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- 朝の「学校行きたくない」、休ませていい?結論は「休ませて大丈夫。でも、勉強は止めない」
- 「休ませていいの?」と迷う2つの不安
- 行きたくない理由の4つのタイプと、先に対応する順番
- 「行きたくない」と言われた朝の3つのステップ。ステップ1は「言ってくれてありがとう。今日はどうしたい?」
- ステップ2は、タイプに合わせて休み方と勉強のしかたを決める
- 家のルールは、理由ごとお子さんに話す
- ステップ3は、毎朝同じ一言で聞いて、朝の様子をメモする
- 休ませる朝のやってはいけない5つの関わり
- それでも朝に叱ってしまった日は、すぐ謝ってステップ1に戻る
- 先生は、不登校の子の体の不調にどれくらい気づいている?
- 「行きたくない」の前に出やすいサイン
- 生活リズムは整える?今は許す?時期とタイプで答えが変わる
- 進路・卒業・出席日数が心配なとき
- 保護者の方へ。一人で抱え込まないでください
- 「学校行きたくない」の朝についてよくある質問
- まとめ。休ませるのはOK。でも、勉強は止めない
- あわせて読みたい
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- 毎朝7:15から勉強相談ライブをやっています
朝の「学校行きたくない」、休ませていい?結論は「休ませて大丈夫。でも、勉強は止めない」
先に結論をお伝えします。朝、学校に行きたくないと言われたら、休ませても大丈夫です。でも、勉強は止めません。 そして、勉強を止めない方法は、行きたくない理由によって変わります。
保護者の方向けの配信「お昼の保護者相談室」に、こんな相談が届きました。
「朝、学校に行きたくないって言われたら、休ませてもいいんでしょうか?」
週明けや連休明けの朝は、同じように迷っている保護者の方がたくさんいらっしゃいます。でもね、無理に行かせる前にいったん立ち止まって考えて、こうして答えを探しに来ている。その時点で、本当に素晴らしいです。
休ませていいのか迷うのは、皆さんが甘いからでも、厳しいからでもありません。将来のことを考えると、本当は学校に行ってほしい。でも、無理に行かせて追い詰めたくはない。こんな気持ちがあるからですよね。
この記事のゴールは、学校を休む日があっても、お子さんの将来の可能性を狭めない休み方を選べるようになることです。次の順番でお話しします。
- 「休ませていいの?」と迷う2つの不安
- 行きたくない理由の4つのタイプと、先に対応する順番
- 「行きたくない」と言われた朝の3つのステップ
- 休ませる朝のやってはいけない5つの関わり
- 先生は、体の不調にどれくらい気づいているのか
- 「行きたくない」の前に出やすいサイン
- 生活リズムと、進路・出席日数の心配
- 保護者の方へ
- よくある質問
「休ませていいの?」と迷う2つの不安
朝、お子さんがなかなか起きてこない。やっと起きてきたと思ったら、「学校行きたくない」。時計を見ながら、行かせるか休ませるかを、その場で決めないといけない。叱って行かせたあとで、「休ませるべきだったのかな」と悩む。こんな朝を過ごしている方は多いと思います。
休ませるのをためらう不安は、大きく分けて2つです。
1つ目は、休み癖がつくのではないかという不安です。
一度休ませたら、次も休む子になるんじゃないか。嫌なことがあるたびに逃げる子になって、将来が不安。そう思うこと、ありますよね。
でも、休ませただけで、学校に行きにくくなるわけではありません。休んだあとに勉強から置いていかれた。親や先生をがっかりさせてしまった。こんな気持ちが積み上がって、どんどん行きづらくなることがとても多いんです。反対に、しんどいのに無理に行かせ続けると、かえって学校に行きにくくなることもあります。
休ませただけで休み癖がつくわけではありません。休み癖につながるかどうかは、休んだ日の過ごし方が大きく関わる、と僕は考えています。
2つ目は、授業に置いていかれて、進路の選択肢が狭くなるのではないかという不安です。
文部科学省が委託した調査(「不登校の要因分析に関する調査研究」・令和6年3月公表)では、不登校の子ども本人の回答で、「授業がわからない」が47.0%、「宿題ができない」が50.0%でした。報告書には「勉強が分かったり、宿題をうまくこなせたりすることで再登校が可能になる場合もあると考えられる」とも書かれています。勉強の心配は、現実としてあるんですね。
本当に心配なのは、学校を休むことそのものではありません。勉強が止まって、学校に行きづらくなることです。だから、学校に行くかどうかと、勉強するかどうかは、分けて考えてください。
行きたくない理由の4つのタイプと、先に対応する順番
ここで1つ聞かせてください。お子さんの朝の腹痛や頭痛は、休みの日もありますか? それとも、学校の日だけですか?
