
回転移動の問題で、「△DEFをあと何度回すと△ABCに重なりますか」ってやつが分かりません。三角形が2つもあって、角度もいくつも出てきて、どこを見ればいいのか頭がごちゃごちゃになります。

その気持ち、すごく分かる。三角形まるごとで考えようとするから混乱するんだよね。コツは「三角形」で考えるのをやめて、中心Oと対応する2点だけのシンプルな図に描き直すこと。今日はその考え方を、順番にほどいていきましょう。
回転移動は、図がにぎやかで情報が多く見える単元です。でも、見るべきポイントを1か所にしぼってしまえば、やることはとても単純な引き算になります。今日はその「しぼり方」を、実際の問題で身につけていきますね。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
今回の問題
> 下の図で、△DEFは△ABCを回転移動したものである。次の問いに答えなさい。
> (1) 回転の中心はどの点ですか。
> (2) 辺EFと長さが等しい辺をいいなさい。
> (3) ∠FDEと等しい角をいいなさい。
> (4) 線分OFと長さが等しい線分をいいなさい。
> (5) ∠EOBと等しい角をすべていいなさい。
> (6) ∠FOC=120°のとき、△DEFを同じ方向にあと何度回転移動すると、△ABCに重なりますか。
この記事でメインに解説するのは(6)です。まず前提として(1)〜(5)を軽くおさえてから、いちばんつまずきやすい(6)をじっくり見ていきます。
前提:回転移動の性質を(1)〜(5)でおさらい
(6)を解く土台になるので、(1)〜(5)を先にサッと確認します。ここが分かっていないと(6)でごちゃごちゃになる、と授業でも念を押しているところです。
回転移動では、もとの図形と移動後の図形は、まったく同じ形・同じ大きさです。今回は△ABCを回転させて△DEFができているので、頂点の対応はこうなります。
A → D、B → E、C → F
この対応さえつかめば、(1)〜(5)は性質を当てはめるだけです。
- (1) 回転の中心 … 点O
- (2) 辺EFと等しい辺 … 対応する辺は 辺BC(Eに対応するのがB、Fに対応するのがC)
- (3) ∠FDEと等しい角 … 対応する角は ∠CAB
- (4) 線分OFと等しい線分 … 中心Oから対応する点までの長さは等しいので 線分OC
- (5) ∠EOBと等しい角 … 回転した角度はどの頂点でも同じなので ∠DOA と ∠FOC
(5)がとくに大事です。A→D、B→E、C→F のどれも「同じ角度だけ」回転しているので、次の関係が成り立ちます。
∠EOB = ∠DOA = ∠FOC
つまり、回転した角度は3つの頂点のどれで見ても同じ。この事実が、(6)を解くカギに直結します。
核となる考え方:対応する頂点で「回った角度」を見る
(6)の問題文をもう一度読みます。
> ∠FOC=120°のとき、△DEFを同じ方向にあと何度回転移動すると、△ABCに重なりますか。
ここで、多くの子が「三角形DEFを三角形ABCに重ねる」と考えて、三角形2つをにらめっこして固まってしまいます。でも、さっきの(5)を思い出してください。
回転移動は、対応する1組の頂点だけを見れば、回った角度がまるごと分かります。
Cが回ってFになった。その回った角度が∠FOC=120°。三角形全体も、まったく同じ120°だけ回っています。だったら、三角形をまるごと考える必要はありません。中心Oと、対応する2点(今回はCとF)だけに注目すればいいのです。
問題は「△DEFを同じ方向に、あと何度回せば△ABCに重なるか」。これは頂点で言いかえると、「Fを同じ方向に何度回せば、もとのCの位置に戻るか」と同じ意味になります。
解法:3ステップで解く
ステップ1:対応する頂点を確認する
まず、どの頂点とどの頂点が対応しているかをはっきりさせます。今回は、
A → D、B → E、C → F
このうち、問題で角度が分かっているのは∠FOC。だから、CとFのペアを主役にして考えます。「Cが回ってFになった」という関係を、ここでしっかり固定しておきます。
ステップ2:シンプルな図に描き直す
ここが今日いちばん伝えたいところです。三角形が2つある図をそのままにらむのではなく、いらない情報を消して、中心Oと点C・点Fだけの図にかき直します。
手を動かして、こう描いてみてください。
- まん中に中心Oをかく
- Oから点Cへ線を引く
- Oから点Fへ線を引く
- その間の角(∠FOC)に「120°」と書きこむ
