テスト前にワークを何周もしたのに、いざテスト用紙を前にすると答えが出てこない。「自分って暗記力ないのかな」と落ち込んでいる中学生、そして「うちの子、社会がなかなか覚えられなくて」と心配している保護者の方へ。
こんにちは、オンライン学習塾Lafのおっしー塾長です。今日は「理科と社会が覚えられません、どうしたらいいですか」というご相談に答えていきます。結論から言うと、理科や社会は「覚える教科」ではなく「思い出す教科」です。覚え方をほんの少し変えるだけで、記憶の定着はまるで変わります。

テスト前にワークを何周もして、赤シートで隠して「よし覚えた」って思ったのに、テストになると出てこないんです…

わかる、その悔しさ。でも安心して。それ、暗記力のせいじゃないんです。やり方を変えれば、ちゃんと覚えられるようになりますよ。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
覚えられないのは「暗記力」のせいじゃない
まず、いちばん大事な前提から。「自分は暗記力がないんじゃないか」と不安になる人が多いのですが、実は暗記力に大きな個人差はありません。
わかりやすいのが電話番号です。自分の携帯番号やご自宅の番号、パッと言える人が多いですよね。あの長い数字の並びを覚えられているなら、あなたの暗記力はちゃんと働いています。安心してください。
ここで一つ、マーケティングの世界でも使われる「マジックナンバー7」という話をしておきます。人間はだいたい7つの数字までなら覚えられるのに、8個になった途端に急に覚えられなくなる、と言われています。だから電話番号もクレジットカードも銀行口座も、次のように区切られています。
- 電話番号 → 4桁ずつのまとまり
- クレジットカード番号 → 4桁ずつのまとまり
- 銀行口座番号 → 4桁ずつのまとまり
覚えやすいように、あえて小さなかたまりに刻んであるわけです。つまり、覚えられるかどうかは「頭のよさ」ではなく「入れ方・出し方」で決まります。差がつくのは「入れ方」よりも「出し方」の練習量なんです。
覚えられない原因は3タイプ
では、なぜテストの点に差が出るのか。原因は大きく3つのタイプに分かれます。自分がどれに当てはまるか、考えながら読んでみてください。
タイプ①:答えを見ればわかるけど、思い出せない
覚えたつもりなのに、問題を解くと出てこない。これは「思い出す練習(問題演習)」が足りていないパターンです。 → 対策はステップ③へ。
タイプ②:意味やストーリーがなく、丸暗記になっている
用語や年号を、意味もわからずそのまま覚えようとしている。これがいちばん多いタイプです。 → 対策はステップ①②へ。
タイプ③:復習のタイミングが悪い
一夜漬けだったり、そもそも復習をせずに放置している。勉強する努力はしているのに、復習だけがすっぽり抜けている。 → 対策はステップ④へ。
「答えを見れば思い出せる」と「自力で思い出せる」は、脳の中では別の作業です。ファミレスのメニューを見れば「あ、これ食べたことある」とわかるのに、「おとといの夕飯なんだった?」と聞かれると出てこない。あの感覚と同じです。テストで聞かれるのは、いつも後ろの「自力で思い出す」ほうなんですね。
1日で約7割忘れる。だから「翌日」がカギ
タイプ③に関わる大事なデータを紹介します。「エビングハウスの忘却曲線」という有名な研究があります。
これによると、今日覚えたことは、翌日には7割ほど忘れてしまう、と言われています。「えっ」と思いますよね。でも、これが人間という生き物です。ただし裏を返せば、対策もはっきりしています。
翌日にもう一度思い出す練習を1回入れるだけで、記憶の定着は大きく上がると言われています。忘れる前に、もう一度引っ張り出す。それだけで努力がムダになりません。
しかも理科・社会は、英語や数学と違って単元が独立しているという強みがあります。積み上げ式の英数と違い、苦手な単元だけをピンポイントで選んで覚え直せる。だから、どこからでも挽回できる教科なんです。
やってはいけない暗記法3つ
