図形の規則性の問題は、式だけ覚えても「なぜその式になるのか」がわからないと、数字が変わった瞬間に手が止まります。この記事は、公式LINEに実際に届いた質問に、おっしー塾長がその場で答えた授業をそのまま記事にしたものです。

「タイルの共通な辺」って言われても、何を数えればいいのかピンと来なくて…N×(N−1)にどうしてなるのかも、いまいち分からないままです。

なるほど、その気持ちわかるよ。図形の規則性は「まず何も取り除かない状態で数える」のがコツなんだ。一緒に見ていこう。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
1. 今回の問題
まず問題文です。
> 1辺の長さが1cmの正方形の黒いタイルを重ならないように隙間なく敷き詰めて、1辺の長さがnセンチメートルの正方形をつくる。次に、敷き詰めたタイルのうち、4つの辺がすべて他のタイルと接しているタイルの中から1つだけを、他のタイルが動かないように取り除く。この状態で、となりあう2つのタイルが接している1cmの辺の部分を「共通な辺」と呼ぶこととし、その「共通な辺」の中点に小さな白い丸シールを1枚はりつける。このように、すべての「共通な辺」に小さな白い丸シールを1枚ずつはりつけ、そのシールの枚数を調べる。ただし、nは3以上の整数とする。
>
> (1) n=5のとき、はりつけた小さな白い丸シールの枚数を求めなさい。
> (2) はりつけた小さな白い丸シールの枚数が308のとき、nの値を求めなさい。
「タイルを敷き詰める」「1つ取り除く」という2つの操作が同時に出てくるところが、最初の壁になります。
2. 解く前に:タイルを「1つ抜く前」の状態で考える
先に核心を言います。「1つのタイルを取り除く」という条件が入った瞬間に難しく見えますが、これは最後に処理すればいい話です。複数のことを同時にやろうとすると、数学ではごちゃまぜになります。まずは抜く前の、すき間なく敷き詰めた状態で「共通な辺」の数を数えるのが近道です。
3. 共通な辺の数を式にする(抜く前)
n×nの正方形をイメージします。例としてn=4で考えてみましょう。
横方向に注目すると、1つの行に共通な辺が(n−1)個ずつ並んでいて、それがn行分あります。つまり横方向だけで
n×(n−1)個
縦方向も同じ理屈で数えると、こちらも
n×(n−1)個
横と縦、それぞれ同じ数だけあるとわかったので、合わせると共通な辺の総数は
2n(n−1)
という式になります。
4. タイルを1つ取り除いた分を引く
ここでようやく「1つのタイルを取り除く」という条件を使います。4つの辺がすべて他のタイルと接しているタイルを1つ抜くと、そのタイルが持っていた4本の共通な辺が、すべて「共通な辺」でなくなります。
だから、白い丸シールの枚数は
2n(n−1) − 4
という式になります。この式さえ作れてしまえば、あとは代入するだけです。
5. (1) n=5のとき
式にn=5を代入します。
2×5×(5−1)−4 = 2×5×4−4 = 40−4 = 36
答え:36枚
6. (2) 共通な辺が308枚のとき
同じ式に308を当てはめて、方程式として解きます。
2n(n−1)−4 = 308
展開して整理すると
2n²−2n−4 = 308
両辺を2で割ると
n²−n−2 = 154
n²−n−156 = 0
かけて156、足して−1になる2つの数を探します。12×12=144で近い数字なので13×12を試すと156。差が1の12と13が使えて、符号を考えると13と−12です。
(n−13)(n+12) = 0
n = 13, −12
問題文で「nは3以上の整数」と決まっているので、n=−12は不適。
答え:n = 13
7. 検算——答えの吟味
答えが出たら、必ず元の式に戻して確かめます。n=13を代入すると
2×13×(13−1)−4 = 2×13×12−4 = 312−4 = 308
問題文の308に一致しました。n=13で正しいことが、これで確かめられました。
8. よくあるつまずき
つまずき①:複数の条件を同時に処理しようとする
「タイルを敷き詰める」「1つ取り除く」を同時に考えようとすると混乱します。まず抜く前の状態で式を作り、あとから引き算で調整するのが安全です。
つまずき②:n×(n−1)が何を数えているか見失う
これは「1列あたりの共通な辺の数(n−1個)×列の数(n個)」を表しています。実際に小さいnで図を描いて数えてみると、式の意味がつながります。
9. FAQ
Q. なぜ2倍するの?
共通な辺には「横方向」と「縦方向」の2種類があり、どちらも同じn(n−1)個ずつ存在するからです。片方だけ数えて2倍する、という発想が近道になります。
Q. なぜ4を引くの?
取り除いたタイルは、もともと4本の辺で他のタイルと接していました。取り除くと、この4本が「共通な辺」でなくなるため、全体から4を引きます。
Q. こういう規則性の問題は他にも同じ考え方で解ける?
同じです。「まず一番シンプルな状態(今回は抜く前)で式を作り、あとから条件を1つずつ足し引きする」という手順は、ほかの規則性の文章題にも使えます。数字が変わっても、この骨格は変わりません。
10. まとめ
・複数の条件は同時に処理せず、まず抜く前の状態で数える
・共通な辺は横と縦それぞれn(n−1)個、合わせて2n(n−1)
・タイルを1つ抜くと4本の共通な辺が消える→2n(n−1)−4
・(1)はn=5を代入するだけ、(2)は二次方程式として解く
・答えが出たら式に戻して検算する
この問題は、Lafの公式LINEに実際に届いた質問をもとに動画で解説したものです。「この問題がわからない」「解説を読んでもピンとこない」という問題があれば、公式LINEから気軽に送ってください。授業のように、その場で一緒に解いていきます。
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