「勉強しなさい」は逆効果?中学生にほぼ効果がない理由と代わりの3ステップ1 min read

勉強お役立ち情報

先に動画で確認したい方はこちらからどうぞ。

 

produce:代表 おっしー先生
Laf創業・経営8年目【経歴/実績】
・これまで200名以上のお子様の指導実績あり
国公立をはじめとした難関高への進学をサポート
・AI先生をはじめとした日本初の教育サービスを展開
月間5,000人以上が利用するサービスへと育て上げる
AI先生を利用したことで模試C判定からA判定まで上がったと喜びの声も多数

「話題沸騰中!16大メディアが注目したLaf先生AI – あなたの学びをもっと身近に」


各社が報じた話題のAI教育ツール。24時間質問し放題、理解度に応じた解説で、わからないをゼロに。今すぐ試して、学びを加速させよう。

AI先生ボタン

※様々なメディア様に注目いただき、反響多数!現在TV取材も予定している注目サービスとなっています。(一部掲載)

「勉強しなさい」は逆効果?中学生にはほぼ効果がありません

先に結論をお伝えします。中学生に「勉強しなさい」は、ほぼ効果がありません。 ただ、だからといって黙って見ているのも、正解ではないんです。

保護者の方向けのライブ配信「お昼の保護者相談室」に、こんな相談が届きました。

「「勉強しなさい」と子どもに言うのは、逆効果でしょうか?」

とても多くいただく相談です。そして、ご自身の声かけが合っているかどうかを気にして、振り返ろうとしている時点で、本当に素晴らしいことだと思っています。

言うのと言わないのと、どちらが正解なのかを知りたい。そう見えて、本当の願いはここですよね。ケンカをしないで、お子さんに自分から机に向かってほしい。

この記事のゴールは、「勉強しなさい」の代わりになる声かけを知って、お子さんが「いつ・何を・どれくらいやるか」を自分で決めて動ける状態を目指すことです。次の順番でお話しします。

  1. なんで中学生に「勉強しなさい」が効果がないのか
  2. データで見る「勉強しなさい」と勉強時間
  3. 「計画を一緒に立てる」「勉強の意義を伝える」のデータ
  4. もう1つの弱点。やるか、やらないかしか決まらない
  5. 言わない=放任、ではない
  6. わが家の声かけの見分け方
  7. 「勉強しなさい」の代わりにやる3つのステップ
  8. やってはいけない3つの声かけと、言ってしまった日の立て直し
  9. 環境・習慣まわりで意見が割れていること
  10. 保護者の方へ
  11. よくある質問

 

なんで中学生に「勉強しなさい」が効果がないのか

中学生に「勉強しなさい」が効果がないのは、お子さんの性格のせいではなく、「しなさい」という言葉が強制だからです。

「しなさい」と言われると、反発したくなることってありますよね。これは思春期のお子さんだけではありません。大人の皆さんも、上司から「これ、やっておきなさい」と言われたら、ちょっと抵抗を感じませんか。「いや、言い方ってあるじゃん」と思ったりしますよね。

心理学では、これにちゃんと用語があります。自由を取り上げられそうになると、取り戻したくなる気持ちが働く。これを心理的リアクタンスと呼んだりします。リアクタンスは、リアクション(反応)と同じ「リアクト」から来た言葉です。自由を取り上げられそうになると、取り戻そうとして思わず反発してしまう。つまり、リアクションしてしまう。これが心理的リアクタンスです。ぜひ、この言葉を覚えておいてください。

特に中学生は、自分のことは自分で決めたいという自我が芽生えて、アイデンティティができていく時期です。小学生の頃まではお父さんお母さんの言うことを素直に聞いていた子が、中学生になって思春期を迎えると、「お母さんやお父さんと僕は違う人間なんだ」と思い始めます。決めるという自由を親に預けるのではなく、自分で取り戻したい。ここで心理的リアクタンスが働くわけです。

だから、親が決めて「やりなさい」と言ってしまうと、反発が生まれます。小学生の頃は「はーい」とやったり、「もうちょっと遊びたい」と言いながらも可愛げがあったりしたと思います。それが中学生でほぼなくなるのは、この心理的リアクタンスが原因だと考えていただければOKです。

