家で勉強できない、家で集中できないと悩んでいる中学生と、その保護者の方に向けて、ライブ配信「おっしー塾長の勉強相談室」でお答えした内容をまとめました。
先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。
- 家で勉強できない・集中できない本当の理由は、スマホの誘惑より「できそう、やれそう」の不足
- 誘惑は分かっているのに対策しないのは、勉強をやりたくないから。それでも悩むのは目標があるから
- モチベーション=やりたい感×やれそう感
- やりたい感を上げる1:目標を「SMARTの法則」で具体的にする
- やりたい感を上げる2:「何のために」を比較で考え、学校を見に行く
- 家で集中できない本当の問題は、やれそう感の方
- やれそう感を上げる2つのポイント:適切な単元を選ぶ・分かりやすく教えてくれる人から学ぶ
- 家で勉強した時間を、テストの点数につなげるために
- 独学で進められる人と、塾を使うタイミング
- やる気は、勉強を始めた後についてくる。最初の3分だけ、とっとと始める
- 家で勉強を始めるテクニック:充電基地・机の上・勉強の定位置・25分と5分
- 家で集中できない3つのタイプ
- 家で集中するときにやってはいけない3つのこと
- 保護者の方へ:「集中しなさい」の代わりに「今、どこで止まってる?」
- 家で勉強できないときのよくある質問
- まとめ。家で勉強できない本当の理由は、スマホより「やれそう感」の不足
- あわせて読みたい
- 動画でくわしく確認する
- 毎朝7:15から勉強相談ライブをやっています
家で勉強できない・集中できない本当の理由は、スマホの誘惑より「できそう、やれそう」の不足

家だと、勉強に集中できません。どうしたらいいですか。

家で勉強できない本当の理由は、スマホの誘惑ではありません。勉強を「できそう、やれそう」と思える気持ちが、足りていないことなんです。
先に結論をお伝えします。家で勉強に集中できないのは、スマホのせいというより、勉強に「やれそう感」が足りていないからです。
家で勉強できない、集中できない。そんな気持ちになったことがある人は、多いのではないでしょうか。原因として世間でよく言われるのは、次の2つです。
- スマホが近くにあって、誘惑に負けてしまう
- テレビや漫画、ベッドがあって、家の環境に負けてしまう
確かに、この2つはその通りではあるんです。人間は、環境に左右されやすい生き物です。周りの友人や環境に誘惑が多いと、そちらに引っ張られてしまうのは仕方のないことです。
よく言われるのが、ダイエットの話です。家の机の上にポテトチップスがあると、見るたびに「食べるか、食べないか」の二択を迫られます。見なければ考えもしないのに、毎回「食べない」と決め続けるのは、結構厳しいですよね。勉強机の上の漫画やスマホも同じです。スマホを手に取れば、SNSで簡単に刺激がもらえます。そちらに行ってしまうのは、人間として自然なことだと思います。
でも、こんなことは、言われなくても分かっていますよね。
「スマホが誘惑なのは、分かってるんだけどな」。保護者の方なら、「うちの子、分かっているのにスマホを手放せないのよね」。そう思う人も多いと思います。そう、原因はもう分かっているんです。この記事では、分かっているのに動けない理由から、順番にお話しします。
誘惑は分かっているのに対策しないのは、勉強をやりたくないから。それでも悩むのは目標があるから
スマホが誘惑だと分かっている。ベッドがあったらゴロンとしてしまうし、漫画があったら読んでしまう。それも分かっている。対策も、なんとなく見当がついている。それなのに、スマホの誘惑を断ち切って、家の環境を変えることができていない。これが、今回の本当の問題です。
では、なぜ分かっているのに対策しないのか。答えはシンプルです。
勉強を、やりたいと思えていないからです。
「そんなこと言わないでくれ」と思うかもしれません。でも、まずここを正しくつかむことが、すごく大切です。スタート地点を見誤ると、打つべき対策が変わってしまうからです。
ここで、1つ不思議なことがあります。勉強をやりたいと思っていないなら、やらなければいいはずです。なのに、「勉強しなくちゃいけないよな」「集中できない自分が嫌だな」「誘惑に負けている自分が嫌だな」と悩んでいる。これは、なぜでしょうか。
理由は単純で、漠然とした目標があるからです。
- 次のテストで、悪い点は取りたくない
- 周りの友達に、テストの点数で抜かされたくない
- 行きたい高校に行きたい
逆に、「行きたい高校に行けなかったらどうしよう」「将来、就職に不利になってしまう高校に行ってしまうかもしれない」という不安もありますよね。
なんとなくこうありたい、という漠然とした目標。なんとなくこうはなりたくない、という不安。そこから、「きっと勉強はしなくちゃいけないんだろうな」と感じているんです。
勉強の必要性は感じているけれど、勉強自体はやりたくない。このギャップに悩んでいるのが、今の状態です。 まずは、自分の心の状態を、ここまで正確につかんでおきましょう。
モチベーション=やりたい感×やれそう感
必要性は感じているのに、なぜ勉強のやる気が出てこないのか。ここを考えるために、そもそも「やる気」、つまりモチベーションとは何かを整理します。皆さんは、モチベーションが何か、ちゃんと説明できますか?
