
10%の食塩水と5%の食塩水を混ぜて8%にする問題なんですけど、10%と5%を混ぜてって書いてあるところまでは分かるんです。そこからどう式を立てればいいのか分からなくて。

そこまで問題文を読めているなら大丈夫。この問題は「濃度」をそのまま足し引きしようとすると詰まるんだ。今日は、濃度じゃなくて「食塩の量」で考える方法を一緒に確かめていこう。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
今回の問題
今回いっしょに考えるのは、この問題です。
10%の食塩水と5%の食塩水を混ぜて、8%の食塩水を600g作りたい。それぞれの食塩水を何gずつ用意すればよいか?
10%の食塩水と5%の食塩水、2種類を混ぜて8%の食塩水を作る問題です。全体の量は600gと決まっています。求めるのは、10%の食塩水と5%の食塩水を、それぞれ何gずつ用意すればいいか。
中1数学の「方程式」の文章題で、濃度(%)を使った混合の問題は定番の1つです。速さや割合の文章題と同じように、何を文字で置くかを決めてから式を作る流れがそのまま使えます。
今回の生徒さんは、問題文はきちんと読めていました。ところが「10%と5%を混ぜる」というところから先で手が止まっていました。つまずきの正体は、濃度をそのまま平均しようとしてしまうことです。ここを直すと、この問題はいつもの文章題と同じ手順で解けます。
考え方の核: 濃度は平均できない。「食塩の量」で考える
10%の食塩水と5%の食塩水を混ぜると聞くと、真ん中を取って「7.5%になるのでは」と考えたくなります。ですが、これは正しくありません。答えは8%と決まっているので、もし7.5%になるなら、この問題自体が成り立たないことになります。
なぜ平均にならないのか。理由は、10%と5%が「同じ量」混ざるとは限らないからです。10%の食塩水をたくさん、5%の食塩水を少しだけ混ぜれば、できあがりは10%に近づきます。逆なら5%に近づきます。今回は8%という、10%に寄った濃度になっているので、10%の食塩水のほうを多めに使う、というところまでは式を作る前から見当がつきます。
この「多い・少ない」を式にするために使うのが、濃度ではなく「食塩の量」です。食塩水の中に溶けている食塩そのものの重さは、混ぜる前と混ぜたあとで合計が変わりません。
食塩の量 = 食塩水の量 × 濃度
この関係を使うと、次の考え方にたどり着きます。
(10%の食塩水に溶けている食塩の量)+(5%の食塩水に溶けている食塩の量)=(8%の食塩水600gに溶けている食塩の量)
濃度どうしを直接足すのではなく、食塩の量どうしを足す。これが今回の問題の核になる考え方です。
ステップ1: 10%の食塩水をxg、5%の食塩水を(600-x)gと置く
考え方が決まったら、まず分からない量を文字で置きます。今回は、10%の食塩水の量が分かりません。
10%の食塩水の量をxgとする
動画では、先生が「じゃあ今回10%の方をxgって置いてあげようか」と聞き、生徒さんもすぐに納得していました。文章題で何を文字で置くか迷ったら、まず「求めたいもの」を文字にするのが基本です。
次に、5%の食塩水の量です。ここで、全体の量が600gと決まっていることを使います。10%の食塩水がxgなら、残りが5%の食塩水のはずなので、
5%の食塩水の量 = (600-x)g
と表せます。動画の生徒さんも「5%の方は何gって置けると思う?」と聞かれて、「600-xg」とすぐに答えていました。全体から一方を引くと、もう一方が出る。この形は、速さや個数の文章題でも繰り返し出てくる置き方です。
ここまでで、2つの食塩水の量がどちらもxの式で表せました。
- 10%の食塩水: xg
- 5%の食塩水: (600-x)g
ステップ2: 食塩の量を3つの式にする
次は、考え方の核で確認した「食塩の量=食塩水の量×濃度」を、3つの食塩水それぞれに当てはめます。%は分数に直して使います。10%なら100分の10、5%なら100分の5、8%なら100分の8です。
まず、10%の食塩水xgに溶けている食塩の量です。
100分の10 × xg
次に、5%の食塩水(600-x)gに溶けている食塩の量です。ここは、(600-x)全体に5%をかけるので、かっこを付けます。
100分の5 × (600-x)
最後に、できあがる8%の食塩水600gに溶けている食塩の量です。
100分の8 × 600
3つの式が用意できたら、考え方の核の関係にそのまま当てはめます。
100分の10 × x + 100分の5 × (600-x) = 100分の8 × 600
これで、今回の問題の方程式が完成しました。(600-x)にかっこを付け忘れると、5%が600だけにかかって、xの部分に5%がかからない式になってしまうので注意してください。
ステップ3: 方程式を解いて答えを出す
式ができたら、あとは計算するだけです。分数のままだと計算しにくいので、まず両辺を100倍して、分母の100を消します。
10x + 3000 – 5x = 4800
100分の10×xを100倍すると10x、100分の5×(600-x)を100倍すると5×(600-x)=3000-5x、100分の8×600を100倍すると4800になります。
左辺のxの項をまとめます。
10x – 5x = 5x
なので、式はこうなります。
5x + 3000 = 4800
3000を右辺に移項します。移項すると符号が変わるので、+3000は-3000になります。
