
図形はイメージできるんですけど、何を x とおけばいいのかが分からなくて、式が全然作れませんでした。

あるある。文章題でみんなが一番つまずくのは、まさにそこなんだよね。今日は順番に整理していこうか。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
今回の問題
今回いっしょに考えるのは、この問題です。
正方形の紙の4隅から、1辺が3cmの正方形を切り取ってふたのない直方体の箱を作ったら、体積は243cm³だった。もとの正方形の1辺の長さを、方程式をつくって求めなさい。
箱の形は頭に浮かんでいるのに、いざ式を書こうとすると手が止まる。この問題で一番よくある止まり方です。原因はだいたい同じで、「何を x とおくか」を決めないまま式を書こうとしているから。文章題の第一歩は、最終的に聞かれているものを x とおくこと。今回の問題文が最後に聞いているのは「もとの正方形の1辺の長さ」なので、そこを x とおいて進めます。
考え方の核: 聞かれているものをxとおく
式が作れないとき、多くの人は問題文に出てくる数字(今回なら3cmや243cm³)のほうから先に手をつけようとします。でも、順番は逆なんです。
①最終的に聞かれているものを x とおく → ②その x を使って、分かっている条件を式で表す
今回で言えば、①「もとの正方形の1辺の長さ」を x とおく → ②切り取ったあとの箱の縦・横・高さを x で表す、という流れになります。x を先に決めてしまえば、あとは図の情報を x の式に置き換えていくだけ。この順番が身につくと、面積の問題でも速さの問題でも、同じように手が動くようになります。
文章題が苦手だと感じている人ほど、「式を作るセンスがないから解けない」と思い込んでいます。でも、これはセンスの話じゃないんですよね。順番の話です。
ステップ1: 正方形の1辺をxとおく
もとの正方形の1辺の長さを x cm とおきます。
この紙の四隅から、1辺3cmの正方形を4つ切り取ります。そして、残った縁の部分を上に折り上げると、ふたのない箱ができあがる。まずはこの動きを、頭の中で1回やってみてください。「切り取る」と「折り上げる」の2つが見えていれば、次のステップの式は自然に出てきます。
ステップ2: 箱の底面と高さをxで表す
折り上げる前の正方形を、上から見てみます。1つの辺(長さ x cm)に注目すると、その両端から3cmずつ切り取られていますよね。だから、箱の底面の1辺の長さは
x − 3 − 3 = x − 6(cm)
になります。四隅を切り取ると、1つの辺は片側3cmと反対側3cmで、合わせて6cm短くなる。ここが今回の問題の山場です。
切り取ったのが正方形なので、底面も縦・横とも (x−6) cm の正方形になります。
そして箱の高さは、折り上げた部分の長さ、つまり切り取った正方形の1辺そのままで 3cm です。
ステップ3: 体積の式を作る
材料がそろったので、体積の式を作ります。直方体の体積は「底面積 × 高さ」なので、
(x−6) × (x−6) × 3 = 243
これが今回つくる方程式です。「体積は243cm³だった」という日本語の条件が、この1本の式に翻訳できました。図の情報を式に翻訳できたら、文章題としての仕事はほとんど終わりです。あとは計算していくだけ。
ステップ4: 二次方程式を解く
(x−6) × (x−6) × 3 = 243 の左辺を整理すると、
(x−6)² × 3 = 243
両辺を3で割って、
(x−6)² = 81
ここで右辺の81を見てください。81は9の2乗(9² = 81)です。左辺が2乗の形で、右辺も何かの2乗になっていたら、展開せずに平方根の考え方で一気に解けます。
ちなみに、ここで左辺を展開して x² − 12x − 45 = 0 の形にするのは間違いではありません。それでちゃんと x = 15 にたどり着けます。ただ、右辺の81が9²だと見抜けたときは、展開しないほうが計算の手数が少なくて済む、というだけの話です。
(x−6)² = 81 の両辺の平方根を取ると、
x − 6 = ±9
