二次方程式の計算そのものはできるのに、「解の一つが-4のとき」という条件がついたとたん、どこから手をつければいいのか分からなくなる。中3の二次方程式で、とても多いつまずきです。

(1)のaは何とか出せたんですけど、(2)で x²+16x+48=0 になってから止まりました。かけて48になる組み合わせを1×48、2×24…って順番に書き出していたら、テストの時間が全然足りなくて。

その書き出し、今回は1回もやらなくていいんだ。だって「解の一つは-4」って、問題文がもう教えてくれてるでしょ。そこを使えると、48の組み合わせ探しは丸ごと消える。順番に見ていこうか。
これは、Lafの授業でも公式LINEでもよく出てくるつまずきです。この記事では、条件からaを求めるところと、分かっている解を使って因数分解を一気に片づけるところを、順番に説明します。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
今回の問題
今回考えるのは、次の問題です。
> xについての二次方程式 x²+ax+3a=0 の解の1つが -4 のとき、
> (1) aの値を求めなさい
> (2) もう1つの解を求めなさい
xとaという文字が2つ出てくるので身構えてしまいますが、やることは決まった手順に落ちます。実際に解いていく様子は動画でも解説しています。手つきごと見たい人はこちらもどうぞ。
考え方の核: 「解」とは、代入すると成り立つ数
この問題を解くカギは、たった1つの意味の確認です。
「解」とは、その値をxに代入すると=0がちゃんと成り立つ数のこと。
たとえば「x=2が解」なら、その方程式のxに2を入れたとき、左辺が0になります。逆に言えば、解だと分かっている値は、遠慮なく式に代入していいということです。
今回は「解の1つが-4」と教えてもらっています。ということは、xに-4を入れれば式は必ず成り立つはず。文字aが残っていても関係ありません。これが(1)の突破口です。
分からない文字を消そうとするのではなく、分かっている条件をそのまま式に入れて、文字の正体を求めにいく。この発想の切り替えができると、このタイプは一気にラクになります。
ステップ1: x=-4を代入して、aの値を求める
x²+ax+3a=0 のxに、解である-4を代入します。
(-4)²+a×(-4)+3a=0
ここで気をつけるのは、xが入っている場所は「ax」だけではないということ。先頭の x² にも-4が入ります。計算すると (-4)²=16 です。マイナスの2乗なので、答えはプラスの16になります。
16-4a+3a=0
あとは、aの項どうしをまとめます。-4a+3a は、-4+3=-1 なので -a です。
16-a=0
これはもう、ただの一次方程式ですね。-aを右辺に移すか、16を移項するかはどちらでも構いません。
a=16
これが(1)の答えです。二次方程式に見えていた式が、解を1つ代入しただけで一次方程式に化けました。解が1つ分かっている問題は、まず代入。ここが今日いちばん伝えたいところです。
ステップ2: aを元の式にもどして、数字だけの式にする
a=16が分かったので、元の式 x²+ax+3a=0 にa=16を入れて、文字aを消します。
axの部分は16x、3aの部分は 3×16=48 です。
x²+16x+48=0
これで、aの消えたふつうの二次方程式になりました。ここからが(2)の本番です。
多くの人は、ここで「かけて48、足して16になる2つの数」を探しはじめます。48になる組み合わせは 1×48、2×24、3×16、4×12、6×8 と5通りもあるので、上から順に足し算を試していくと、それなりに時間がかかります。
でも今回は、探さずに済みます。
二次方程式の因数分解の裏技: 解が一つ分かっていれば組み合わせは探さなくていい
ここが、この問題のいちばんおいしいところです。
因数分解した形が (x+A)(x+B)=0 のとき、解は x=-A と x=-B になります。カッコの中を0にする値が解なので、符号がひっくり返るわけですね。
これを逆から読みます。今回は「解の1つが-4」と分かっています。ということは、
x=-4 になるカッコ、つまり (x+4) が因数の1つで確定
です。探すまでもなく、片方はもう手に入っています。
では、もう片方のカッコの中身は何か。(x+4)(x+□) を展開したときの定数項は 4×□ です。それが48なのだから、
48÷4=12
□=12
もう片方は (x+12) だと、割り算1回で決まりました。5通りの組み合わせを書き出す必要はどこにもありません。
(x+4)(x+12)=0
念のため、xの係数も合っているか見ておきます。4+12=16 で、たしかに x²+16x+48 の16と一致しています。定数項を割って求め、xの係数で答え合わせをする。この2手で因数分解が閉じます。

