
先生、この問題なんですけど……図形の中に反比例のグラフと直線が2本もあって、どこから手をつけたらいいか分かりません。

なるほど、これは公式LINEによく届く質問だね。実はこの問題、「面積が同じ図形に置きかえる」という一つの考え方さえ分かれば、一気に見通しが良くなるよ。順番に見ていこう。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
今回の問題
右の図のように、
関数 $y=\dfrac{a}{x}$、関数 $y=x+5$、関数 $y=-\dfrac{1}{3}x+b$ のグラフがあります。
関数 $y=\dfrac{a}{x}$ と関数 $y=x+5$ のグラフは2点A、Bで交わり、x座標の大きいほうの点をA、小さいほうの点をBとします。点Aのx座標は1である。また、関数 $y=x+5$ のグラフとx軸との交点をCとし、関数 $y=-\dfrac{1}{3}x+b$ のグラフは点Cを通る。
(1) aの値を求めよ。
(2) bの値を求めよ。
(3) 右の図のように、関数 $y=\dfrac{a}{x}$ のグラフ上に、x座標が点Cと同じである点Dをとる。また、関数 $y=-\dfrac{1}{3}x+b$ のグラフ上に、四角形ACDOの面積と△ACEの面積が等しくなるように点Eをとる。ただし、点Eのx座標は点Cのx座標より大きいものとする。点Eの座標を求めよ。
核の考え方:面積を比べたいときは「同じ面積の別の形」に置きかえる
この問題で一番つまずきやすいのが (3) です。四角形と三角形という形の違う図形の面積をそのまま比べようとすると、計算が複雑になって手が止まってしまいます。
ここでのポイントはただ一つ。
四角形ACDOと同じ面積になるように、三角形を作り直す
具体的には、辺ACと平行な直線を点Dから引き、三角形ACEと同じ形の三角形(ACE′とします)をx軸の上に作ります。こうすると、四角形ACDOと三角形ACE′は「共通部分(三角形ACO)」を除けば、残りの三角形どうしの面積比べに変わります。図形を見た目のまま計算しようとせず、比べやすい形に描き直す。これが今回の核です。
3ステップで解く
ステップ1:aの値を求める
点Aは関数 $y=x+5$ のグラフ上にあり、x座標が1なので、
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y = 1 + 5 = 6
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よって点A の座標は $(1, 6)$。この点Aは $y=\dfrac{a}{x}$ のグラフ上にもあるので、
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6 = a ÷ 1
a = 6
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ステップ2:bの値を求める
点Cは関数 $y=x+5$ とx軸との交点なので、
“`
0 = x + 5
x = -5
“`
よって点Cの座標は $(-5, 0)$。この点Cは $y=-\dfrac{1}{3}x+b$ のグラフ上にもあるので、
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0 = -\dfrac{1}{3}×(-5) + b
0 = \dfrac{5}{3} + b
b = -\dfrac{5}{3}
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ステップ3:点Eの座標を求める(面積の置きかえ)
点Dは $y=\dfrac{6}{x}$ 上でx座標が-5の点なので、
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y = 6 ÷ (-5) = -\dfrac{6}{5}
“`
点Dの座標は $\left(-5, -\dfrac{6}{5}\right)$ です。
ここから、辺ACに平行な直線を引き、三角形ACEと面積の等しい三角形ACE′をx軸上に作ります。三角形CDO(面積=底辺CO×高さ÷2)と三角形AE′O(面積=底辺OE′×高さ6÷2)が等しくなる、という関係から、
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底辺CO = 5、高さ = 6/5
三角形CDOの面積 = 5 × 6/5 ÷ 2 = 3
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三角形AE′Oの面積も3なので、底辺OE′をeとすると、
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6 × e ÷ 2 = 3
e = 1
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これでE′のx座標が1と分かります。この点(1, 0)を通り、傾きが $y=x+5$ と同じ(傾き1)の直線を考えると、
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0 = 1 + b
b = -1
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つまりこの直線は $y = x – 1$。点Eはこの直線と、直線 $y=-\dfrac{1}{3}x-\dfrac{5}{3}$ との交点です。2つの式を連立させると、
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y = x – 1
3y = -x – 5
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上下を足すと、
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4y = -6
y = -\dfrac{3}{2}
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$y=x-1$ に代入すると、
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-\dfrac{3}{2} = x – 1
x = -\dfrac{1}{2}
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点Eの座標は $\left(-\dfrac{1}{2}, -\dfrac{3}{2}\right)$ です。
検算:答えの吟味
$y=-\dfrac{1}{3}x-\dfrac{5}{3}$ に $x=-\dfrac{1}{2}$ を代入すると、
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y = -1/3 × (-1/2) – 5/3 = 1/6 – 10/6 = -9/6 = -3/2
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きちんとyの値が一致し、点Eが直線 $y=-\dfrac{1}{3}x-\dfrac{5}{3}$ 上にあることが確認できました。また点Eのx座標 $-\dfrac{1}{2}$ は、点Cのx座標 $-5$ より大きいという条件も満たしています。
よくあるつまずき
- 四角形の面積を、そのまま座標から公式で求めようとして計算が複雑になる → 面積の等しい別の図形(三角形どうし)に置きかえられないかをまず考える
- 符号の付け忘れ: $-\dfrac{1}{3}x+b$ のマイナスを書き忘れると、以降すべての計算が別の問題になってしまいます。式を書き写すたびに符号を指でなぞって確認しましょう
- 平行線を引く位置を間違える: 「面積の等しい三角形を作る」ときは、動かしたい頂点を通り、底辺に平行な直線を引くのが鉄則です
FAQ
Q. なぜ平行線を引くと面積が変わらないのですか?
A. 平行な2直線の間では、同じ底辺に対する高さがどこでも一定だからです。頂点を平行線上でどこに動かしても、底辺と高さが変わらないので三角形の面積は変わりません。
Q. 反比例と一次関数が混ざった問題は、他にどんなパターンがありますか?
A. 今回のように「交点の座標から係数を求める」パターンと、「面積が等しくなる点を求める」パターンの組み合わせがよく出題されます。まずは係数(a、bなど)を確定させてから、図形問題に取りかかるのが基本の流れです。
今回のポイントのおさらい
- 交点の座標を代入して、a・bなどの係数を求める
- 面積を比べたい図形は、面積の等しい別の形に置きかえて考える
- 平行線を使えば、頂点を動かしても面積は変わらない
- 答えが出たら、必ずもとの式に代入して検算する
分からないところが出てきたら、写真を撮って送るだけでLaf先生に質問できます。
動画では、この解き方をさらにかみくだいて解説しています。あわせてチェックしてみてください。
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