反発されるのは、お子さんが大人になってきた証拠。そう思ってあげてください。

 

データで見る「勉強しなさい」と勉強時間(ベネッセの調査)

実際にデータもあります。ベネッセ教育研究開発センターが2011年9月に行った「第4回子育て生活基本調査(小中版)」です。首都圏の小学1年生から中学3年生の子どもをもつ保護者に聞いた調査で、分析の対象はお母さん7,519人です。

学年 「勉強しなさい」と勉強時間の関係
小学生 声をかける家の子のほうが、勉強時間が長い傾向(小5だけは逆)
中学生 中1〜中3のすべての学年で逆。声をかけない家の子のほうが、勉強時間が長い傾向

中学生では、中1から中3にかけて差が広がり、いちばん大きいのは中3で、報告書では24.3分と書かれています。ネットの記事では「約24分」「約25分」と丸め方が分かれていますが、元の数字は24.3分です。「わずか4分しか違わない」と書く記事もありますが、どの学年の数字なのかが記事によって違うので、学年を確かめてから読んでください。報告書自身も「中学生の場合には、母親が『勉強しなさい』と声をかけてもほぼ効果がないといえる」とまとめています。なお、この勉強時間には、塾や家庭教師で勉強する時間も含まれています。小5だけが逆になった理由は、報告書でも分からないとされています。

ただし、ここには1つトラップがあります。声をかけない家ほど勉強時間が長いことを、「声をかけたせいで短くなった」と読むのは早いんです。 成績が悪くて勉強時間が少ない子の家ほど、お父さんお母さんが責任を持って声をかけている。そういう見方も、同じ報告書に書かれています。

だから僕は、「逆効果」とまでは言い切りません。でも、中学生に「勉強しなさい」と声をかけても、ほぼ効果がない。これはこのデータから言えると思っています。

 

「計画を一緒に立てる」「勉強の意義を伝える」も、中学生では効果が見えにくくなる

同じ報告書には、「勉強しなさい」以外の関わり方のデータも載っています。ここも、中学生の保護者の方に知っておいてほしいところです。

  • 勉強の計画を一緒に立てる:中1までは、一緒に立てる家の子のほうが勉強時間が長い(差がいちばん大きい小6で32.5分)。中2・中3になると、この効果は見られなくなる
  • 勉強の意義や大切さを伝える:中3を除いて、伝えている家の子のほうが勉強時間が長い(差がいちばん大きい小6で28.7分)。中3になると、この効果もなくなるようだ

報告書は計画のところで、「この頃になると、自分で計画を立てて勉強をすることが大切になってくるのではないだろうか」と書いています。中3では、お母さんが一緒に計画を立てる子のほうが、2.5分ですが勉強時間が短くなっていました。

ここから僕が読み取っているのは、中学生は、親が決めてあげる関わり方から、お子さんが自分で決めるのを支える関わり方に切り替える時期だ、ということです。計画を立てるのをやめるのではなく、計画を決める役をお子さんに渡す。一般論として「勉強は大事だよ」と伝えるのではなく、お子さんの話を聞いたうえで、必要な情報を渡す。これが、この後の3つのステップの考え方です。

 

もう1つの弱点。「勉強しなさい」では、やるか、やらないかしか決まらない

「勉強しなさい」という言葉には、もう1つ弱点があります。この言葉で決まるのは、勉強するか、しないかの二択だけなんです。 何を、いつから、どれくらいやるのか。これが何も決まりません。ここが、中学生が勉強しない原因の1つになっています。

東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所の共同調査(子どもの生活と学びに関する親子調査2022)では、「上手な勉強のしかたがわからない」と答えた中学生は68.1%でした。ほぼ7割です。2021年の同じ共同調査では、中学生・高校生の6割が「勉強しようという気持ちがわかない」と答えています。

勉強のやり方が分からない。勉強って楽しくない。楽しく教えてくれる先生が近くにいない。宿題をいやいやこなしているだけで、勉強が成績アップにつながっている実感もない。何をやったらいいかも分からない。そんな状態で「とりあえず勉強しなさい」とだけ言われても、つまずくのは当然ですよね。