かけて48になる数を全部書き出すのは、「両方とも分からないとき」のやり方なんだ。今日は片方をもらってるんだから、割り算で一発。問題文がくれた情報は、必ずどこかで使えるようになってるよ。
なお、この裏技が使えないのは分かっている解が0のときだけです。0では割れないからですが、そのときは定数項も0になるので、共通因数のxでくくれば同じくらい速く終わります。
ステップ3: 解を書き出して、「もう1つ」を選ぶ
(x+4)(x+12)=0 から解を出します。かけて0になるのは、どちらかのカッコが0のときです。
x+4=0 より x=-4
x+12=0 より x=-12
x=-4, -12
2つ出そろいました。このうち x=-4 は、問題文が最初から教えてくれていた「1つ目の解」です。
(2)が聞いているのは「もう1つの解」。ですから答えは、もう片方の
x=-12
になります。せっかく計算が合っていても、答える解を取り違えると×になってしまいます。最後にどちらが「もう1つ」なのかを必ず確認してください。
検算: 本当に成り立つか、元の式にもどして確かめる
出た答えは、必ず元の式にもどして確かめます。テストで見直す時間が30秒あれば、これだけはやる価値があります。
まず、(1)で求めた a=16 と、はじめから分かっていた解 x=-4 の組。
(-4)²+16×(-4)+3×16
=16-64+48
=0
成り立っています。次に、(2)で求めた x=-12 を、同じ a=16 の式に入れます。
(-12)²+16×(-12)+3×16
=144-192+48
=0
こちらも0になりました。2つとも同じ式で0になったので、a=16 も x=-12 も正しいと確認できます。
答えの吟味としてもう一点。(1)の答えは数のa、(2)の答えは解のxで、聞かれているものが違います。解答欄に「a=16」「x=-12」と、何を答えたのかまで書いておくと、部分点を落としにくくなります。
よくあるつまずき
つまずき①: x²の項にも代入することを忘れる
いちばん多いのがこれです。x=-4を代入するとき、axの部分だけに-4を入れて、先頭のx²をそのまま放置してしまう。すると、
-4a+3a=0
-a=0
a=0
となって、a=0という答えが出てきます。ですが、a=0だと元の式は x²=0 になり、解は x=0 だけ。「解の1つが-4」という条件と食い違ってしまいます。答えが条件と矛盾したら、代入もれを疑うのが近道です。
同じ場所でもう1つ多いのが、(-4)²を-16としてしまう符号ミス。マイナスの2乗はプラスです。(-4)×(-4)=16 と、いったんかけ算の形にもどして書くと間違えにくくなります。xが顔を出している場所を、代入する前に指で数える。それだけで防げるミスです。
つまずき②: 48になる組み合わせを闇雲に探してしまう
x²+16x+48=0 まで来てから、1×48、2×24、3×16、4×12、6×8 と全部書き出して、そのたびに足して16になるかを試す。間違いではありませんが、今回はその作業が丸ごと不要です。
解の1つが-4だと分かっている時点で、(x+4)が因数だと確定しています。あとは 48÷4=12 の割り算1回で、もう片方は(x+12)。組み合わせを探すのは「両方とも分からないとき」のやり方で、今回は片方をもらっているのだから使う道具が違う、と考えてください。
数が大きくなるほど差が出ます。もし定数項が48ではなく144や180だったら、書き出す組み合わせはさらに増えますが、割り算1回で決まるという点は何も変わりません。
FAQ
Q. どうして「解が-4」だと、因数の一つが(x+4)だと言い切れるのですか?
A. (x+4)(x+12)=0 のように、かけて0になる式では「どちらかのカッコが0」です。x=-4のとき0になるカッコは、中身が x+4 のときだけ。だから解が-4なら、(x+4)というカッコが必ずどこかにある、と言えます。カッコの中身と解は符号が逆になる、と覚えておくと迷いません。
Q. 解の公式を使って解いてもいいですか?
A. もちろん大丈夫です。x²+16x+48=0 に当てはめると、根号の中は 16²-4×1×48=256-192=64 で、√64=8。
x=(-16±8)÷2
となり、(-16+8)÷2=-4、(-16-8)÷2=-12 で、同じ答えにたどり着きます。因数分解の形が見えないときの安全網として使えますが、今回のように片方の解が分かっている問題では、割り算1回で終わる因数分解のほうが速いです。
Q. (2)の答えに x=-4 も書いたら×になりますか?
A. 問題が「もう1つの解を求めなさい」と聞いているので、答えるのは x=-12 だけです。-4は問題文に書いてある既知の情報で、求めた答えではありません。ただし設問が「解をすべて求めなさい」であれば、x=-4, -12 の両方を書きます。何を聞かれているかで答え方が変わるので、問題文の最後の一文まで読む習慣をつけましょう。
まとめ
この問題のポイント
- 「解」とは、代入すると=0が成り立つ数。分かっている解は、そのまま式に代入していい
- 解の1つが-4なら x=-4 を代入。x²の項にも-4が入るので (-4)²=16 を忘れない
- 16-4a+3a=0 → 16-a=0 → a=16。二次方程式が一次方程式に化けるのがこの問題のうまみ
- a=16をもどすと x²+16x+48=0。ここで組み合わせを探しはじめない
- 解が-4なら (x+4) が因数で確定。48÷4=12 で、もう片方は (x+12)
- (x+4)(x+12)=0 → x=-4, -12。聞かれているのは「もう1つ」なので答えは x=-12
- 答えが出たら元の式に代入して、0になるかを必ず確かめる
「解が1つ分かっている」という条件は、解きにくくするための飾りではなく、近道を渡してくれている合図です。この型を一度つかんでおくと、定期テストでも入試の小問でも、手が止まる時間がぐっと短くなります。
解いてみて途中で止まってしまったところや、「この解き方で合っているか見てほしい」というときは、Laf先生の公式LINEから気軽に送ってください。オンライン学習塾Lafでは、無料のオンライン授業や自習室も開催しています。
「わからない」を「わかった!」に、一緒に変えていきましょう。
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