「よし、やるぞ」と机に座ったのに、5分もしないうちに漫画が目に入って、気づいたらスマホを触っていて、いつの間にか1時間経っている——。家で勉強しようとすると、こんなことになっていませんか?
実は、家で勉強できない中学生はめちゃくちゃ多いんです。でも結論から言います。

家だと全然集中できなくて…やっぱり自分の意志が弱いのかな。

それ、意志の弱さじゃないよ。家が「休む場所」として脳に登録されているだけ。直すのは性格じゃなくて、環境の「設定」なんだ。
この記事では、「家で勉強できない」で悩む中学生に向けて、集中できない本当の原因と、今日からできる環境の作り方を順番に説明します。根性論や気合の話はしません。原因を整理して、具体的な対策を打っていきましょう。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
1. 家で勉強できないのは、意志の弱さじゃない
まず知っておいてほしいのは、脳が「場所」と「モード」をセットで覚えているということです。
ベッドに入ると眠くなる。食卓に座るとお腹がすいてくる。あれと同じで、脳は「ここは何をする場所か」を勝手にインプットしています。逆に、ベッドの上でスマホをいじったり漫画を読んだりしすぎると、脳が「ベッド=スマホを触る場所」だと覚えてしまって、今度は寝つきが悪くなる。それくらい、場所と行動の結びつきは強いんです。
だから、机の周りに漫画やスマホがある状態は、脳にとってそこが「遊ぶ場所」。集中できないほうがむしろ正常です。家で集中できないのは、あなたの性格の問題じゃなくて、環境の「設定」の問題。設定を変えれば、集中は作れます。
この記事では、まず原因を3タイプに分けて、そのあと今日からできる5ステップまで説明していきます。自分がどれに当てはまるか、考えながら読んでみてください。
2. 家で集中できない原因3タイプ
家で集中できないと言っても、その原因は人によって違います。よくあるのは次の3タイプです。皆さんはどれに当てはまりそうか、考えてみてください。
タイプ①:誘惑型
スマホ・漫画・ベッドが視界に入ってしまって、楽なほう・簡単なほうに流れてしまうタイプです。人間はどうしても楽な方向に流れる生き物なので、これは意志の問題ではありません。
スマホは、電源をオフにして机の上に置いてあるだけでも集中力が下がるというデータもあります。だから、我慢して手元に置くのではなく、隣の部屋・別の部屋に物理的に離してしまうのが一番です。前回のスマホの回でもお話ししましたが、意志力で戦うより、距離で勝つほうが確実なんです。
タイプ②:孤独型
学校では周りの人の目があるから集中できるのに、家だと自分ひとりでついサボってしまう——というタイプです。周りに頑張っている人が見えないと、頑張りの基準点が持てなくなる。これも自然なことです。このタイプは、後半の「誰かと一緒にやる」で解決していきます。
タイプ③:難易度型
これが意外と多くて、しかもほとんどの記事が触れていないところです。
家で集中できない理由が、集中力の欠如ではなく、そもそも解けない問題・ハードルの高い問題に手を出して止まっているケースです。ここで、いつもお話ししているモチベーションの公式を思い出してください。
> モチベーション = やれそう感 × やりたい感
モチベーションは、この2つの掛け算で成り立っています。「やりたい感」があっても、問題が難しすぎて「やれそう感」がゼロだと、掛け算だから全体もゼロ。そこで手が止まって、スマホや漫画に目移りしてしまうんです。
つまり、集中力が切れているように見えて、実は解けない問題の前で止まっているだけ。これは集中力の問題ではなく「戻る場所」の問題です。対処法(どこまで戻るか)は、あとで触れます。
そしてもう一つ、「やれそう感」を下げてしまう理由があります。それがいきなり長時間やろうとすること。普段勉強していない人が「今日は2時間やるぞ」と意気込んでも、2時間はハードルが高すぎます。おっしー先生も毎日仕事を頑張っていますが、「2時間ぶっ通しでやるぞ」と言われたら正直しんどい。これを10分・15分・25分と、自分にとってハードルの低いところまで落とすことが、とても重要です。
3. 集中力は、そもそも何分続く?