やる気の仕組みは、勉強以外でも全部同じです。ダイエットでも、語学の学習でも、部活動でも同じです。モチベーションは、次の方程式で成り立っています。
モチベーション=やりたい感×やれそう感
「やりたいな」と思う気持ちと、「やれそうだな」と思う気持ち。この2つの掛け算で、モチベーションは生まれます。
足し算ではなく掛け算なので、どちらかが0に近づくと、やる気も0に近づいていきます。やりたい感がいくら大きくても、やれそう感がほとんど無ければ、勉強には手がつきません。
家で勉強できない人は、この2つのどちらか、または両方が足りていない状態です。
- やりたい感:目標に対する意識。何のために勉強するのかが、はっきりしているか
- やれそう感:今の自分にもできそう、やれそう、と思えるか
ここから先は、やりたい感の上げ方、やれそう感の上げ方の順にお話しします。
やる気が出ない中学生に向けた記事では、この方程式の分け方と、やる気を待たずに動き始める手順を、くわしくまとめています。

やりたい感を上げる1:目標を「SMARTの法則」で具体的にする
やりたい感は、皆さんの目標に対する意識です。さっきの「なんとなくテストの点数を上げたい」「高校に行きたい」は、実はまだ漠然とした目標なんです。
本来、目標は具体的で、期日が決まっていて、数字で測れるものです。目標の立て方としてよく紹介されるのが、「SMARTの法則」です。5つの頭文字を取っています。
| 頭文字 | 意味 | 中学生の勉強なら |
|---|---|---|
| S(スペシフィック) | 具体的に | 「友達に負けたくない」ではなく「誰それ君に負けたくない」、「高校」ではなく「どこどこ高校」と固有名詞にする |
| M(メジャラブル) | 数字で測れる | 「点数を上げたい」ではなく、あと何点上げたいのかを数字にする |
| A(アチーバブル) | 達成できる | できなさそうだと思う目標は、目標として働かなくなる |
| R(レレバント) | 自分に関係がある | 自分のやりたいことと、つながっているか |
| T(タイムバウンド) | 期日がある | いつまでに、を決める |
この要素が全部入って、はじめて本当の目標と言えます。仮の目標でもかまわないので、まずは固有名詞と数字と期日を入れてみてください。就職で有利になりたいなら、どこに就職したいのか、仮でいいので名前を入れてみるんです。
ちなみに、AとRの言葉は、紹介する人によって入れ替わったり、別の言葉になったりします。SMARTという言葉を広めたとされる1981年の論文では、Aは「Assignable(誰がやるかを決める)」、Rは「Realistic(現実的に達成できる結果か)」でした(George T. Doran「There’s a S.M.A.R.T. way to write management’s goals and objectives」Management Review、1981年11月号)。この記事では、中学生の勉強に当てはめやすい形で紹介しています。
やりたい感を上げる2:「何のために」を比較で考え、学校を見に行く
目標を具体的にするには、「何のために」を考えるのが近道です。「テストの点数を上げたい」と思ったら、何のために?と考えます。「偏差値の高い高校に行った方がいいじゃないですか」と答えが返ってきたら、何のために偏差値が高い方がいいの?と、もう一度聞いてみてください。
この「何のために」を考えるときは、比較で考えると面白いですし、答えやすくなります。こうなりたい、に対して、逆にそうならなかったときにどんな未来があるのかを想像しながら考えるんです。
たとえば、うちの塾には大学生のスタッフが多くいます。「なんで早稲田大学に行ったんですか」と聞くと、「なんとなく行けたからですかね」「偏差値が高い方が就職に有利だからですかね」と返ってきたりします。でも、「なんでMARCHじゃなくて早稲田だったの?」「なんで東大じゃなくて早稲田だったの?」「なんで国公立じゃなくて私立なの?」「なんで地方の大学じゃなくて都内の大学に来たの?」と聞くと、より具体的な答えが返ってきます。比較で考えると、自分がなぜその選択肢をいいなと思っているのか、具体性が増していくんです。逆に、「別にその目標にこだわらなくていいかも」と気づくこともあります。
