先日、Lafの公式LINEに、こんな質問が届きました。

一次関数のバスの問題なんですけど…「交点を求めればいい」って解説には書いてあって、その通りにやったら答えは合いました。でも、なんで交点なのかがモヤモヤして気持ち悪いです。

いい質問だね。それ、答えが合ってても放っておくとテストで応用が効かなくなるやつ。今日はそのモヤモヤを一緒に消していこう。「交点=すれ違う瞬間」がなぜイコールなのか、ここが今日のいちばん大事なところだよ。
このモヤモヤ、実はすごく大切なサインです。「やり方は分かるけど、なんでそうなるのか分からない」まま進むと、少し問題の形が変わっただけで手が止まってしまうんですね。逆に、ここさえ腑に落ちれば、この手の問題は一気に得意分野になります。
今日はこの1問を題材に、一緒に「気持ち悪さゼロ」で解けるようにしていきましょう。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
今日解く問題
> 右のグラフは、A町とB町の間の同じ道を運行するバスの様子を表したものです。A町を9時に出発したバスとB町を9時10分に出発したバスがすれちがうのは、何時何分ですか。またそれはA町から何kmのところですか。
グラフを整理すると、こうなっています。
- バスA(A町発・赤い線):9時ちょうどに出発。原点 (0, 0) から出て、75分後に (75, 30)、つまりB町(30km地点)に到着します。
- バスB(B町発・青い線):9時10分に出発。(10, 30) から出て、60分後に (60, 0)、つまり10時ちょうどにA町(0km地点)に到着します。
横軸(x)は「9時からの経過時間(分)」、縦軸(y)は「A町からの距離(km)」です。まずはこの読み取りを、あわてず丁寧にやっておくのがコツですよ。
いちばん大事な考え方:すれ違う=「同じ時間に同じ場所」
さて、冒頭の質問に戻ります。「なんで交点なの?」への答えです。
2台のバスがすれ違うというのは、同じ時刻に、同じ場所に、2台がいるということですよね。道ですれ違う瞬間を思い浮かべてください。窓の外にもう1台のバスが見えた、その瞬間——2台は「同じ時間(x)」に「同じ場所(y)」にいます。
グラフの世界では、
- 「時間が同じ」= x が同じ
- 「場所が同じ」= y が同じ
この「x も y も同じになる点」こそが、2本の直線が交わる点、つまり交点なんです。