対策の前に、大事な前提をひとつ。皆さんは、集中力って何分くらい続くと思いますか? 90分でしょうか、120分でしょうか。
実は、高い集中力が続くのは15分ほど、継続的な集中でも40〜90分が限度と言われています(諸説あります)。さらに、9割ほどの中学生は集中が1時間もたないという調査もあるそうです。
ここで大事なのは、この数字を「脅し」で終わらせないこと。90分続かないのは、実はみんな同じです。だったら、割り算で考えればいい。
- 15分 × 4セット = 1時間
いきなり90分を目指す必要はまったくなくて、短く区切って積み重ねればいいんです。
そこでおすすめなのがポモドーロテクニック。25分勉強して5分休憩、これを繰り返す方法です(慣れていない人は15分からでもOK)。これが良いのには、2つ理由があります。
ひとつ目は、始めやすいこと。「1時間やるぞ」はきついけれど、「25分だけ」なら、とりあえずやってみようかなと思えます。
ふたつ目は、中途半端なところで休憩が入ること。これは物理でいう静止摩擦力と動摩擦力の話に似ています。止まっている物を動かし始めるときが一番エネルギーがかかって、動いている物を押し続けるのは意外と軽い。人のやる気も同じで、勉強していない状態から始めるのが一番エネルギーを使うんです。
25分でタイマーが鳴ったら、キリが悪くても一旦止める。すると「あれ、途中だったな」とそわそわして、5分後に戻ってきやすくなります。しかも、疲れ切る前に休憩を入れているから、集中力も回復しやすい。結果的に長く勉強できます。
逆に、やってしまいがちなNGがキリのいいところまでやってから休憩すること。キリよく終わると、そこで一度「停止」してしまって、また動き出すのに大きなエネルギーが必要になります。だから、あえてキリの悪いところで休憩に入るのがポイントです。
そして、この5分休憩の使い方も大事。休憩中は極力スマホを触らないほうがいいです。おっしー先生はこの5分で、腕立てやスクワットなどの軽い筋トレをしています。体を動かすと代謝が上がって血流が良くなる。脳も細胞なので、エネルギー源であるブドウ糖を運ぶ血流が良くなると、集中力が維持しやすくなるんです。
ちなみに「エモーションはモーションから」という言葉があります。感情(エモーション)は直接コントロールしづらいけれど、行動(モーション)はコントロールできる。深呼吸をする、走って心拍数を上げる——こうして体を動かすと、気分のほうが後からついてきます。落ち込んだときやモチベーションが上がらないときに、軽く動いて汗をかくとリフレッシュできるのは、こういう仕組みです。
4. やってはいけない対策3つ
正しいやり方の前に、やってはいけない対策を3つ挙げます。心当たりがある人は要注意です。
- 「今日こそ集中するぞ」と気合だけで机に向かう……気合で解決するものは何もありません。仕組みで解決していきましょう。まず自分がどのタイプかを見極めて、原因に対策を打つ。集中できないのは能力が足りないからではなく、方法と環境の問題です
- いきなり長時間、部屋にこもる……集中力は長くもたない、という話はもうしましたね。いきなり90分こもっても続きません
- スマホを手元に置いたまま我慢する……これも根性論です。スマホは隣の部屋に置きましょう
気合・長時間・我慢——この3つは、どれも「意志の力」で戦おうとしている点が共通のNGです。意志ではなく、仕組みと距離で解決していきます。
家の中に充電基地を作るのもおすすめです。自分の部屋ではなく、リビングなど共通の1か所で充電するようにする。これは保護者の方にもお願いしたいところで、お子さんにだけ「そこで充電しなさい」と言うのではなく、家族みんなで同じ場所に置くようにすると、うまくいきやすいです。
5. 今日からできる「集中できる家」の作り方5ステップ
ここからが本題です。5つのステップで、家を集中できる環境に変えていきます。
ステップ①:机の上を「今やる1教科」だけにする
まず、今やる1教科を選んで、それ以外のものを机から全部どかします。「今日はこれしかやらないぞ」というものだけを机に置く。教科書・ノート・筆記用具以外は視界から外してしまいましょう。机の上の環境を整える、これが第一歩です。