志望校も、比較で考えてみてください。
- なんで1ランク上の高校じゃないのか
- なんで1ランク下の高校ではだめなのか
- なんで近くの高校ではなく、少し遠い高校を選んでいるのか
- 部活動で比べるとどうか
もっと具体的にイメージしたい人には、学校訪問がおすすめです。早いうちに、志望校だけでなく、偏差値が上の高校と下の高校の両方を見ておきましょう。学校説明会の日程が合わないときは、登下校の時間にちょっと覗きに行くだけでもいいと思います。学校によって校風や部活動の活気が全然違うので、行きたい高校のイメージがぐっとはっきりしてきます。
家で集中できない本当の問題は、やれそう感の方
次に、やれそう感です。実は、家で勉強できない人にとっては、やれそう感の方が問題だったりします。
家ではスマホの誘惑に負けてしまう。それは、スマホをいじる方が、簡単に快楽を得られるからです。
そもそも、世の中には勉強より楽しいことがいっぱいあります。僕もゼルダの伝説をやるのですが、ゲームはうまく操作できなくても、ゴールが見えていて、作りのクオリティも高いんです。スマホやSNS、ゲームは、少ない努力で大きな楽しさが手に入るように作られています。
一方で、テスト勉強や入試対策の勉強は、新しいことを学ぶことです。テストの点数を上げるには、今できないことを、できるようにしていく必要があります。
たとえば、九九を延々とやる人はいませんよね。九九はもうできるので、それ以上やってもテストの点数にはつながりません。100マス計算で計算のスピードを上げるトレーニングならいいけれど、九九だけをずっとやっていても、テストの点数にはつながらないですよね。できることを延々とやっていても、勉強としては前に進まないんです。
大切なのは、できないことをできるようにしていくこと。でも、できないことにチャレンジするのって、しんどいですよね。
それに対して、スマホはワンタップで刺激が得られます。漫画も、次のページをめくれば新しい展開が待っています。勉強は、まだ分からないことにチャレンジして、分かるようになるまでの苦しさがあります。その苦しさが気持ちよくなってくる人は、それで全然グッジョブです。でも、やれそうというイメージが湧かないと、簡単に刺激をくれる方へ、エネルギーを使ってしまうんです。
つまり、家で集中できないのは、勉強が「やれそう、できそう」と思える状態になっていないから。それだけの話なんです。
やれそう感を上げる2つのポイント:適切な単元を選ぶ・分かりやすく教えてくれる人から学ぶ
では、なぜやれそう感が足りない状態になってしまうのか。理由は2つあります。
1つ目は、適切なレベルの教材を使っていないことです。
たとえば、数学が苦手な人が中学3年生の勉強をするとき、実は中1や中2の内容でつまずいていることが全然あります。なんなら、小学校の分数の計算からつまずいている人もいます。高校生で英語の偏差値が50を下回った人も、実は中学校の英語でつまずいている可能性が十分にあります。
前の単元や前の学年に戻ってやり直した方が近道なのに、今の学年の内容に取り組もうとする。基礎ができていないまま今の学年の内容をやっても、何を言っているのか、ちんぷんかんぷんになりますよね。それでは「できそう」という思いも全然足りなくなって、勉強が進まなくなってしまいます。
だからこそ、自分に合った単元を選んで勉強していくことが大切です。
頑張っているのに成績が上がらない3つのタイプと、前の学年への戻り方は、こちらの記事でまとめています。

2つ目は、分かりやすく教えてくれる人から教わっていないことです。
新しいことを学ぶのがしんどいとき、参考書や問題集の解説を見ますよね。でも、あの解説って、すごく分かりづらくないですか。急に知らない公式が出てきたり、そもそもなぜその公式を使うのかが分からなかったり。その発想はどこから出てきたのか、どこに着眼すればいいのかが書いていないことも、ざらにあります。解説に載っているのは解き方ばかりで、その解き方が生まれるまでの考え方の道すじが書いていないことが多いんです。
