
半球の表面積の問題で、球の表面積の公式を半分にするところまでは行けたんです。でも答えを見たら、なんかπr²も足してあって、それがよく分からなくて。

そこまで出せているなら、もう答えは目の前だよ。足りないのは「半球のどこが表面なのか」を絵で見るところだけ。今日は一緒に、その足りない1つの面を確かめていこう。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
今回の問題
今回いっしょに考えるのは、この問題です。
右の図のような、半径が4cmの半球の表面積を求めよ。
図は、球をちょうど真ん中で切って、下半分だけを残したお椀の形です。半径は4cm。求めるのは体積ではなく表面積、つまりこの立体の「外側の面」を全部合わせた広さです。
この問題は、中1数学の「空間図形」の最後のほうに出てくる、球の表面積と体積の単元の定番です。球の表面積の公式を覚えたあと、その公式をどう使うかを試される問題で、テストや問題集では「半球」のほかに「球の4分の1」のような切り方でも出題されます。
今回の生徒さんは、球の表面積の公式まではきちんと言えていました。ところが答えを見ると、自分が出した式のほかに、もう1つ何かが足されている。「なんでそれを足すの?」で手が止まった、という相談でした。つまずきの正体は公式の暗記ではなく、半球の表面がどこにあるかの絵です。ここを押さえると、この問題はほとんど作業になります。
考え方の核: 半球の表面は2つの面でできている
まず、半球という立体をお椀だと思って、外側から指でなぞってみてください。
お椀の外側の丸い部分をなぞると、そのまま上のふちまで来ます。そこで指を止めずに、お椀の口の部分、つまり切り口の平らな円の上もなぞれます。ここも立体の外側です。空気にさわっている面なので、表面積に入ります。
つまり半球の表面は、次の2つの面でできています。
- 丸い部分(球の表面の半分)
- 切り口の円(平らな面)
動画の中で先生が「この球の表面積あるじゃん」「じゃなくて上の表面も円の部分も」「ここ表面にならん?」と聞いているのが、まさにこの場所です。球をまるごと使うときは切り口がないので、表面は丸い部分だけ。ところが半分に切った瞬間、切ったところに新しい面が生まれます。切ると面が増える。ここが今回の問題のいちばん大事な考え方です。
これを式の形にしておくと、こうなります。
半球の表面積 = 球の表面積 × 2分の1 + 切り口の円の面積
生徒さんが出せていたのは、この式の前半だけでした。後半の「切り口の円の面積」が答えに足されていたので、「なんかπr²も足してある」と見えたわけです。足す理由は、切り口の円も立体の表面だから。それだけです。
ステップ1: 球の表面積の公式を半分にする
式の前半から順番に出していきます。まず、球の表面積の公式を思い出してください。
球の表面積 = 4πr²
rは半径です。この公式は、球の表面積と体積の単元で覚える公式で、「4πr²」と唱えて覚えている人も多いと思います。動画でも生徒さんはここをすぐに答えていました。
今回は半球なので、この面積をそのまま使うわけにはいきません。球を半分に切っているので、丸い部分の面積も半分になります。だから、
丸い部分の面積 = 4πr² × 2分の1
ここまでが、多くの人がたどり着けるところです。生徒さんが「そこまで行けた」と言っていたのもこの場所です。実際、丸い部分の面積の出し方はこれで正解です。
ただし、ここで手を止めて「これが答え」としてしまうと、切り口の円が抜けたままになります。この式はまだ「半球の表面の片方」しか表していない、と意識しておいてください。式の右側に「+」を書く場所を空けておくイメージです。
ステップ2: 切り口の円の面積を足す
次に、式の後半です。切り口の平らな面は、半径がrの円です。半球を真ん中で切っているので、切り口の円の半径は球の半径と同じになります。
円の面積の公式は、小学校から使っているものです。
円の面積 = πr²
動画で先生が「面積の公式はいくつ?」と聞いて、生徒さんが「πr²」と即答していました。公式そのものは知っている。知らなかったのは「その円が表面に入る」という1点だけでした。
これを丸い部分の面積に足します。
半球の表面積 = 4πr² × 2分の1 + πr²
これで、お椀の外側全部の広さを表す式が完成しました。足し算の左が丸い部分、右が切り口の円。2つの面がどちらも入っています。
このステップで大事なのは、「πr²を足す」を暗記しないことです。「半球の表面積はπr²を足す」と覚えてしまうと、球の4分の1を切り出した立体が出たときに、どの面を足せばいいのか分からなくなります。覚えるのは「切ったところに新しい面ができる。その面も数える」という考え方のほうです。そう考えていれば、どんな切り方をされても、自分で面を数えて式を組み立てられます。
ステップ3: r=4を代入して2つの面積をまとめる
式ができたので、あとは半径の4cmを代入して計算するだけです。r=4を、式の2か所のrに入れます。
まず切り口の円の面積です。
πr² = π × 4² = 16π
次に丸い部分です。動画では先生が4×4で16を出し、それを2分の1にして8、と順番に約分しながら計算していました。
4π × 4² × 2分の1 = 4π × 16 × 2分の1 = 4π × 8 = 32π
最後に2つを足します。
16π + 32π = 48π
単位を付けて、答えはこうなります。
答え: 48π cm²
πは数字として残したまま、16と32の部分だけを足すのがコツです。πを3.14で計算し始めると、数が大きくなって計算ミスが増えます。中学の表面積の問題では、指示がない限りπのままで答えを書きます。