ステップ②:スマホは充電基地へ置きに行く
スマホは、リビングなどの充電基地に置きに行きます。手元にあると、電源を切っていても集中力が下がる。物理的に別の部屋へ離すのが確実です。
ステップ③:時間ではなく「最初の1問」から入る
「今日は90分やるぞ」と時間で決めるのではなく、まず最初の1問からやる。人のやる気には作業興奮というものがあって、作業を始めた後からやる気が出てきます。やる気が出てから始めるのではなく、始めるからやる気が出る、という順番です。
特におすすめなのが、昨日の復習の1問から始めること。昨日できていた内容なら「これならやれそう」と思えて、やれそう感が上がります。もちろん「25分だけ」とハードルを低く設定しておくのも良いですが、まずは1問。ここから入りましょう。
ステップ④:場所のスイッチを作る
休憩するのはこの部屋、ご飯を食べるのはこの部屋、勉強するのはこの部屋——というふうに、行動と場所をセットにします。
一番良くないのは、同じ場所でスマホも勉強もご飯も全部やること。脳が「ここは何をする場所か」を判断できなくなって、切り替えができなくなります。部屋がそんなにたくさんない、という場合は、1つの部屋の中でも「この区画では勉強以外しない」「この区画では休憩しかしない」というふうに、区画で区切るだけでも効果があります。ちょっとずらすだけでいいので、場所でリセットしていきましょう。
ステップ⑤:誰かと一緒にやる
ひとりで無理なら、他人の力を借りましょう。お父さんお母さんと一緒に勉強する、兄弟と一緒にやる、友達と時間を合わせる——どれでもOKです。
Lafでもオンライン自習室を開催しています。25分勉強して5分休憩、というポモドーロのタイマーを流しながら、みんなで一緒に勉強しています。ひとりだとサボっちゃうという人は、こういう場を使うのも手です。大事なのは、「いつ入るか」時間を決めて、その時間に始めること。始めさえすれば、作業興奮でモチベーションは後からついてきます。
ちなみに、この朝ライブも毎朝7時15分から配信しています。これをラジオ感覚で流しながら「よし勉強始めるぞ」と使ってもらうのも、習慣づくりには効果的です。
【特典】ひとりだと続かない人へ
「ひとりだとどうしてもサボってしまう」「頭では分かっても、行動に移すのが難しい」という人へ。
Lafのオンライン自習室に無料で参加できます。公式LINEに「集中」と送ってください(キーワードは「集中」の2文字です)。入りたい日にちと時間を送ってもらえれば、個別にご案内します。25分勉強して5分休憩のリズムを、一緒に作っていきましょう。
さらに、おっしー先生が教える無料の体験授業も3回受けられます。「難易度型」で止まっている人向けに、数学の戻る場所の対応表(今どの単元でつまずいていて、どこまで戻ればいいかが分かる表)もお渡ししています。
追加したら「集中」と送ってね。自習室のご案内をお届けします。
6. 家で無理なら、外という選択肢もある
どうしても家で集中できない日は、無理に家にこだわらず、外の場所を使うのも一つの手です。中学生の多くが、家以外の場所でも勉強しているという調査もあります。代表的な選択肢を挙げておきます。
| 場所 | 向いているところ | 注意点 |
|---|---|---|
| 図書館 | 無料・静か・周りも勉強している | 席が埋まりやすい・私語がしにくい |
| 塾の自習室 | 質問できる・勉強モードに入りやすい | 通っている塾が必要 |
| 学校の図書室 | 通い慣れていて移動が楽 | 開いている時間が限られる |
| カフェ・ファミレス | 適度な生活音で集中できる人も | 長時間の利用マナー・費用 |
選ぶときの軸は、「長時間座れるか」「誘惑が少ないか」「質問できるか」の3つ。自分に合う場所を見つけておくと、家で乗らない日の逃げ場になります。
ただし、外の場所には移動の手間がかかりますし、天気が悪い日は行くのも大変です。だからこそ、家でも集中できる最小セット(机の上を1教科だけにする)は、必ず用意しておくことが大切です。
7. リビングと自分の部屋、どっちがいい?