それで頑張って勉強しても、できるようになるイメージが湧かないので、「また勉強しよう」と思えなくなってしまいます。
だから、分かりやすく教えてくれる人から学びましょう。
- 分かりやすく教えてくれる友達
- お父さん、お母さん
- お兄さん、お姉さんなどのきょうだい
- 身近にそういう人がいなければ、塾を活用する
家で勉強した時間を、テストの点数につなげるために
この記事を読んでいるのは、家で勉強した時間を、ちゃんとテストの点数につなげたいからですよね。でも、やりたい感を上げて勉強を始めたとしても、勉強の内容が分からないままだと、テストの本番で手が止まってしまいます。
オンライン学習塾Lafでは、無料のオンライン授業を開催しています。授業では、まずおっしー塾長が例題を解説しながら、どう考えればその問題が解けるのかをお伝えします。そのあと、類題を自分の手で解いて、実際に解けるかどうかを確かめてもらいます。最後に、その類題を分かりやすく解説します。
カメラもマイクも自動でオフになるので、顔出し・声出しはなしで参加できます。住んでいる場所に関係なく、部活で忙しい日でも家から参加できるように、オンラインで開催しています。
診断シートには、このあと紹介する「家で集中できない3つのタイプ」の見分け方と、家で勉強を始めるテクニックのチェック欄が入っています。自分がスマホで止まっているのか、分からない問題で止まっているのかを確かめるのに使ってください。
公式LINEに「集中診断」と送るだけで、2つとも受け取れます(無料)
- 家で集中できるか診断シート(A4 2枚)。家で集中できないタイプの見分け方、スマホの置き場所や勉強する場所のチェック欄、勉強が何回続いたかを書く表の3つがまとまっています
- おっしー塾長の無料授業3回の案内。例題の解説、類題を自分で解く、類題の解説の順で進みます。聞きたい教科で使えます
追加したら「集中診断」と送ってください。漢字4文字を、スペースを入れずにそのまま送ります。
公式LINEの友だちは2万3000人になっていて、メッセージが流れてしまうことがあります。キーワードを送るのだけは、忘れないようにお願いします。
独学で進められる人と、塾を使うタイミング
ここまでを、一度整理します。
- 家で集中できない人は、そもそも勉強をやりたいと思えていない
- スマホや家の環境の問題は分かっているのに対策を打っていないのは、そのため
- 勉強の必要性は感じているので、まずは目標を明確にして、やりたい感を上げる
- そのうえで、適切な単元を選んで勉強計画を作り、分かりやすく教えてくれる人から学んで、やれそう感を上げる
この2つがそろうと、勉強のモチベーションは上がりやすくなります。そして、勉強を続けていくことが、成績につながっていきます。
ここまでの内容を全部自分一人でコントロールできる人は、独学で進んでいくのも全然OKだと思います。私のこれまでの経験上、学校の定期テストや公立高校の入試の標準的なレベルなら、独学で進めていくこともできます。
ただ、大体の人は、「目標の設計って、本当にこれでいいのかな」と迷います。行きたい高校は決まった。でも、どんな勉強法、どんな勉強計画で進めたらいいかが分からない。そういう人は多いですよね。そういう人は、塾で先生と相談しながら、勉強計画を作っていくのがおすすめです。
- 今の自分が、どの単元まで戻って勉強するべきか相談したい人
- 分かりやすく教えてほしい人
こういう人は、塾などを活用して、ここを突破していくのが一番手っ取り早いと思います。
志望校によっては、入試の形そのものが違うこともあります。たとえば東京都立高校の入試には、学校が自分で作った問題3教科(国語、数学、英語)と、都立高校の共通問題2教科(社会、理科)で行う高校があります(東京都教育委員会「令和6年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱」)。高専の入試も、推薦と学力検査の2つの方法で選抜を行っています(久留米工業高等専門学校「令和8年度 学生募集要項」)。志望校の入試の形によって準備の仕方も変わるので、迷ったら早めに相談してください。