分かりやすいたとえで言うと、穴掘りの話があります。穴を掘れと言われて掘ったら、今度はその穴を埋めろと言われる。埋めたら、また掘れと言われる。何の役に立つのか分からないまま、これをくり返させられたら、つらくてつらくて仕方がないと思います。

お子さんは今、そんな状態になっているのかもしれません。何のためにやっているのか分からない勉強は、やりたくないですよね。

同じ共同調査では、上手な勉強の仕方が分かるようになることと、授業が楽しいと感じられるようになることが、意欲の向上と強く関連していました。多くの中学生は、やる気の前に、やり方のところで止まっている。これは僕の読みですが、ご家庭で見ていても思い当たるところがあるのではないでしょうか。

 

「勉強しなさい」と言わない=放任、ではありません

保護者の方からの相談やSNSを見ていると、こんな声をよく見かけます。「「勉強しなさい」は逆効果だと聞いたので言わずにいたら、全然勉強しない状態が続いてしまった」。

これもNGなんです。「勉強しなさい」はNGですが、だからといって、本当にいいのかなとビクビクして、何も言わずに放任してしまうのが一番よくありません。

目指したいのは、お子さんが「いつ・何を・どれくらいやるか」を自分で決められる状態です。そのためにお父さんお母さんに必要なのは、次の2つです。

  • お子さんが何でつまずいているのか、原因を探るヒアリング
  • お子さんに足りない情報を渡す、強めの提案

中学生・高校生は、自分で決めたいと思っています。自分のことを大人だと思っています。そして、それはその通りで、決める力はもう十分に備わっているんです。

じゃあ何が足りないのか。足りていないのは、経験と情報です。 将来働くってどういうことなのか。子どもを育てる大変さ。今勉強しないと、この先どんな苦労があるのか。定期テストの前にどんな苦労があって、どんな勉強法があるのか。お父さんお母さんが経験として持っているものを、お子さんはまだ持っていません。

やる・やらないは、お子さんにも決められます。でも、判断するための情報が足りないので、先のイメージがつかず、納得のいく決め方ができない。だから、お父さんお母さんの役割は「勉強しなさい」と言うことではありません。足りない情報を共有すること。そして、お子さんが何で詰まっているのかを聞いて、それを解決する情報を渡すことです。

 

わが家の声かけの見分け方

ここで1つ、思い出してみてください。最近、お子さんから「今やろうと思ってたのに」と言われたことはありますか。

もし「ある」なら、それはお子さんが悪いのではありません。まさに心理的リアクタンスが働いています。自分で決めたかったのに、始めるタイミングを親にずらされた。その気持ちが、あの一言になって出ているんです。

そのうえで、声かけの前提がずれていないかを見てほしいんです。見分け方は1つです。

その一言は、お子さんを「勉強しない子」として見た言葉か、「本当はできる子」として見た言葉か。

気持ちはすごく分かります。何回も何回も我慢してきたのに、結局やらないじゃない。そう言いたくなる日もあると思います。でも、「うちの子は勉強しない」と思い込んだまま声をかけると、その気持ちは声に乗って伝わってしまいます。負のエネルギーを持ったまま「勉強しなさい」と言えば、もうケンカです。「うるせー」となりますよね。

そうなると、親子が同じ側に並ぶのではなく、向かい合って対立する形になってしまいます。僕は、ここがいちばんもったいないと思っています。

だから一度、お父さんお母さんの頭の中をリセットしましょう。うちの子は、本当はできる子。 本当はできるのに、何かが原因でつまずいて、動けなくなっている。そう見るところから、次の3つのステップが始まります。

 

「勉強しなさい」の代わりにやる3つのステップ

ここからは、「勉強しなさい」の代わりにやることを、3つのステップでお伝えします。

ステップ1 「らしくないね、どうしたの?」と心配して聞く

職場やバイト先で、遅刻した人がいたとします。上司から「遅刻するなよ」「なんで遅刻したんだ」と言われると、「すみません」とは言うけれど、怒られちゃったという気持ちになって、全然前向きになれません。「勉強しなさい」も、これと全く同じです。