「リビング学習と自室、どちらがいいですか」という質問もよくいただきます。
一般に、小学生はリビング学習をしている子が多く、中学生になるとリビングと自室が半々くらいに分かれていくと言われています(ある調査では小学生の約8割、中学生の約5割がリビング学習という結果もあります)。つまり中学生は、ちょうど移行期にあたります。
リビングの利点は、適度な生活音があること、そしてすぐに質問できること。一方で、テレビや兄弟の声が誘惑になるという欠点もあります。
結論を言うと、正解は子どもによります。大事なのは「実際に集中できた実績のある場所」を本人が選ぶこと。暗記や音読は自室、演習問題はリビング、というふうに教科で分けるのも良い方法です。いろいろ試して、自分が乗る場所を見つけてください。
8. 【保護者の方へ】環境づくりで親ができること
いつも聞いてくださっている保護者の方へ、ワンポイントアドバイスです。
まず、NGな声かけから。「集中しなさい」「スマホばっかり」——この2つは、できればやめてあげてください。言われた側は「うるさいな」となって、ほぼ確実に親子ゲンカに発展します。結末が見えていますよね。
代わりにおすすめなのが、お子さんの手が止まっていたら、こう聞くことです。
> 「今、どこで止まってる?」
もし勉強していないようなら「今日やるマストってなんだっけ?」と聞いてみてください。マストは「絶対に押さえる優先順位マックスの1つ」、ベターは「やれたらいいな」の2段階。この「今日のマストは何?」というヒアリングをしてあげるのが、いちばん効果的です。命令ではなく、ヒアリングに変える。これだけで返ってくる言葉が変わります。
環境面で、親にしかできないこともあります。
- 充電基地を家族ルールにする……お子さんにだけ「ここで充電しなさい」ではなく、親も一緒に同じ場所に置く
- テレビの時間を勉強枠とずらす……勉強しているそばでテレビがついていると、どうしても引っ張られます
- 同じ空間で親も本を読む・作業する……「監視」ではなく、背中で見せる。スマホ離れも、親が実践して見せてあげると説得力が増します
子どもの集中力を疑う前に、家の設定を疑ってあげてほしいんです。
9. よくある質問
Q. 音楽を聴きながらの勉強はアリですか?
合う・合わないがあるので一概には言えませんが、聴くなら歌詞のない曲がおすすめです。歌詞があると、そちらに頭を使ってしまうからです。一番のおすすめは、YouTubeで「ホワイトノイズ」と検索すると出てくる「ザー」という音や、雨の音・波の音などの自然音。おっしー先生も雨の音を流しながら作業しています。ただし、テスト本番の直前は無音で勉強するのがおすすめ。本番は無音でやることになるので、その環境に慣れておくためです。
Q. カフェや図書館ばかりで、家で全く勉強しないのは大丈夫ですか?
集中できる場所があること自体は、皆さんの強みです。ただ、移動には手間がかかりますし、天気が悪いと出かけるのも大変。だから、家でも集中できる環境(机の上を1教科だけにする最小セット)は、しっかり用意しておきましょう。
Q. 何分くらい勉強すればいいですか?
時間の長さより、「毎日固定の1枠を作ること」と「今日のマストを1つ決めること」のほうが大事です。いきなり長時間を目指さず、25分×何セット、という積み重ねで考えてください。
Q. 家で全然集中できないのは、病気ですか?
多くの場合は環境の問題で、設定を変えれば改善します。ただ、極端に集中が続かない・朝どうしても起きられないといったことが重なって続く場合は、念のため専門機関に相談してみるのも一つの選択肢です(自己判断で決めつけず、気になるなら相談を、くらいに考えてください)。
10. まとめ
・家で集中できないのは意志の弱さではなく、脳が家を「休む場所」と覚えているから
・原因は3タイプ。特に「解けない問題の前で止まっている(難易度型)」を見つけるのが大事
・集中力は15分ほど。90分を目指さず、25分+5分のポモドーロで積み重ねる
・環境づくりは5ステップ。①机の上を1教科に②スマホは充電基地へ③最初の1問から④場所のスイッチ⑤誰かと一緒に
・親の声かけは「集中しなさい」より「今どこで止まってる?」
家が悪いんじゃなくて、設定の問題。意志力で戦わず、距離で勝つ。そして、最初の1問から。この3つを意識するだけで、家での勉強はぐっと変わります。
「ひとりだと続かない」「どこまで戻ればいいか分からない」という人は、Lafの無料の授業やオンライン自習室を使ってみてください。前の学年に戻る復習授業を無料で開催しています。
追加したら「集中」と送ると、オンライン自習室のご案内と、数学の戻る場所の対応表が受け取れます。
毎朝7:15からは、Instagramで勉強の相談に答える朝ライブを配信中です。この朝ライブを聞きながら勉強を始める、くらいのラジオ感覚でも大丈夫。あなたの「これが知りたい」も、ぜひ送ってください。
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