「連続する3つの自然数」の二次方程式の文章題は、中3の問題集やテストでよく見かけるタイプです。問題文は短いのに、何から書き始めればいいかが分からず、答案が白紙のまま止まってしまう人も少なくありません。

問題を読んでも、全然分からなかったです。

大丈夫。連続する3つの自然数の問題は、1回覚えるとめちゃくちゃ簡単で、何回でも解けるようになるよ。まずは3つの数のどれを文字で置くかを決めよう。
この記事では、連続する3つの自然数を文字で表すところから、問題文を方程式に翻訳し、二次方程式を解いて答えを確かめるまでを順番に説明します。途中には、この問題でいちばん点を落としやすい「nで約分してしまう」「0を答えに残してしまう」の2か所も入っています。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
問題文と、何を聞かれているか
今回あつかうのは、次の問題です。
> 連続する3つの自然数があります。真ん中の数の2乗は最も小さい数と最も大きい数の和の4倍と等しくなります。このとき、次の各問いに答えなさい。
> (1) 真ん中の自然数をnとして、方程式をつくりなさい。
> (2) (1)を解いて、連続する3つの自然数を求めなさい。
聞かれているのは2つです。(1)は方程式を作るだけ、(2)はその方程式を解いて3つの数を答えます。(1)で式を立てられれば、(2)は計算と答えの確かめです。
授業では、問題を読み終えたところで先生が「これはどこまで理解できて、どのあたりにつまずきましたか?」と聞いています。生徒は「全然分からなかった?」という問いに「はい」と答えました。ここから、1つずつ組み立てていきます。
連続する3つの自然数は「3兄弟」で考える
まず、「連続する3つの自然数」がどんな数の組なのかをはっきりさせます。
授業で先生は、例として「3、4、5」と「7、8、9」を挙げています。どちらも1ずつ増えていく3つの数です。こういう数の組を、連続する3つの自然数と言います。
そのうえで先生は、この3つの数を登場人物に見立てました。
- 真ん中の数さん
- 最も小さい数さん
- 最も大きい数さん
この「3兄弟」がいると思って読むと、問題文の「真ん中の数」「最も小さい数」「最も大きい数」が、それぞれ誰のことなのかがすぐに分かります。たとえば7、8、9なら、真ん中の数さんは8、最も小さい数さんは7、最も大きい数さんは9です。
今回の問題では、3兄弟がどの数の組なのかはまだ分かりません。分からない数は、まず文字で置く。先生も「分からない、聞かれているものは、文字で答えるっていうのは鉄則だよね」と話していました。
真ん中の数をnと置くと、両隣はn−1とn+1
3つの数のうち、どれを文字で置いてもかまいません。最も小さい数をnにしても、最も大きい数をnにしても、正しく解けます。
それでも授業では「計算のしやすさから考えると、真ん中の数さんをnとかで置いてあげようか」と、真ん中の数をnに決めています。今回の問題も(1)で「真ん中の自然数をnとして」と指定されています。
真ん中の数をnと置くと、残りの2つはこう表せます。
- 最も小さい数 = n − 1(真ん中より1小さい)
- 真ん中の数 = n
- 最も大きい数 = n + 1(真ん中より1大きい)
授業では、先生が「小さい数さんは何になると思う?」と聞くと、生徒は「n−1」と答え、続けて最も大きい数も「n+1」と答えています。最初は「全然分からなかった」生徒も、真ん中を文字で置いた瞬間に、残りの2つは自分で書けていました。
真ん中をnにすると、両隣が「−1」と「+1」で左右対称になります。あとで足し算をしたときに、この−1と+1が消えてくれるのが、真ん中を選ぶいちばんの理由です。
問題文をそのまま方程式に翻訳する
登場人物が文字で表せたら、問題文を上から順に式へ翻訳していきます。先生の言葉では「問題文で言われている通りのものを書けばいい」です。
問題文を区切って読むと、次の3つのかたまりになります。
- 「真ん中の数の2乗は」 → n²
- 「最も小さい数と最も大きい数の和の」 → (n − 1) + (n + 1)
- 「4倍と等しい」 → 和に×4をして、イコールで結ぶ
「〜は」と言われたら、そこがイコールの左側です。授業でも「は?って言われたら、これイコールなんだ」と確認していました。
和の4倍なので、足し算の部分をカッコでまとめてから4倍します。できあがる方程式はこうなります。
n² = (n − 1 + n + 1) × 4
これが(1)の答えです。カッコを付けずに n − 1 + n + 1 × 4 と書くと、4倍が n+1 の1だけにかかってしまうので、和の部分はカッコでまとめてから4倍してください。
(2) 方程式を整理して n² = 8n にする
ここから(2)です。(1)の方程式を解いていきます。
まずカッコの中を計算します。−1と+1は足すと0なので、nが2つ残ります。
n − 1 + n + 1 = 2n
授業でも、生徒がここを「2n」と答えています。これを方程式に戻すと、次のようになります。
n² = 2n × 4
n² = 8n
真ん中の数をnにしたおかげで、カッコの中がすっきり2nにまとまりました。前の見出しで「真ん中を選ぶと−1と+1が消える」と書いたのは、この場面のことです。
nで約分しないで、移項して共通因数でくくる
n² = 8n を見ると、両辺をnで割りたくなります。割ると n = 8 がすぐ出てくるので、近道に見えるからです。
ところが授業で先生は、ここで「注意してほしいのは、nで約分しないこと」と止めています。理由は「nが0の場合は割れないから」です。0で割ることはできないので、nが0かもしれない段階で両辺をnで割ると、n = 0 という可能性を最初から消してしまいます。
そこで、割るかわりに右辺の8nを左辺へ移項します。
n² − 8n = 0
授業の生徒は、この方程式をどう解くかを聞かれて「わかんないです」と答えています。先生のヒントは「共通因数でくくる」でした。
左辺の n² と −8n は、どちらもnをかけた形になっています。この共通のnをくくり出します。
n(n − 8) = 0
先生が「どっちもnかけるが入ってるじゃん」と声をかけると、生徒は「あ、はいはいはい」と気づいています。n(n − 8) を展開すると n² − 8n に戻るので、くくり方が合っているかはいつでも確かめられます。
かけて0になるのは、どちらかが0のときです。
n = 0 または n = 8
共通因数でくくると、nで割ったときに消えてしまう n = 0 もちゃんと出てきます。先生も「共通因数でくくるっていうのを、忘れちゃう人が多いから、気をつけて」と話していました。
因数分解・平方根・解の公式のどれで解くか迷うときは、二次方程式の解き方を3つに整理したこちらの記事も参考にしてください。