では、どう聞けばいいのか。「遅刻なんてらしくないね、どうしたの?」です。顔色の悪い人がいたら「大丈夫?」と聞きますよね。普段遅刻しない人が遅刻したら、家で何かあったのか、事故に巻き込まれたのか、心配になると思います。逆に「遅刻するなよ」と言うのは、その人を遅刻するような人だと思っているからなんです。

勉強も同じです。「本当はできるのに、勉強してないなんてらしくないね。どうしたの、何かつまずいてる?」と聞いて、原因をヒアリングしてください。勉強のやり方が分からない。勉強がつまらない。勉強なんかしてどうなるんだ。お子さんが納得していないことは、たくさんあると思います。

聞くのが先な理由は、もう1つあります。同じアドバイスでも、Aさんに言われるとすんなり聞けるのに、Bさんに言われると反発したくなることってありますよね。違いの1つは、こちらの事情をどれくらい知ってくれているかです。何も知らないで、ああだこうだと言われたら「こっちの事情も知らんで、よう言うわ」と思いたくなります。だから、アドバイスの前にまず聞く。ステップ1は、次の順番です。

  • 思い込みを取り払って、「うちの子は本当はできる」と一度思う
  • そのうえで、お子さんを心配する
  • お子さんの状態をしっかりヒアリングする

ステップ2 聞いた中身に合わせて、必要な情報を渡す

ヒアリングした内容に合わせて、お子さんに必要な情報をプレゼントしてください。

  • 「勉強の仕方が分からない」なら、目標は何点だったか、そのためにどんな勉強をしていけばいいかを伝える
  • 「数学が苦手で分からない」なら、それがどうやったら解決できるかを伝える
  • 「定期テストの点数なんて低くてもいい」なら、なぜ高い点数を取ってほしいと思っているのかを伝える

先ほどのベネッセの調査のとおり、聞かずに一般論で「勉強は大事だよ」と言うだけでは、お説教になって届きにくくなります。ステップ1で聞いた中身に合わせるのが大事です。そして、お父さんお母さんが、何でもかんでも全部答えられる必要はありません。 答えにくいところは、答えられる人につなげば大丈夫です。

 

ステップ3は「何時から、何問やる?」と決めるのをお子さんに渡す

情報がそろったら、ステップ3です。「じゃあ、何時から、何問やる?」と聞いて、お子さん自身に決めてもらいましょう。勉強するかしないかのイエス・ノーでは、何も進みません。何時から始めて、何問やるのか。ここまで決まると、勉強の計画になります。

時刻と数で聞くと、答えが1つに決まります。「何時から」は勉強の中身ではなく予定の話なのでケンカになりにくく、「何問」は量が数になるので、どこまでやれば終わりかがはっきりします。

一通り終わったら、「今日は何問やれたの?すごいね」と褒めてあげてください。やった後の評価は大事です。そのうえで「じゃあ明日は何時からやる?」と、明日の予定まで決められると一番いいと思います。これを毎日くり返します。

ただ、ここで1つトラップがあります。何時からと決めても、その時間になって結局やらない。これはとてもよくあることで、一番多くの人がつまずくポイントです。

覚えておいてほしいのが、作業興奮という言葉です。人間のやる気は、何もしないうちに自然に出てくるものではありません。何か行動を始めた後から出てきます。勉強も、2〜3分やってみると後からやる気が出てくる。だから、始めることができれば、その後は続けやすくなるんです。

決めた時刻になったら勉強が始まる仕組みがあると、ここを越えやすくなります。例えば、決めた時刻に誰かと一緒に勉強を始める。決めた時刻に授業の予約を入れておく。そんな形です。

やる気が出ないのは、性格や意志の弱さのせいではありません。やる気は動いた後からついてくる、という順番の話です。こちらの記事では、モチベーションを「やりたい感」と「やれそう感」の掛け算に分けて、今日のマスト1個から始める4つのステップを書いています。お子さんと一緒に読んでもらうのもおすすめです。

やる気が出ない中学生へ|やる気を待たずに動く4つのステップ【勉強法】
やる気が出ないのは性格でも意志の弱さでもありません。やる気は動いた後からついてくる、という順番の話です。モチベーション=やりたい感×やれそう感の分解、3タイプ診断、今日のマスト1個から始める4つのステップまで、オンライン学習塾のおっしー塾長が解説します。