やる気は、勉強を始めた後についてくる。最初の3分だけ、とっとと始める
ここまでで、家で集中できない原因は分かったと思います。誘惑に負けてしまうし、そもそも勉強をやりたいと思い切れていない。だから、やりたい感とやれそう感を上げて、勉強のやる気を上げていきましょう、という話でした。
ただ、もう1つだけ知っておいてほしいことがあります。やりたい感とやれそう感を上げるのは、いわば前処理です。そのうえで、勉強のやる気は、実は勉強した後についてきます。
これを、心理学の用語で「作業興奮」と言います。人は、作業した後、行動した後に、モチベーションが出てくる、という考え方です。この話は毎回しているのですが、ぜひ覚えておいてください。やる気スイッチなんてありません。行動して、行動した後に「あれ、なんか楽しいかも」と思えてくるんです。やる気を待たずに動き始める手順は、やる気が出ない中学生に向けた記事でも紹介しています。
だから、家で勉強できない、集中できないと悩んでいる人に言いたいのは、とっととやれ、です。とっとと勉強を始めましょう。
まだ勉強を始められていない人は、やりたい感か、やれそう感が足りていません。そこを十分に上げたと思ったら、あとは歯を食いしばって、感情に左右されずに、最初の3分だけ勉強を始めてください。3分勉強すると、モチベーションは後からついてきやすくなります。
ただ、この最初の3分が一番しんどいんですよね。一人だと始められない人は、誰かと勉強する時間を決めておくのがおすすめです。「この時間になったら一緒に勉強する」と約束しておくと、その時間に机に向かう理由ができます。家族や友達と時間を合わせるのでもいいですし、塾のオンライン自習室や授業の時間を使うのでもかまいません。
家で勉強を始めるテクニック:充電基地・机の上・勉強の定位置・25分と5分
家で勉強するためのテクニックを紹介します。
スマホの充電基地を作る。 玄関やリビングに、スマホを充電する場所を1か所だけ決めます。自分の部屋には持ち込まず、家族も、みんな同じ場所で充電するのがおすすめです。スマホとの距離の取り方は、こちらの記事でくわしく解説しています。

机の上には、勉強以外のものを置かない。 目に入るものを、今やる教科の教科書かワーク1冊と、ノート、筆記用具だけにします。
勉強する場所を1つに決める。 リビングと自分の部屋のどちらがいいかは、人によって違います。大事なのは、場所を1つに決めることです。リビングなら「この席は勉強だけ」と決め、ベッドやソファでは勉強しないようにします。不眠の治療で使われる手順書でも、ベッドは眠ること以外に使わないように、と書かれています(Bootzin & Perlis「Stimulus Control Therapy」2011年)。
25分やって5分休む。 ポモドーロ・テクニックと呼ばれる方法で、考えた人が大学生のときに、トマトの形のキッチンタイマーを使って作ったものです(Francesco Cirillo『The Pomodoro Technique』出版社の紹介より)。タイマーが鳴ったら、キリが悪くても止めて休みます。続きが気になるので、休憩のあと机に戻ってきやすくなります。休憩の5分は、スマホを見ずに体を動かしましょう。
何回続いたかを書く。 勉強が終わったら、何回続いたか、どこで、誰とやったかを1行だけ書きます。次の日は、いちばん回数が多かった日と同じ条件から始めてみてください。
ただし、テクニックは知っていても、実行しなければ意味がありません。テクニックが実行できていない原因は、勉強へのやる気が上がりきっていないことです。やる気が上がっていれば、どう対策すればいいかという情報も、自然と目に入るようになります。
家で集中できない3つのタイプ
家で集中できないといっても、どこでつまずいているかは人によって違います。自分がどのタイプに近いか、確かめてみてください。