正しいやり方の前に、まず「やってはいけない暗記法」を3つ、はっきりお伝えします。心当たりがあったら、今日でやめましょう。
NG①:教科書やワークを「眺めるだけ」の反復
赤シートで隠して眺めるのも含みます。何もしないよりはマシですが、これだけだと弱い。「眺めるだけ」の反復は、入れているだけで出していないからです。手を動かして、軽く確認テストをするところまでやりましょう。
NG②:まとめノート作りで満足する
きれいなノートを作ること自体は悪くありません。でも、色ペンで線を引いて付箋を貼って…と作り終えた瞬間の達成感は、「覚えた」ではなく「写した」達成感です。手は動いていても、頭は休んでいる。きれいなまとめノートが完成した日ほど、覚えていないということが起きます。
NG③:徹夜の一夜漬け
記憶は寝ている間に定着します。だから寝ないで詰め込むのは、覚えた記憶を自分で消しているのと同じ。睡眠を削るのはいちばんもったいない方法です。
今日からできる「思い出す暗記法」5ステップ
ここが今日の心臓部です。理科も社会も効く、5つのステップで説明します。順番が大事なので、上から順にやってみてください。
ステップ①:流れ・意味をつかむ(音読)
いきなり用語を覚えようとせず、まず教科書を音読して全体の流れをつかみます。物語のあらすじを頭に入れるイメージです。
ステップ②:ストーリーで覚える(人に説明する)
用語を単品で覚えず、「誰が・なぜ・どうなった」のセットで覚えます。たとえば豊臣秀吉。「豊臣秀吉」という漢字だけを覚えるのは、画数も多くて苦痛ですよね。でも「農民から天下人になって、猿って呼ばれてて、織田信長の草履を懐で温めた人」というストーリーで覚えると、驚くほど頭に残る。脳は物語が大好物なんです。
覚えた内容を、お父さんお母さんに30秒で説明してみるのもおすすめです。声に出してアウトプットすると、知識がぐっと整理されます。
ステップ③:隠してテスト(思い出す練習)
ストーリーが自分の口で話せるようになったら、いよいよ隠してテスト。一問一答も使います。ここで大事なのは、一問一答は「入れる」教材ではなく「出す(思い出す)」道具だということ。答えを見る前に、まず3秒ねばって思い出そうとする。この「思い出そうとする瞬間」が記憶をつくります。
ステップ④:翌日にもう1回
これがめちゃくちゃ重要です。忘れる前に、翌日もう一度同じところをテストする。思い出した回数が、記憶をつくります。1週間で70個の単語を覚えたいなら、1日10個ずつではなく、1日70個を7回まわすイメージです。
ステップ⑤:図・地図・年表とセットで覚える
最後に、余裕があれば図とセットに。理科は図と用語を必ずセットで(用語だけ覚えても、図で聞かれると答えられません)。社会は白地図や年表に自分で書き込みながら覚えると、位置や順番ごと頭に入ります。
一つだけ強調させてください。流れをつかまずに暗記から入るのは、フォームを覚えずに素振りするのと同じです。私は昔テニスをやっていましたが、フォームがないまま素振りをブンブンしても意味がない。まずは型(流れ)をつかむ。その上で反復で定着させる。これが暗記の原理原則です。
ちなみに、英語も同じで「例文暗記」がおすすめです。単語だけを覚えるより、「I play tennis.」のように文ごと覚えると、意味のイメージも文法も一緒に身につきます。公式LINEで『例文暗記』と送ると、無料授業の案内が受け取れます。中2数学の連立方程式(文章問題)など、受けたい授業を自由に選べますよ。
追加したら『例文暗記』と送ってね。
理科と社会で、覚え方をどう変えるか
同じ「暗記」でも、教科によって少しコツが違います。
社会
- 歴史 → 流れで覚える(原因 → 出来事 → 結果を1セットに)。好きなドラマの人間関係の相関図を、覚えようとしなくても覚えているのと同じで、人物の相関図=流れがわかると用語が勝手にくっついてきます
- 地理 → つながりで覚える(気候 → 産業 → 暮らしを因果で結ぶ)
- 公民 → ニュースや身近な生活と結びつける
理科
理科には「暗記系」と「理解系」の2種類があります。