公式LINEに「声かけシート」と送るだけで、2つとも受け取れます(無料)

  • 「勉強しなさい」の代わりの声かけシート(A4 3枚)。1枚目は、この記事の3つのステップと、やってはいけない3つの声かけをそのまま書き込める形。2〜3枚目は、NG→OKの声かけ変換表19パターンです
  • おっしー塾長の無料オンライン授業3回(1回60〜90分ほど)。勉強のやり方で困っているなら、苦手な単元を選んで使えます。決めた時刻に授業の予約を入れて、勉強を始める合図にしている人もいます

追加したら「声かけシート」と送ってください。6文字で、スペースを入れずにそのままです。声かけを試してみて難しかったときも、公式LINEから相談を送っていただけます。

 

やってはいけない3つの声かけ

ここまでで、代わりにやることは見えてきたと思います。反対に、やってしまいがちだけど避けたい声かけを3つお伝えします。

1つ目。「なんで勉強しないの?」

ネガティブな方向の問いかけです。お子さんを「勉強しない子」だと思い込んでいる気持ちが、そのまま表れた言葉です。「なんで」と聞かれても、お子さんに返せるのは言い訳しかありません。代わりに、「勉強しないなんてらしくないね。何かあったの?」と聞いてあげてください。

2つ目。「◯◯くんは、もうやってるのに」とほかの子と比べること

お子さんは、一人の人間です。それだけで素晴らしいんです。周りと比べて、負けている、劣っていると感じさせても、いいことは何もありません。比べずに、お子さんなりの目標を1つずつ達成できるように整理してあげてください。

3つ目。同じ一言を、1日に何度も言うこと

これは重要です。「何時からやる?」と1回聞いたら、もうそれっきり言わない。何度も聞いてしまうと、それはもう命令です。くどいし、うるさいし、「さっきも言ったやん」となりますよね。「何時からやる?」という質問の形でも、重ねれば命令と同じになってしまいます。

 

言ってしまった日は、すぐ謝ってステップ3に戻る

何度も言ってしまうことは、僕自身にもあります。最近もありました。これは余談なんですが、家族と軽くゴルフのショートコースを回りに行ったんです。2年ぶりくらいだったので、どれくらい汗をかくのか分からなくて。実家に帰るついでだったので、実家にTシャツがあるだろうと思っていました。

一緒に行った奥さんからは「Tシャツの替え、持ってく?」と聞かれたんですが、まあいいかと持っていきませんでした。そうしたら、いざ回ってみたら汗だく。そこから奥さんに「私は着替えるよ」「私は着替えるよ」と何回も言われました。

本当にすみません、実家で着替えるから許して、と思いながらも、何度も言われるとぐっとくるんですね。ちゃんと対話ができる関係なので、「もう分かったから、何度も言わないで」と伝えたら、「ごめんね、何度も言っちゃって」と返ってきて、円満に解決しました。

大人の僕でも、何度も言われるとぐっとくる。しかも、言っている側は何回も言っているつもりがないんです。僕の奥さんもそうでした。お子さんからすると、なおさらだと思います。

だから、言い過ぎたと気づいた瞬間があったら、すぐ謝ってください。「さっきは言い過ぎちゃったね、ごめんね。任せるね」。そのうえで、落ち着いたら「で、今日は何時からにする?」とステップ3に戻れば大丈夫です。言ってしまった一言より、その後にどう戻るかのほうが大事だと、僕は思っています。

 

環境・習慣まわりで意見が割れていること

「勉強しなさい 逆効果」で調べると、声かけ以外の話もたくさん出てきます。ここは記事によって意見が割れているところなので、割れ方ごと並べておきます。

論点 よく見かける意見 別の意見・注意
スマホ 勉強中は親が預かる 禁止することに否定的な記事もある
勉強場所 リビング学習がよい 中学生は自分の部屋など独立した空間がよい、という記事もある
言うのをやめた直後 しばらく勉強しない期間がある その期間を「1〜2週間」「2〜4週間」と書く記事があるが、裏付けとなる調査は見当たらない

