空間図形の中に、さらに小さな立体ができている——見た瞬間に「うわ、ごちゃごちゃしてる」と手が止まってしまう。中1数学の空間図形で、とても多い悩みです。

三角すいの中にできた三角すいの体積を求める問題が苦手です。図がごちゃごちゃしていて、そもそもどこを底面にして、どこを高さにすればいいのかが分かりません。

あー、その気持ちすごくわかる。でもこの問題、実は「Dで3辺が垂直に交わっている」っていう1点に気づけたら、一気にラクになるんだ。しかも面積を直接計算しなくても、「比」を使えば一撃で出せる。今日はそこを一緒に見ていこう。
この記事では、公式LINEに実際に届いた問題を例に、垂直な3辺を軸にした底面・高さの選び方と、比を使って底面積を求める手順を順番に説明します。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
1. 今回の問題
まずは問題文です。
> 三角すいA-BCDがあり、AD=9cm、BD=10cm、CD=6cm、∠ADB=∠ADC=∠BDC=90°である。
> 点E, F, Gはそれぞれ辺AC, AD, BD上の点で、AE:EC=3:2、AF=4cm、BG=1cmとする。
> このとき、三角すいD-EFGの体積を求めなさい。
ポイントは∠ADB=∠ADC=∠BDC=90°の部分。点Dで、辺DA・DB・DCの3本が、おたがいに直角に交わっているという意味です。ここが今日の主役になります。
2. カギは「Dで3辺が垂直に交わっている」こと
三角すいの体積は、次の公式で求めます。
三角すいの体積=底面積×高さ×1/3
ここで大事なのが、どの面を底面に選んでもいいということ。底面を決めたら、その底面に垂直な方向の長さが「高さ」になります。
今回はDで3辺が垂直に交わっているので、三角形EFDを底面に選ぶと、残りの辺DGがそのまま「高さ」になってくれます。垂直な3辺があるからこそ、底面と高さがきれいに直角の関係で取れるわけです。

ごちゃごちゃした立体こそ、「垂直に交わっている3本の辺」を柱にして見るのがコツ。今回は底面をEFD、高さをDGにするよ。
「どこを底面にしよう」と悩む前に、まず直角に交わっている辺を探す。これが空間図形を攻略する入口です。
3. まず「高さ」を決める:DG=9cm
底面を三角形EFD、高さをDGと決めました。まずは求めやすい高さDGから出します。
点Gは辺BD上にあり、BD=10cm、BG=1cmです。DGは、BDからBGを引いた残りなので、
DG=BD−BG=10−1=9(cm)
あとで使うので、DFも先に出しておきます。点Fは辺AD上にあり、AD=9cm、AF=4cmなので、
DF=AD−AF=9−4=5(cm)

ここ、与えられた10や9をそのまま高さに使っちゃう子が多い。「引き算して残りを出す」のを忘れないでね。
4. 底面(三角形EFD)の面積は「比」で一撃
残るは底面=三角形EFDの面積です。ここが今日の山場。面積を直接は求めません。かわりに「比」を2回かけて出します。
まず、点A・C・Dでできる大きな三角形ACDを考えます。∠ADC=90°なので、底辺CD=6、高さAD=9の直角三角形です。その面積は、
三角形ACDの面積=6×9×1/2=27(cm²)
この27cm²を出発点にして、求めたい三角形EFDが「全体のどれだけを占めているか」を比で追いかけます。
① 点Eの比(AE:EC=3:2)を使う
点EはACを3:2に分ける点です。三角形ACDを、Dから点Eへの線で2つに分けると、三角形AEDと三角形CEDの面積比は、底辺の比AE:ECと同じ3:2になります。だから三角形AEDは、全体の 3/5 です。
三角形AED=27×3/5
② 点Fの比(DF:AD=5:9)を使う
次に、三角形AEDの中で、求めたい三角形EFDがどれだけを占めるかを見ます。点Fは辺AD上にあり、DF=5cm、AD=9cm。三角形EFDと三角形EADは、頂点Eを共有して底辺がFDとADなので、面積比はFD:AD=5:9。求めたい三角形EFDは、三角形AEDの 5/9 です。
三角形EFD=(27×3/5)×5/9
③ かけて計算する
あとはかけ算するだけ。ここで5がきれいに約分で消えるのが気持ちいいところです。
三角形EFD=27×3/5×5/9=27×1/3=9(cm²)
底面積は9cm²と出ました。
5. 体積を求める+答えの吟味
底面積9cm²、高さ9cm がそろいました。三角すいの体積公式にあてはめます。
三角すいD-EFGの体積=底面積×高さ×1/3
=9×9×1/3
=81×1/3
=27(cm³)
答えは27cm³です。
<検算> 点Dを原点にして、垂直な3辺DA・DB・DCをそれぞれ座標軸のように置いて確かめることもできます(発展)。E・F・Gの位置を座標で出して体積を計算しても、ぴったり27cm³になります。比を使った解き方が正しかったと確認できます。