- 暗記系(生物・地学など) → 図と用語をセットで覚える
- 理解系(物理・化学など) → 「なぜそうなるか」を1行で言えるか確認する
理解系こそ、実はストーリーが効きます。たとえば「雲のでき方」。丸暗記しようとすると大変ですが、流れで追うとこうなります。
- 日差しで地面が温められる → 地表近くの空気が温まる
- 温まった空気は軽くなって上へ上がる
- 上空は気圧が低いので、空気が膨張する
- 膨張すると温度が下がる
- 冷えた空気の中の水蒸気が水や氷のつぶになる → これが雲
一つひとつ「なぜ次が起きるのか」でつながっているので、流れさえ言えれば、暗記する量が一気に減ります。理科の理解系は「なぜ」を1行で言えるかどうかが勝負です。
夏休みは、理科・社会を仕込む最高のタイミング
夏休みは、理科・社会を挽回する絶好のチャンスです。前でも触れたとおり、理社は単元が独立しているので、1学期にできなかった単元だけを選んで直せます。
1日15分×40日あれば、1・2年生の歴史の流れをひととおり1周できます。毎日同じ時間に固定枠をつくるのがコツです。中3生は英数を優先しつつ、理社は食後や寝る前の15分の「スキマ枠」で回すと無理がありません。
1日1時間を夏休みずっと続ければ、それだけで約40時間。これは1学期の1教科ぶんの授業時間に匹敵します。小さな積み重ねが、9月に大きな差になります。
【保護者の方へ】暗記は「問題を出す係」がいちばん効く
ここは保護者の方に向けたワンポイントです。
まず、やめてほしいのが「暗記くらい自分でやりなさい」という声かけ。本人は「眺める反復」を努力だと思っているので、これは努力そのものを否定する形になってしまいます。
おすすめは、お父さんお母さんが「問題を出す係」になること。夕飯のときに一問一答を持って「はい、これ何?」と聞くだけでいい。中身を知らなくても大丈夫です。お子さんが答えられたら「おー、すごいじゃん」と一言。それだけで、お子さんは毎晩「思い出す練習」をしていることになります。
逆に、お子さんに「これ教えて」と頼むのも効果的です。人に教えると、何が大事で何が枝葉かの「勘どころ」がつかめて、いちばん記憶に残ります。思い出せた瞬間に自然と褒められるので、親子のコミュニケーションも増えていきますよ。
よくある質問(FAQ)
Q. 何回書けば覚えられますか?
回数そのものより「思い出した回数」が大事です。書き写すだけの10回より、隠して思い出す3回のほうが効きます。
Q. 語呂合わせはあり?
ありです。ただし「最後のひと押し」用。まず流れと意味を入れてから使いましょう。
Q. 歴史漫画やYouTubeで勉強するのはあり?
流れをつかむ入口としては最強です。ただし見て終わりにせず、見た後に30秒、自分の言葉で説明してみてください。
Q. 暗記アプリと紙、どっちがいい?
続くほうでOKです。仕上げだけは紙に書いて、漢字まで正しく書けるか確認しましょう。
Q. 覚えられないのは病気なんでしょうか?
いいえ、違います。何度もお伝えしているとおり、これは方法の差です。やり方を変えれば、ちゃんと覚えられるようになります。
まとめ
理科・社会の暗記は、才能ではなく「やり方」です。今日のポイントを最後にまとめておきます。
- 理科・社会は「覚える教科」ではなく「思い出す教科」
- 「眺めるだけ」「まとめノートで満足」「一夜漬け」はやめる
- 流れ → ストーリー → 隠してテスト → 翌日にもう1回 → 図とセット、の5ステップ
- 思い出した回数が、記憶をつくる
- 保護者は「問題を出す係」になるのがいちばん効く
Lafでは、こうした「わかる覚え方」を実際の授業でお伝えしています。無料の授業も用意しているので、「試しに受けてみたい」という方はお気軽にどうぞ。
追加して『例文暗記』と送ると、無料授業の案内が受け取れます。中2数学の連立方程式(文章問題)など、受けたい授業を選べますよ。一緒にがんばっていきましょう。
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