ほかに、自己肯定感の話もよく出てきます。「自分は言われないとできない」と感じ続けると、自己肯定感が下がるという指摘です。「勉強が終わったら遊んでいい」という言い回しそのものに、勉強は嫌なものという前提が入ってしまう、という指摘もあります。親も勉強する姿を見せる、という意見もあります。

どれを選ぶかで迷ったら、僕の答えは1つです。決める役は、お子さんに渡す。 スマホも、置き場所や時間を親が一方的に決めて取り上げるのではなく、「勉強中はどこに置く?」と聞いて、お子さんに決めてもらう。勉強場所も、リビングか自分の部屋かを親が決めるのではなく、お子さんが集中できる場所を一緒に探す。やり方は、3つのステップと同じです。

家での勉強場所の話は、こちらの記事でくわしくまとめています。家で集中できないのは意志の弱さではなく、原因が3つのタイプに分かれること。集中できる家の作り方の5つのステップ。リビングと自分の部屋のどちらがいいか。お子さんと一緒に、どれが当てはまるか見てみてください。

家で勉強できない中学生へ|集中できる環境の作り方5ステップ
「よし、やるぞ」と机に座ったのに、5分もしないうちに漫画が目に入って、気づいたらスマホを触っていて、いつの間にか1時間経っている。家で勉強しようとすると、こんなことになっていませんか?実は、家で勉強できない中学生はめちゃくちゃ多いんです。で...

 

保護者の方へ。全部を答えなくていい、つなぐのも大事な役割

ステップ2で「足りない情報を渡す」とお話ししましたが、お父さんお母さんが全部を答える必要はありません。

会社でも同じだと思います。例えば、経費精算のやり方が分からなくて、上司に「経費精算のやり方を教えてください」と聞いたとします。上司は「経理の人に聞いてみたら?」と、情報を知っている人につないでくれますよね。上司は神様ではないので、全部は説明できません。

家庭も同じです。まずお子さんの話を聞いてあげて、悩んでいる、困っている、となったら、それに答えられる人につないであげてください。伝えられることは、そのまま伝えてあげてください。「ここは伝えづらいな」「ここは分からないな」と思ったら、伝えられる人にお子さんをつなぐ。学校の先生でも、塾の先生でも、詳しい知り合いでも構いません。

僕は、保護者の皆さんの役割は、全部を答えることではなく、お子さんが必要な情報に届く環境を作ることだと思っています。勉強方法が分からなくて困っているお子さんに、塾や授業をプレゼントするのも、環境を変えるお手伝いの1つです。つなぐ先を選ぶときは、お子さんの「どこが分からないか」を聞いて、そこから教えてくれる形かどうかを見てください。

反抗期のお子さんへの声かけは、こちらの記事でもまとめています。「勉強しなさい」が反抗期に逆効果になる理由を、強制が裏道を生むこと、主導権を本人に渡すことから説明し、言ってはいけないNGワードと、今日から使える言い換えを載せています。

反抗期の中学生が勉強しない|逆効果なNGワードと効く声かけ
反抗期の中学生が勉強しない。「勉強しなさい」は言えば言うほど動かなくなる言葉です。強制が裏道を生む理由、反抗期の3タイプ診断、言ってはいけないNGワード3つ、今日から使える声かけの言い換えまで、オンライン学習塾のおっしー塾長が現場の視点で解説します。

 

「勉強しなさい」についてよくある質問

Q. 小学生にも、「勉強しなさい」は効果がないのですか?

A. ベネッセの2011年の調査では、小学生は声をかける家の子のほうが勉強時間が長い傾向でした(小5だけは逆)。報告書も「全体的にみれば、小学生の場合には母親の『勉強しなさい』という声がけは有効であるといえよう」と書いています。中学生になると、自分で決めたい気持ちが強くなる。そこで向きが変わる、というのが僕の読みです。

Q. 塾に通っていれば、家では何も言わなくていいですか?

A. 塾で何をどれだけやるかが決まっているなら、家で同じことを言い重ねる必要はありません。ただ、塾に通っていても、お子さんが止まっている理由は、家でしか聞けないことがあります。ステップ1の「らしくないね、どうしたの?」だけは続けてみてください。