これだけです。三角形DEFも三角形ABCも、いったん忘れてかまいません。今つかむべき情報は「Oを中心に、CからFへ120°回した」——たったこれだけです。図をシンプルにするほど、次にやることが見えてきます。
ステップ3:一周360°から、回った分を引く
シンプルな図で見ると、Cが120°回ってFの位置に来ています。問題が聞いているのは、そのFを、同じ方向にあと何度回せばCの位置に戻るか。
ここで思い出すのが、1周は360°だということ。Cから同じ向きにぐるっと1周すれば、360°でCの位置に戻ってきます。すでに120°分はCからFへ回ってしまっているので、Fから残りを回れば1周が完成します。だから、
360° − 120° = 240°
答えは 240° です。三角形2つでにらめっこしていたときの難しさが、うそのようにシンプルになりましたね。
検算:本当に重なるか確かめる
出した答えが正しいか、逆算で確かめます。
Fの位置は、もとのCから同じ方向に120°回ったところ。そこからさらに240°回すと、
120° + 240° = 360°
ちょうど1周ぶんになります。1周まわればCは完全にもとの位置に戻り、三角形DEFも回転前の△ABCにぴったり重なります。「すでに回った分」と「これから回す分」を足して360°になっていれば正解、という確認のしかたも覚えておくと安心です。
よくあるつまずき
その1:対応する頂点を勘違いする
いちばん多いのがこれです。A→D、B→E、C→F の対応をあいまいにしたまま、ちがう頂点のペアで角度を考えてしまうと、式そのものがずれてしまいます。回転移動の問題は、まず対応する頂点を書き出す——ここを飛ばさないだけで、正答率がぐっと上がります。
その2:複雑な図のまま考えて混乱する
三角形2つが重なった図を、そのまま頭の中でぐるぐる回そうとすると、どこがどこに移ったのか分からなくなって手が止まります。授業でも言っているのですが、こういう問題は思いきって情報を捨てて、中心と対応する2点だけの図にかき直すのが正解です。ごちゃっとしたら、まずシンプルに描き直す。この一手間をおしまないことです。
その3:360°から引くのを忘れて、そのまま120°と答える
聞かれているのは「あと何度回すか」であって、「もう回った角度」ではありません。すでに回った120°をそのまま答えにしてしまうミスが目立ちます。「あと何度で1周が完成するか」を、360°から引いて求める、と手順で覚えておきましょう。
FAQ
Q. なぜ「同じ方向に」と書いてあるのですか?
A. 回し方には時計回りと反時計回りの2通りがあるからです。もし逆向きに回してよいなら、120°だけ戻せば重なります。でも今回は「同じ方向に」と指定があるので、逆戻りは使えません。だから同じ向きにぐるっと回って、360°−120°=240°になります。「同じ方向」の一言は、答えを決める大事な条件です。
Q. ∠FOCが120°じゃなく、ちがう角度でも解き方は同じですか?
A. まったく同じです。回った角度が分かれば、360°からその角度を引くだけ。たとえば∠FOC=100°なら、360°−100°=260°が答えになります。数字が変わっても「360°から引く」という手順は変わりません。
Q. 三角形が2つあると、どこから手をつければいいか分かりません。
A. まず対応する頂点を書き出し(A→D、B→E、C→F)、角度が分かっているペアだけを取り出してください。今回なら∠FOCが分かっているので、中心OとC・Fだけの図にすればOK。三角形まるごとで考えず、1組の頂点にしぼるのがコツです。
まとめ
- 回転移動では、もとの図形と移動後の図形は同じ形・同じ大きさ。頂点は A→D、B→E、C→F で対応する
- 回った角度は、対応するどの頂点で見ても同じ(∠EOB=∠DOA=∠FOC)
- (6)の手順は3ステップ … ①対応する頂点を確認する ②中心Oと対応2点だけのシンプルな図に描き直す ③360°から回った分を引く
- ∠FOC=120°なら、360°−120°=240°
- 検算は「回った分+これから回す分」が360°になるか確認する
- 図がごちゃっとしたら、情報を捨ててシンプルに描き直すのが最大のコツ
回転移動は、対応する頂点さえおさえれば「にぎやかな図」が「ただの引き算」に変わる単元です。三角形2つで固まってしまったら、思いきって中心と2点だけに描き直してみてください。
Lafでは、こうした「見るポイントのしぼり方」を、いっしょに手を動かしながら整理していきます。分からないところを気軽に相談したい人は、公式LINEからどうぞ。
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