一次方程式の計算はできるのに、文章題になったとたん手が止まる——中1の数学で、いちばん多いつまずきです。
なかでも今回は少し毛色が違う「〇倍になる」タイプ。いつものように「=」でスッと結べず、片方を3倍してようやくイコールになる問題です。

AとBが1000円ずつ持ってて…方程式だから、それぞれ1000と1000で分ければいいんですか?

焦らないで大丈夫。文章題は最初にやることがいつも同じなんだ。まず「聞かれているもの」を見つけて、そこからスタートしよう。一緒に見ていこうか。
この記事では、公式LINEに実際に届いた問題を使って、買い物・残金の文章題の解き方を順番に説明します。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
1. 今回の問題
まず問題文です。
> AとBは、1000円ずつ持っていた。同じボールを、Aは2個、Bは1個買ったら、Bの残金はAの残金の3倍になった。このボール1個の値段を求めなさい。
同じボールを買ったのに、残ったお金に3倍もの差がつく——ここに「=の式」を作れるかどうかが勝負です。
2. 解く前に:文章題は「聞かれているものをxとおく」
計算を始める前に、いちばん大事な原則を先に言います。
文章問題が出てきたら、まず「聞かれているもの」をxとおく
これは今回だけの話ではなく、方程式の文章題すべてに共通する第一手です。授業でもいつもここから始めます。

文章問題が出てきたら…聞かれているものをxにする、ですよね?

そう、それ。知ってるのに、いざ問題を前にすると忘れちゃうんだよね。まずここを徹底しよう。
今回、聞かれているのは「ボール1個の値段」です。だから、
ボール1個の値段を x円 とする
とおきます。値段をxとおいたら、あとは言われていることを一つ一つ式にしていくだけです。
3. 3ステップで式を作る
ステップ1:Aの残金を式にする
Aは1000円持っていて、ボールを2個買いました。ボール1個の値段はx円なので、2個で2x円。
- Aの残金 = 1000 − 2x(円)
持っていた1000円から、買った分(2x)を引く。ここは素直ですね。
ステップ2:Bの残金を式にする
Bも同じように考えます。Bは1000円持っていて、ボールを1個買いました。1個だからx円。
- Bの残金 = 1000 − x(円)
ここまでは、多くの子がスラスラ書けます。
ステップ3:「3倍」をどちらにかけるか——ここが最大のポイント
問題は次です。「Bの残金は、Aの残金の3倍」。これを=の式にします。ここで多くの子がこう間違えます。
「3倍」と書いてあるほうを3倍してしまう

Aの残金の3倍だから…Bのほうを3倍する?

おっと、そこがワナ。もうちょっとゆっくり文章を読んでみようか。
コツは、「〜は」で区切って、そこに「=」を思い浮かべることです。
「Bの残金 は」——「は」が出たら、ここが「=」。
「Aの残金の3倍」——つまり、Aの残金を3倍したものが、Bの残金と等しい。
だから3倍するのは「Aの残金」のほうです。式にすると、
(1000 − 2x)× 3 = 1000 − x
「Aの残金 × 3 = Bの残金」——これで方程式ができました。3倍する向きを間違えると、まったく別の答えになってしまうので、ここが今回の一番のポイントです。
4. あとは解くだけ
分配法則でかっこを外して、移項して解きます。1行ずつ見ていきましょう。
(1000 − 2x)× 3 = 1000 − x
3000 − 6x = 1000 − x
−6x + x = 1000 − 3000
−5x = −2000
x = 400
xはボール1個の値段だったので、
答え:ボール1個の値段は400円
5. 検算——答えが本当に「3倍」になっているか
答えが出たら、必ず問題文にあてはめて確かめます。ボール1個400円として、2人の残金を計算してみましょう。
| 持っていたお金 | 買った金額 | 残金 | |
|---|---|---|---|
| A | 1000円 | 400×2=800円 | 200円 |
| B | 1000円 | 400×1=400円 | 600円 |
Bの残金600円は、Aの残金200円のちょうど3倍。問題文の「Bの残金はAの残金の3倍」とぴったり一致しました。ここまで確かめられると満点の答案です。
6. よくあるつまずき2つ
つまずき①:3倍する向きを逆にする
いちばん多いミスです。「3倍」と書いてある側(B)を3倍したくなりますが、正しくは「Aの残金を3倍したものがBの残金」。「〜は」を見つけて=を思い浮かべ、そこから文章を読むのがコツです。
つまずき②:最初に「1000と1000で分ける」
「2人とも1000円だから」と、いきなり左右に1000ずつ置こうとする子がいます。でも文章題の一手目は数字を並べることではなく、聞かれているもの(ボールの値段)をxとおくこと。ここを飛ばすと式が組み立てられません。
Q. いつもは=で結べたのに、今回だけ3倍が出てきて混乱します
そこが今回の特殊なところです。ふだんの文章題は「AとBが等しい」でそのまま=で結べることが多いのですが、今回は片方を3倍して、ようやく=になるタイプ。「〇倍になる」と書いてあったら、全体を〇倍するのを忘れないでください。
Q. ほかの「〇倍」の問題も同じ解き方でいい?
同じです。「兄の年齢は弟の3倍」「大人の人数は子どもの2倍」など設定が変わっても、「〜は」で=を思い浮かべ、少ないほうを〇倍するという骨格は変わりません。倍数条件を式にする見方は、高校入試までずっと使えます。
7. まとめ
・文章題の一手目は「聞かれているもの」をxとおく
・言われていることを一つ一つ式にする(Aの残金・Bの残金)
・「〜は」を見つけて、そこに「=」を思い浮かべる
・「Aの残金の3倍」なら、3倍するのはAのほう
・答えが出たら検算。本当に3倍になっているか確かめる
この問題は、Lafの公式LINEに実際に届いた質問をもとに動画で解説したものです。「この問題がわからない」「解説を読んでもピンとこない」という問題があれば、公式LINEから気軽に送ってください。
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