運動にあてるのがおすすめです。
Q. 夏休みからでも間に合いますか?
間に合います。ざっくりした計算ですが、1学期に学校の授業で数学に使った時間は45〜50時間くらいという規模感です。夏休みに1日1時間積み上げれば、それに近い時間を確保できます。学校の授業が止まる夏休みは、振り返りにも苦手つぶしにも一番向いている時期です。
夏休みの時間の使い方は、こちらでくわしく書いています。

まとめ
応用問題が解けないのは、頭のせいでもセンスのせいでもありません。基本の完成度か、パターンに触れた回数か、どちらかが足りていないだけです。今日の要点をまとめます。
- 応用問題が解けない原因は2つだけ(①初めて見る問題への免疫がない ②基本が7〜8割止まり)
- ひらめきの正体はチャンキング=パターンを見た回数。中学数学のパターンは有限
- 基本問題は「九九のレベル」まで。目指すのは9割超え、しかも反射で解けること
- NGは「模範解答を読んで終わる/いきなり入試レベル/パターンの丸暗記」
- 解き方は3ステップ(書き出す → 基本の組み合わせに分解する → 別の問題集で引き出しを増やす)
- 前の単元に戻るのは、遠回りに見えて近道
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