| タイプ | どんな人か | 特に大事なこと |
|---|---|---|
| 誘惑タイプ | 学校や塾の自習室ではできるのに、家だとスマホや漫画に手が伸びる | スマホの充電基地と、机の上を今やる1冊だけにすること |
| ひとりタイプ | スマホを部屋の外に置いても、家で一人だと続かない | 誰かと、勉強を始める時間を合わせること |
| 難しすぎタイプ | 集中が切れているのではなく、解けない問題の前で手が止まっている | 1つ前の学年までさかのぼることと、分かりやすく教わること |
誘惑タイプは、やりたい感はあるのに、家の環境に引っ張られている人です。まずは、ポテトチップスを机から片付けるのと同じように、スマホと漫画を目に入らない場所へ移してください。
ひとりタイプは、最初の3分が始められない人です。前の章のとおり、家族や友達、オンライン自習室など、誰かと時間を決めて始めてみてください。塾の自習室や図書館、カフェなど、家の外へ出るのも1つの選択肢です。塾選びの情報サイトが中2・中3の保護者100名に聞いた2025年6月の調査では、夏休みに家の外で勉強している中学生は64%でした。ただ、移動の手間や天気もあるので、家でも充電基地と机の上の片付けは用意しておきましょう。勉強している人の配信を流して、画面の向こうの誰かと一緒に勉強する方法もあります。そのときは、ほかのアプリを開かないように気をつけてください。
難しすぎタイプは、この記事でいう、やれそう感が足りていない人です。英語のワークは進むのに、数学になると同じ問題をずっと見ている、という形で表れることがあります。スマホを片付けても、問題が分からないままでは手は動きません。分かるところまで戻って、分かりやすく教えてくれる人から教わってください。
家で集中するときにやってはいけない3つのこと
1つ目は、「今日こそ集中するぞ」と、気合いだけで机に座ることです。 机のまわりが同じままだと、昨日と同じことが起きます。気合いを入れる前に、やりたい感とやれそう感を上げて、スマホを部屋の外へ置いてください。
2つ目は、スマホを手元に置いたまま、我慢することです。 ポテトチップスの話と同じで、目の前にある誘惑に、毎回「見ない」と決め続けるのは厳しいものです。我慢ではなく、置き場所で距離をとってください。
3つ目は、キリのいいところまで粘ってから休むことです。 キリのいいところで止めると、次にまた一番重いところから始めることになります。タイマーが鳴ったら、キリが悪くても止めてください。
3つとも、意志の力だけで戦おうとしている点が共通のNGです。 意志の力に頼るより、やりたい感とやれそう感を上げて、置き場所と時間の決め方で勝ちましょう。
保護者の方へ:「集中しなさい」の代わりに「今、どこで止まってる?」
最後に、保護者の方へのお願いです。
「集中しなさい」とは、言わないであげてください。中学生は、命令されると反発したくなりやすい時期だと言われています。代わりに、お子さんの手が止まっていたら、こう聞いてみてください。
「今、どこで止まってる?」
止まっている原因が、スマホなのか、分からない問題なのかが分かります。分からない問題で止まっているなら、それは集中の問題ではなく、やれそう感の問題です。1つ前の学年の内容までさかのぼるのを、一緒に考えてあげてください。
おうちの方にしかできない環境づくりもあります。
- 充電基地を、家族全員のルールにする。お子さんにだけ置かせるのではなく、保護者の方のスマホも同じ場所へ
- お子さんが勉強している25分は、テレビの音を消す。会話のような意味のある音は、特に勉強の邪魔になりやすいと言われています
- 同じ部屋で本を読んだり、仕事をしたりする。見張るのではなく、一緒にいるだけで大丈夫です
- 勉強する場所の明かり・室温・机と椅子を見直す。手元が暗くならない明かりか、暑すぎたり寒すぎたりしないか、机と椅子の高さが体に合っているかを、一緒に確かめてあげてください
「勉強しなさい」が中学生に効きにくい理由と、代わりの声かけは、こちらの記事でくわしくまとめています。