5x = 4800 – 3000 = 1800
最後に両辺を5でわります。
x = 360
xは10%の食塩水の量だったので、10%の食塩水は360gです。
5%の食塩水は、ステップ1で置いた(600-x)gに、いま求めたx=360を当てはめて出します。
600 – 360 = 240
5%の食塩水は240gです。
答え: 10%の食塩水を360g、5%の食塩水を240g
検算: 答えの吟味
答えが出たら、そのまま終わりにせず、もとの問題文に戻って確かめます。
1つ目は、量の確認です。10%の食塩水が360g、5%の食塩水が240g。足すと360+240=600gになり、問題文の「600g作りたい」と一致しています。
2つ目は、食塩の量で検算する方法です。それぞれの食塩水に溶けている食塩の量を計算し、合計が8%・600g分の食塩の量と一致するかを見ます。
| 食塩水 | 量 | 食塩の量 |
|---|---|---|
| 10%の食塩水 | 360g | 0.10×360=36g |
| 5%の食塩水 | 240g | 0.05×240=12g |
| 合計 | 600g | 36g+12g=48g |
8%の食塩水600gに溶けている食塩の量は、0.08×600=48g。検算の合計48gとぴったり一致します。量の確認と食塩の量の確認、2つとも合えば、答えは正しいと判断できます。
もし答えが360gと240gから離れた数になっていたら、100分の5×(600-x)のかっこの付け忘れや、移項の符号ミスを疑ってみてください。
よくあるつまずき
- 10%と5%を混ぜたら7.5%になると思い込む。濃度はそのまま平均できません。8%という答えに近づけるには、10%の食塩水を5%より多く使う必要があります
- 100分の5×(600-x)のかっこを付け忘れる。かっこが無いと、5%が600だけにかかってxにはかからない式になってしまいます
- 5%の食塩水の量を600-xでなく、xと別の文字で置いてしまう。文字を2つ使うと式が1本では解けなくなります。全体の量から一方を引くという置き方をセットで覚えておきましょう
- 100倍するときに、一部の項だけ100倍してしまう。両辺の全部の項に100をかけているか、1つずつ確認してください
- 移項のときに符号を変え忘れる。+3000を右辺に移すと-3000になります
FAQ
Q. なぜ10%と5%を混ぜても7.5%にならないのですか?
A. 濃度は、混ぜる食塩水の「量」によって変わるからです。10%の食塩水を多く、5%の食塩水を少なく混ぜれば10%に近づき、逆なら5%に近づきます。同じ量ずつ混ぜたときだけ、ちょうど真ん中の7.5%になります。今回は答えが8%なので、10%の食塩水のほうを多めに使っている、ということが式を立てる前から分かります。
Q. 5%の食塩水を(600-x)gと置くのはなぜですか?別の文字ではだめですか?
A. 別の文字で置くこともできますが、その場合は式がもう1本必要になり、連立方程式になります。今回のように全体の量が決まっている問題では、「全体からもう一方を引く」ことで文字を1つに減らせます。文字が1つで済むと、中1で習う一次方程式の範囲で解けるようになります。
Q. 食塩の量を求めるとき、%はどう扱えばいいですか?
A. %を100で割って、分数か小数に直してから使います。10%なら100分の10(0.1)、5%なら100分の5(0.05)です。「食塩の量=食塩水の量×濃度」の濃度の部分に、この分数や小数を当てはめます。
Q. 答えが合っているか、検算以外に確かめる方法はありますか?
A. 求めた2つの量を足して、問題文の全体量(今回なら600g)と一致するかをまず見てください。これだけでも文字の置き間違いにはすぐ気づけます。そのうえで、この記事の検算のように食塩の量を計算し直すと、より確実です。
まとめ
食塩水の混合問題は、濃度をそのまま足し引きしようとすると詰まります。10%の食塩水をxg、5%の食塩水を(600-x)gと置き、「食塩の量=食塩水の量×濃度」の関係で3つの式を作ると、あとはいつもの一次方程式と同じ手順で解けます。今回の答えは、10%の食塩水が360g、5%の食塩水が240gでした。
今回の生徒さんのように、問題文は読めるのに式が作れない人は、濃度ではなく「食塩の量」に注目してみてください。何を文字で置き、その文字をどう使えば全部の量を表せるかが見えれば、この問題はほとんど作業になります。
この問題のポイント
- 濃度はそのまま平均できない。10%と5%を混ぜても7.5%にはならない
- 10%の食塩水をxg、5%の食塩水を(600-x)gと置く(全体量600gから引く)
- 「食塩の量=食塩水の量×濃度」で3つの式を作り、100分の10×x+100分の5×(600-x)=100分の8×600を立てる
- 両辺を100倍して解くと、x=360。答えは10%の食塩水360g、5%の食塩水240g
- 検算は「量の合計が600gになるか」と「食塩の量の合計が48gになるか」の2つで確かめる
食塩水の混合問題で、濃度をどう式にすればいいか分からなくなった。かっこの付け方や移項でいつも計算ミスをしてしまう。そんなつまずきは、Laf先生の公式LINEから気軽に質問してください。今回の生徒さんと同じ場所で止まっている人は、思っているよりずっと多いです。
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