Q. もう何度も「勉強しなさい」と言ってしまいました。

A. 大丈夫です。気づいた時点で「さっきは言い過ぎた、ごめんね」と謝って、「で、今日は何時からにする?」とステップ3に戻ってください。言っている側は、何度も言っている自覚がないことが多いものです。

Q. 言うのをやめたら、かえって勉強しなくなりました。

A. 言わないだけで終わると、放任になってしまいます。「勉強しなさい」をやめたら、その場所に3つのステップを入れてください。聞いて、渡して、決めてもらう。やめるのは命令だけで、関わるのはやめない、ということです。

 

まとめ。「勉強しなさい」の代わりに「らしくないね、どうしたの?」から

  • 中学生に「勉強しなさい」はほぼ効果がない。「しなさい」が強制で、心理的リアクタンスが働くから
  • ベネッセの2011年の調査では、中1〜中3のすべての学年で、声をかけない家の子のほうが勉強時間が長い傾向(中3で24.3分の差)。ただし、成績が悪いから声をかけている可能性もある
  • 「勉強しなさい」で決まるのは、やるか、やらないかだけ。何を、いつから、どれくらいは決まらない
  • 言わずに放任するのもNG。中学生に足りないのは決める力ではなく、経験と情報
  • ステップ1は「らしくないね、どうしたの?」と心配して聞く
  • ステップ2は、聞いた中身に合わせて情報を渡す。答えにくいところは、答えられる人につなぐ
  • ステップ3は「何時から、何問やる?」。終わったら褒めて、明日の時刻を決める
  • 同じ一言を何度も言わない。言ってしまったら謝って、ステップ3に戻る

決めるのは、お子さん。保護者の皆さんは、聞いて、渡して、つなぐ役です。今夜は「勉強しなさい」の代わりに、「らしくないね、どうしたの?」から始めてみてください。

この時期は、定期テストが終わったご家庭も、これからのご家庭もあると思います。年末に向けて、受験生は受験シーズンに入っていきます。一つひとつ、一緒に頑張っていきましょう。

公式LINEに「声かけシート」と送るだけで、2つとも受け取れます(無料)

  • 「勉強しなさい」の代わりの声かけシート(A4 3枚)
  • おっしー塾長の無料オンライン授業3回

追加したら「声かけシート」と送ってください。

 

あわせて読みたい

舞鶴高専を受けたい中3へ|7割が推薦で決まる入試と、学校の中身【2027年度入試】
舞鶴高専は定員160人のうち112人が推薦で決まります。4学科の中身、寮と学費、卒業後の進路、推薦3種類の配点と出願日程を、学校が公表している数字だけで整理しました。中3が今月やることまで、オンライン学習塾の塾長が解説します。
方程式がわからない中学生へ|苦手の正体は「=」の意味の勘違いです
方程式がわからない中学生と保護者の方へ。つまずきの原因は数学のセンスではなく、小学校から使ってきた「=」の意味の勘違いです。移項で符号が変わる理由、解き方の5ステップ、苦手の3タイプ診断と戻る場所を、オンライン学習塾のおっしー塾長が解説します。
成績が上がらない中学生の3つのタイプ|頑張ってるのに伸びない理由
毎日ちゃんと勉強してるのに成績が上がらない中学生へ。原因を8個も9個も並べる前に、まず3つのタイプで自分を診断します。5分ルール、丸つけの○△の仕分け、前の学年への戻り方、保護者の声かけまで、オンライン学習塾のおっしー塾長が解説します。

 

動画でくわしく確認する

この内容は、こちらの動画でくわしく話しています。

 

毎朝7:15から勉強相談ライブをやっています

オンライン学習塾Lafのおっしー塾長が、毎朝7:15からInstagramで中学生の勉強相談ライブを配信しています。

「やる気が出ない」「覚えられない」といった悩みに、その場でお答えします。

勉強の悩みを直接相談したいときは、公式LINEからどうぞ。無料でお答えします。

話題沸騰中!16大メディアが注目したLaf先生AI
AI先生に質問
話題沸騰中!16大メディアが注目したLaf先生AI
AI先生に質問