だから「交点を求める」んじゃなくて、「同じ時間・同じ場所になる瞬間」を探したら、それがたまたま交点だったという順番なんだよ。ここが逆さまだと、ずっとモヤモヤしたままになる。
この順番で理解できると、「なんで交点なの?」はもう出てきません。では、その交点を実際に求めにいきましょう。手順は3ステップです。
ステップ1:バスAの式を作る
バスAは原点 (0, 0) から出発しています。原点を通る直線なので、切片は0。式は `y = ax` の形です。
あとは傾き a を求めるだけ。傾きは「yの増加量 ÷ xの増加量」で出ます。バスAは (0, 0) から (75, 30) へ進むので、
傾き = 30 ÷ 75 = 2/5
よって、バスAの式は次のようになります。
y = (2/5)x
ステップ2:バスBの式を作る
バスBは (10, 30) から (60, 0) へ、右下がりに進みます。同じように傾きを求めましょう。
傾き = (0 − 30) ÷ (60 − 10) = −30 ÷ 50 = −3/5
右下がりなので傾きがマイナスになります。これで式は `y = −(3/5)x + b` の形。あとは切片 b を求めます。通っている点 (60, 0) を代入しましょう。
0 = −(3/5)×60 + b
0 = −36 + b
b = 36
よって、バスBの式は次のようになります。
y = −(3/5)x + 36
ステップ3:連立方程式で交点を求める
2本の式がそろいました。「同じ時間・同じ場所」= y が等しくなる瞬間を求めるので、2つの式の右辺をイコールで結びます。
(2/5)x = −(3/5)x + 36
xを左側に集めましょう。右辺の −(3/5)x を左に移項します。
(2/5)x + (3/5)x = 36
分母が同じ5なので、分子を足すだけ。2/5 + 3/5 = 5/5 = 1 です。
x = 36
xが求まりました。これは「9時から36分後」という意味なので、すれ違う時刻は9時36分です。
次に、この x を式に代入して y(場所)を出します。代入するのはどちらの式でもOKですが、シンプルなバスAの式 `y = (2/5)x` を使いましょう。
y = (2/5)×36 = 72/5 = 14.4
よって、A町から14.4km(72/5km)の地点です。
答え:9時36分に、A町から14.4kmのところですれ違う。
答えの吟味:本当に合ってる?
出た答えを、そのまま信じずにちょっと確かめてみましょう。この「検算のクセ」がある子は、テストでの取りこぼしがぐっと減ります。
x = 36 をもう一方の式(バスB)にも入れてみます。
y = −(3/5)×36 + 36 = −108/5 + 36 = −21.6 + 36 = 14.4
バスAで出した y も、バスBで出した y も、どちらも 14.4 で一致しました。ちゃんと「同じ時間(x=36)に、同じ場所(y=14.4)に、2台がいる」ことが確認できましたね。ここまでできれば安心です。
よくあるつまずき
同じ問題で、多くの子が引っかかるポイントを3つ挙げておきます。
- x(時間)と y(距離)を取り違える — 「何時何分?」と聞かれたら答えるのは x、「何km?」と聞かれたら答えるのは y です。せっかく計算が合っていても、ここで逆に書くと不正解になってしまいます。
- 傾きの符号ミス — B町発のバスは右下がりなので、傾きは必ずマイナス。「増加量」という言葉につられてプラスで計算しないよう気をつけましょう。
- 答えの単位・書き方 — x=36 は「36分」ではなく「9時36分」。y=14.4 は「A町から14.4km」。問われている形に直して答えるところまでが1問です。
よくある質問(FAQ)
Q. 代入する式は、AとBのどっちを選べばいいですか?
A. どちらでも答えは同じになります。迷ったら、切片がなくて計算がラクな式(今回はバスAの `y = (2/5)x`)を選ぶのがおすすめです。最後に、選ばなかった方の式でも検算すると完璧です。
Q. 分数の計算が苦手で、そこで止まってしまいます。
A. まずは傾きを「yの増加量 ÷ xの増加量」で分数の形にするところまでを、機械的にできるように練習しましょう。今回のように分母がそろっていれば、あとは分子を足し引きするだけです。分数そのものが不安な人は、そこだけ先に埋めておくと、一次関数がぐっとラクになりますよ。
Q. グラフが無くて、条件が文章だけで書かれていたら?
A. やることは同じです。「出発した時刻・場所」と「到着した時刻・場所」を2点の座標として書き出せば、あとは今日と全く同じ3ステップで解けます。まずは文章から座標を拾う練習をしてみてください。
動画でも解説しています
この問題を、実際に手を動かしながら解いていく様子を動画にまとめました。文字だけだと分かりにくいグラフの読み取りや、式を立てる手つきは、動画で見るのがいちばん早いです。あわせてどうぞ。
まとめ
・すれ違う=同じ時間に、同じ場所に、2台がいる。だから交点を求める
・ステップ1:それぞれのバスの式を作る(傾き=yの増加量÷xの増加量)
・ステップ2:2つの式をy=yでつないで連立→x(時刻)が出る
・ステップ3:xを代入してy(場所)を出す。最後にもう一方の式で検算
・答えは問われた形(「何時何分」「A町から何km」)に直して書く
「交点を求めればいい」を丸暗記するのではなく、なぜ交点なのかが言葉で説明できるようになると、一次関数の文章題はもう怖くありません。今日のバスの問題は、その感覚をつかむのにぴったりの1問でした。
Lafでは、こんなふうに「やり方」だけでなく「なんでそうなるの?」まで、生徒一人ひとりのモヤモヤに合わせて解説しています。今日みたいな質問は、公式LINEからいつでも気軽に送ってくださいね。一緒にモヤモヤを消していきましょう。
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