計算の順番も1つ補足しておきます。「4π×16×2分の1」のところは、先に16を2で割って8にしてから4πとかけると楽です。動画で「約分してあげると8だよな」と言っていたのはこの操作で、大きい数どうしをかけてから半分にするより、ミスが減ります。
検算: 答えの吟味
答えが出たら、そのまま次の問題に進まずに、つじつまが合っているかを確かめます。今回は2通りの見方で確かめます。
1つ目は、2つの面の割合です。
| 面 | 面積 | 全体に対する割合 |
|---|---|---|
| 丸い部分 | 32π | 3分の2 |
| 切り口の円 | 16π | 3分の1 |
| 合計 | 48π | 1 |
丸い部分が切り口の円のちょうど2倍になっています。これは半径がいくつでも変わらない関係です。式で見ると、丸い部分は4πr²×2分の1=2πr²、切り口はπr²なので、いつでも2対1です。もし計算の途中で丸い部分が切り口より小さくなったら、どこかで約分を間違えています。
2つ目は、球1個分と比べる見方です。半径4cmの球の表面積は4π×4²=64πです。半球の丸い部分だけなら、その半分の32π。今回の答え48πは、32πより大きくて64πより小さい。切り口の円を足しているので球の半分より大きくなり、球1個分を超えることはない。この範囲に収まっていれば、少なくとも「足し忘れ」と「足しすぎ」はしていません。
もし答えが32πになっていたら、切り口の円の足し忘れ。80πのような数になっていたら、球の表面積を半分にするのを忘れています。答えの数が出たら、この2つの目安と比べる習慣をつけておくと、テスト本番でも自分で間違いに気づけます。
よくあるつまずき
- 球の表面積を半分にして、そこで終わってしまう。今回の生徒さんがつまずいた場所です。丸い部分の面積としては正解ですが、切り口の円が抜けているので、答えは16π分だけ小さくなります
- 切り口の円の面積を足すことは知っていても、「なぜ足すのか」を言えない。理由を言えないまま覚えると、球の4分の1のような別の切り方の問題で応用できなくなります。「切ったところに新しい面ができるから」と自分の言葉で説明できるようにしておきましょう
- 球の表面積の公式と体積の公式を混ぜてしまう。表面積は4πr²、体積は3分の4πr³です。求めるのが表面積なのに、r³を使った式を書いていないか、単位がcm²になっているかを見直してください
- πを3.14で計算してしまう。指示がない限り、答えはπのままで書きます。48πを150.72と書くと、採点で減点されることがあります
- 4π×16×2分の1を、先に4と16をかけて64にしてから半分にする。間違いではありませんが、数が大きくなるぶん計算ミスが増えます。16を先に半分にして8にしてから4πとかけると、数が小さいまま進められます
FAQ
Q. 半球の表面積を求めるとき、なぜ切り口の円の面積を足すのですか?
A. 切り口の円も、その立体の外側の面だからです。表面積は「立体の外側の面の広さを全部足したもの」なので、丸い部分だけでなく、切ったときにできた平らな面も入れます。球を半分に切る前は切り口がないので足しませんが、切った瞬間に新しい面が生まれる、と考えてください。
Q. 球の4分の1を切り出した立体の表面積はどう求めますか?
A. 考え方は同じです。丸い部分は球の表面積の4分の1、つまり4πr²×4分の1になります。そして切り口は、半径rの半円が2枚できます。半円1枚の面積はπr²×2分の1なので、2枚で合わせてπr²です。丸い部分と切り口の2枚を足せば、その立体の表面積になります。「切ったところに面ができる。その面を数える」という考え方が、そのまま使えます。
Q. 表面積と体積で、公式をどう覚え分ければいいですか?
A. 単位で区別するのがいちばん確実です。表面積は面の広さなので単位はcm²で、公式は4πr²とrが2乗になっています。体積はかさなので単位はcm³で、公式は3分の4πr³とrが3乗です。「面積は2乗、体積は3乗」と、単位の肩の数字と公式のrの肩の数字をそろえて覚えておくと、混ざりにくくなります。
Q. 答えは48πのままでいいですか?3.14をかけるべきですか?
A. 問題に「円周率は3.14とする」のような指示がなければ、48π cm²のままで正解です。中学の数学では、円周率はπという文字のまま答えに残すのが基本です。3.14で計算するのは、問題文でそう指示されたときだけです。
まとめ
半球の表面積は、球の表面積の半分だけでは終わりません。切ったところにできた円も表面です。丸い部分の4πr²×2分の1と、切り口のπr²を足して、r=4を代入すると、答えは48π cm²になります。
今回の生徒さんのように、公式は言えるのに答えが合わない人は、公式をもう一度覚え直す前に、立体をお椀だと思って外側を指でなぞってみてください。どこが表面なのかが絵で見えれば、足す面は自分で見つけられます。
この問題のポイント
- 半球の表面は「丸い部分」と「切り口の円」の2つの面でできている
- 丸い部分の面積は、球の表面積の公式4πr²を2分の1にする
- 切り口の円の面積πr²を足す。理由は、切り口も立体の外側の面だから
- r=4を代入すると、32π+16π=48π。答えは48π cm²
- 検算は「丸い部分は切り口の2倍」「球1個分の64πより小さい」の2つで確かめる
半球の表面積で、どの面を足すのか分からなくなった。球の4分の1の切り方になると手が止まる。そんなつまずきは、Laf先生の公式LINEから気軽に質問してください。今回の生徒さんと同じ場所で止まっている人は、思っているよりずっと多いです。
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