n=0は答えになる?自然数の条件で確かめる
方程式からは、n = 0 と n = 8 の2つが出てきました。ここで先生は「ここでトラップ、注意しなくちゃいけない点が1点あります」と問いかけています。
生徒の答えは「0は入らない」。理由を聞かれて「連続する3つの自然数がないから」と答えました。
n = 0 のとき、3つの数は次のようになります。
- 最も小さい数 = 0 − 1 = −1
- 真ん中の数 = 0
- 最も大きい数 = 0 + 1 = 1
自然数は1、2、3と続く正の整数で、0もマイナスの数も入りません。−1と0が自然数ではないので、n = 0 は問題の条件に合わず、答えから外します。
残るのは n = 8 です。真ん中の数が8なので、最も小さい数は7、最も大きい数は9になります。
答え:7、8、9
問題文の条件で確かめておきます。
- 真ん中の数の2乗 = 8² = 64
- 最も小さい数と最も大きい数の和の4倍 = (7 + 9) × 4 = 64
左右がどちらも64で、条件どおりです。
方程式から出た答えを問題の場面に戻して選ぶ流れは、道幅を求める二次方程式の文章題でも同じように出てきます。

点を落としやすい3か所
この問題で点を落とす場所は、だいたい次の3つに集まります。
- 何を文字で置くかを決めないまま書き始める。3つの数をばらばらの文字で置くと、式が立てにくくなります。まず真ん中の数をnと決めて、両隣を n − 1、n + 1 と書き出してから問題文を読み直しましょう
- 両辺をnで割って n = 8 だけを出す。この問題では答えが同じになりますが、nが0かもしれない段階で割るのは、数学の手順として正しくありません。そのうえ、0を外す理由を考える場面そのものが消えてしまいます。移項して共通因数でくくる手順を身につけてください
- n = 0 まで答えに書いてしまう。方程式としては n = 0 も正しい解です。ただ、問題は「自然数」を聞いています。出てきた答えを、問題文の条件に戻して確かめる習慣をつけましょう
よくある質問
Q. 最も小さい数をnと置いても解けますか?
A. 解けます。最も小さい数をnとすると、3つの数は n、n + 1、n + 2 です。方程式は (n + 1)² = (n + n + 2) × 4 になり、整理すると n² − 6n − 7 = 0、因数分解して (n − 7)(n + 1) = 0 です。n = 7、−1 が出て、−1は自然数ではないので n = 7、答えは同じ7、8、9になります。ただ、展開の手間が増えるので、真ん中をnにしたほうが計算は楽です。
Q. なぜ両辺をnで割ってはいけないのですか?
A. 0で割ることはできないからです。n = 0 かもしれない段階でnで割ると、n = 0 という解を黙って消してしまいます。この問題では消えた解がたまたま答えにならないものでしたが、ほかの問題では必要な解を失うことがあります。文字で割りたくなったら、移項して共通因数でくくる、と覚えておくと安全です。
Q. 0は自然数ではないのですか?
A. 中学数学では、自然数は1、2、3、…と続く正の整数のことで、0は含みません。授業でも先生が「自然数は正の整数なので、1以上になるので、0は入りません」と説明しています。問題文に「自然数」とあったら、答えが1以上になっているかを最後に確かめましょう。
この問題のポイント
- 連続する3つの自然数は、真ん中の数をnと置くと n − 1、n、n + 1
- 問題文を区切って翻訳すると n² = (n − 1 + n + 1) × 4((1)の答え)
- カッコの中は −1 と +1 が消えて 2n、整理すると n² = 8n
- nで約分せず、移項して共通因数でくくる n(n − 8) = 0
- n = 0、8 のうち、0は自然数ではないので外す
- 真ん中の数は8。答えは 7、8、9
連続する3つの自然数の問題は、真ん中を文字で置くところさえ決まれば、あとは問題文を順に式へ直していくだけです。そして最後に、出てきた答えを「自然数」という条件に戻して確かめる。この2つの動きは、連続する整数や偶数・奇数の文章題でも同じように使えます。
以前、同じ問題を別の形でまとめた記事もあります。

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