±を付け忘れる人がとても多いところなので、「プラスマイナス9」と口に出しながら書くくらいでちょうどいいです。あとは x について解いて、
x = 6 ± 9
ステップ5: 条件を確認して答えを選ぶ
x = 6 ± 9 を計算すると、答えの候補が2つ出てきます。1つは 6 + 9 = 15。もう1つは 6 − 9 で、負の値になります。
ここで、x がそもそも何だったかを思い出してください。x は「もとの正方形の1辺の長さ」でした。長さが負になることはありませんよね。さらに、その辺からは両端で合計6cm切り取っていて、残った底面の1辺(x − 6)も長さとして残っていないと箱になりません。つまり、
x − 6 > 0、つまり x > 6
という条件も必要になります。負の値のほうは、この条件からも外れるので、答えとして採用できません。答えの候補が出たら、その値が問題の場面として成り立つかを確かめる。文章題で点を落とさないための、最後のひと手間です。
条件に合うのは x = 15 だけなので、
答え: もとの正方形の1辺の長さは15cm
検算: x=15を代入して確かめる
出した答えを、もとの問題文に戻して確かめます。
x = 15 のとき、底面の1辺は x − 6 = 15 − 6 = 9(cm)。箱の高さは3cmでしたね。
体積は 9 × 9 × 3 = 243(cm³)
問題文の「体積は243cm³」とぴったり一致しました。x > 6 という条件も満たしています。ここまで見て、はじめて x = 15 が答えだと言い切れます。
検算は面倒に感じるかもしれません。でも、「合ってるのかな」と不安を抱えたまま次の問題に進むより、少し時間を使って確かめたほうが、そのあとの手が軽くなります。
よくあるつまずき
- 何を x とおくか決めないまま、図の数字だけで式を作ろうとしてしまう。先に「最終的に聞かれているもの」を x とおくのが順番です
- 底面の1辺を「x − 3」としてしまう。切り取るのは1つの辺の両端2か所なので、減るのは3cmではなく6cmです
- x = 6 ± 9 の2つの値を、そのまま両方とも答えにしてしまう。長さの条件(x > 6)を確認して、当てはまらないほうを外します
- 検算をせずに答えを出しっぱなしにしてしまう。代入して体積が243cm³になるところまで見ておくと安心です
FAQ
Q. どうして底面の1辺が「x−6」になるのですか?
A. 正方形の1つの辺(長さ x cm)の、両方の端から3cmずつ切り取っているからです。片方の端で3cm、もう片方の端でも3cm、合わせて6cm短くなります。だから x − 3 − 3、つまり x − 6 です。図に「3」を2か所書き込んでから式にすると、間違えにくくなります。
Q. (x−6)²=81 を、展開してから解いてはいけませんか?
A. 展開しても間違いではありません。答えも同じ x = 15 になります(x² − 12x − 45 = 0 を因数分解すると (x−15)(x+3) = 0 なので、x = 15 と x = −3)。ただ、右辺の81が9²だと見抜ければ、展開せずに平方根を使うほうが手数は少なく済みます。式の形を見てから解き方を選べるようになると、二次方程式はぐっとラクになります。
Q. x>6 という条件は、いつ考えればいいですか?
A. 答えの候補が出たタイミングで大丈夫です。方程式を解く前に条件だけ先に書いても、まだ数字が出ていないので比べようがありません。x = 6 ± 9 で候補が2つ出てから、「もとの正方形の1辺として成り立つのはどちらか」を見る流れが自然です。
この問題のポイント
- 文章題は「最終的に聞かれているもの」を x とおくところから始める
- 四隅からの切り取りは、1つの辺につき両端で合計6cm短くなる
- 体積=底面積×高さ の式を作れば、あとは二次方程式を解くだけ
- 右辺が何かの2乗に見えたら、展開せず平方根で解くと速い
- 答えが出たら、長さの条件に合っているかを確認する
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