家で勉強できないときのよくある質問
Q. 音楽を聴きながらの勉強はありですか?
A. 聴くなら、歌詞のない曲がおすすめです。雨の音や波の音のような自然音もいいと思います。ただ、テストの直前は、無音で勉強してください。本番は無音の中で解くことになるので、その環境に慣れておくためです。
Q. 勉強したら、ご褒美をあげてもいいですか?
A. 出すなら、テストの点数のような結果よりも、「本を読んだ」「勉強した」という行動の方に出すのがおすすめです。アメリカの研究で、行動にご褒美を出した場合は学力が上がり、結果にご褒美を出した場合は効果が見られなかった、と報告されています(Roland G. Fryer, Jr.「Financial Incentives and Student Achievement: Evidence from Randomized Trials」2011年)。
Q. 部活で疲れて帰ってきた日は、どうすればいいですか?
A. 夜は疲れているので、一人でも始めやすいのは、早起きして朝に勉強することです。夜にやるなら、一人で頑張らずに、誰かと時間を決めてください。部活で疲れて勉強しない中学生に向けた手順は、こちらの記事でまとめています。

Q. 帰ってきたら、制服から着替えた方がいいですか?
A. 「着替えたら勉強開始」という人もいれば、「着替えずにすぐ机に向かう」という人もいて、逆の助言が並んでいます。どちらが正解というより、自分の「始める合図」を1つ決めておくことが大事です。
Q. 1つ前の学年に戻って、1問解けました。こんなことで意味がありますか?
A. 意味があります。分かるところまで戻って解けた1問は、やれそう感を上げる大事な1問です。「今日は1問解けた」と、自分で自分を認めてあげてください。
Q. いろいろ試しても、集中が続かないときは?
A. 一人で抱えずに、学校の先生やスクールカウンセラーに相談してみてください。
まとめ。家で勉強できない本当の理由は、スマホより「やれそう感」の不足
- スマホや家の環境が誘惑なのは、もう分かっている。それでも対策できないのは、勉強をやりたいと思えていないから
- それでも悩むのは、漠然とした目標があるから。必要性と気持ちのギャップに悩んでいる
- モチベーション=やりたい感×やれそう感
- やりたい感:目標をSMARTの法則と比較で具体的にする。学校を見に行く
- やれそう感:適切な単元を選ぶ。分かりやすく教えてくれる人から学ぶ
- やる気は始めた後についてくる。最初の3分だけ、とっとと始める
一人だと、最初の3分がなかなか始められない人もいると思います。オンライン学習塾Lafでは、オンライン自習室やオンライン授業で、一緒に勉強する時間を作っています。「何時になったらZoomに入って一緒に勉強しようね」と決めておけば、その時間に机に向かう理由ができます。
通信教材のように家に届く教材は、積んだまま解かないこともありますよね。Lafでは、時間を決めて自習室に入ったり授業を受けたりして、60分から90分、長いときは120分ほどで、問題演習までその時間の中でやります。授業中は、解いたノートを写真に撮ってLINEで送ってもらうので、理解度を先生と共有しながら進められます。
公式LINEに「集中診断」と送るだけで、2つとも受け取れます(無料)
- 家で集中できるか診断シート(A4 2枚)
- おっしー塾長の無料授業3回の案内
追加したら「集中診断」と送ってください。勉強習慣をつけて、次のテストの点数を一緒に上げていきましょう。
あわせて読みたい


動画でくわしく確認する
この内容は、こちらの動画でくわしく話しています。
毎朝7:15から勉強相談ライブをやっています
オンライン学習塾Lafのおっしー塾長が、毎朝7:15からInstagramで中学生の勉強相談ライブを配信しています。
「やる気が出ない」「覚えられない」といった悩みに、その場でお答えします。
勉強の悩みを直接相談したいときは、公式LINEからどうぞ。無料でお答えします。





関連記事