面積を直接ゴリゴリ求めなくても、比を2回かけるだけで9cm²、そして体積27cm³。これが「比を使えば一撃」の意味だよ。
6. よくあるつまずき3つ
つまずき①:どこを底面にすればいいか分からない
今日の一番の関門です。図がごちゃごちゃしていると、底面選びで固まってしまいます。解決のカギは「垂直に交わっている辺を探す」こと。Dで3辺が直角に交わっているので、三角形EFDを底面にすれば、DGが自動的に高さになります。迷ったら、直角の関係が使える面を底面にしましょう。
つまずき②:比のかける向き・分数の上下を間違える
3/5 と 5/9、どちらも「求めたい三角形が全体のどれだけを占めるか」で分子を決めます。Eの側は3の方(3/5)、Fの側はDFの方(5/9)。ここでうっかり2/5にしたり4/9にしたりすると答えが変わります。「今かけている比は、どの三角形を全体の何分のいくつにしているのか」を、そのつど言葉にして確認してください。
つまずき③:高さの引き算や、最後の×1/3を忘れる
DG=10−1=9、DF=9−4=5のように、長さは引き算して残りを出すのを忘れずに。そして三角すいの体積は、最後に必ず×1/3をします(同じ底面・高さの三角柱の3分の1だからです)。底面積×高さで止めてしまうと、答えが3倍の81cm³になってしまいます。
7. FAQ
Q. どうして底面と高さを自由に選んでいいの?
三角すいの体積は「底面積×高さ×1/3」で決まり、どの面を底面にしても同じ体積になるからです。大事なのは「底面に対して垂直な長さ」を高さに取ること。今回はDで3辺が垂直なので、三角形EFDを底面にするとDGがちょうど垂直になり、高さとしてそのまま使えます。
Q. 比を使わずに、底面の三角形EFDの面積を直接求めることはできますか?
できます。相似や三平方の定理を使って辺の長さや高さを出せば、直接計算することも可能です(正攻法)。ただし計算が重くなりがちです。今回のように分けられる辺の比がわかっているときは、比を2回かけるほうが約分で一気に片づくので圧倒的にラクです。
Q. AF=4cmしか書いていないのに、DF=5cmはどこから来たの?
点Fは辺AD上の点で、AD全体が9cmです。AFが4cmなら、残りのDFはAD−AF=9−4=5cmになります。同じように、DGもBD=10cmからBG=1cmを引いて9cmと求めています。「全体−一部=残り」で出すのがポイントです。
8. まとめ
・Dで3辺が垂直に交わる三角すいは、どの面を底面にしても高さが「垂直な辺」でそのまま取れる
・今回は底面=三角形EFD、高さ=DG=10−1=9cm
・底面積は直接求めず「比」で:全体の三角形ACD=6×9×1/2=27cm²
・27×3/5×5/9=9cm²(5が約分で消えるのがポイント)
・体積=底面積×高さ×1/3=9×9×1/3=27cm³
・比のかけ算は「求めたい三角形が全体のどれだけを占めるか」で分子を決める
・三角すいだから、最後の×1/3を忘れない
この問題は、Lafの公式LINEに実際に届いた質問をもとに動画で解説したものです。「空間図形で底面と高さの選び方がわからない」「比を使う解き方の途中式が合っているか見てほしい」——そんなときは、公式LINEから気軽に送ってください。
無料のオンライン授業や自習室も開催しています。「わからない」を「わかった!」に、一緒に変えていきましょう。
あわせて読みたい



動画でくわしく確認する
この内容は、こちらの動画でくわしく話しています。
毎朝7:15から勉強相談ライブをやっています
オンライン学習塾Lafのおっしー塾長が、毎朝7:15からInstagramで中学生の勉強相談ライブを配信しています。
「やる気が出ない」「覚えられない」といった悩みに、その場でお答えします。
勉強の悩みを直接相談したいときは、公式LINEからどうぞ。無料でお答えします。


関連記事