休みの日は元気なのに、学校の日だけしんどそうにしていると、仮病を疑いたくなるかもしれません。でも、それは学校に何かしんどいことがあるサインです。お子さんが痛いと言っているなら、本当に痛いと受け取ってください。
そのうえで、行きたくない理由を4つのタイプに分けて考えます。
| タイプ | よくある様子 |
|---|---|
| 人間関係 | いじめ、友達とのトラブル、先生と合わない |
| 勉強についていけない | 授業がわからない、宿題が終わらない、わからないと言うのが恥ずかしい |
| 体と心の不調 | 腹痛や頭痛、朝起きられない、気持ちが落ち込む |
| まだわからない | 本人も理由をうまく言えない。長い休みのあとに起きやすい |
先ほどと同じ文部科学省の委託調査では、不登校の子ども本人の回答で、いじめ被害を訴えた子が26.2%、「先生と合わなかった」が35.9%、「授業がわからない」が47.0%でした。体の不調や気持ちの落ち込み、夜眠れない・朝起きられないといった訴えは、それぞれ7割前後に見られています。理由は1つに当てはまるとは限らず、いくつかにまたがることも多いです。
ここで挙げた割合は、不登校の子ども本人に聞いた答えです。学校の先生が答える調査の数字とは、聞いている相手が違います。同じ調査は先生と保護者にも聞いていて、3者の答えを並べた表は後の節で紹介します。
いくつか当てはまるときは、先に対応する順番を決めておきます。
安全の確保 → 体の対応 → 勉強の対応
いじめのように安全に関わることがあれば、それが最優先です。次に、体の不調が続くなら病院を受診します。机に向かって勉強を始めるのは、体の不調が落ち着いてからで大丈夫です。朝の時点では分からない日もあるので、そのときは「まだわからないタイプ」として置いておいてください。
「行きたくない」と言われた朝の3つのステップ。ステップ1は「言ってくれてありがとう。今日はどうしたい?」
ここからは、朝にやることを3つのステップでお伝えします。ステップ1は聞く、ステップ2は決める、ステップ3は続ける、です。
ステップ1は、「言ってくれてありがとう。今日はどうしたい?」と聞くことです。
「行きたくない」と保護者の方に伝えるまでに、お子さんは実は何日も迷っていることがあります。だから最初の一言は、叱るより先に、言ってくれたことへのお礼です。
そのうえで「休んで大丈夫だよ」と伝えるのはいいのですが、この一言で終わらせないでください。「大丈夫だよ」と言われると、それ以上話せなくなってしまうことがあるからです。「言ってくれてありがとう。今日はどうしたい?」まで、セットで聞いてあげてください。
ただ、ここにも注意点があります。「今日はどうしたい?」は、オープンクエスチョンなんですね。たとえば「今日の夜ご飯、お寿司と焼肉、どっちがいい?」と聞かれたら、すぐ選べますよね。これがクローズドクエスチョンです。でも「今日の夜、何食べたい?」だと、ラーメンもカレーもハンバーグもあって、自分で決めるのにエネルギーを使います。
なので、「今日はどうしたい?」のあとに、選択肢を出してあげてください。
- 遅れて学校に行く
- 保健室や別室で過ごす
- 今日は休む
この3つの中から、お子さんに選んでもらいます。
もう1つ、「なんで行きたくないの?」と問い詰めなくて大丈夫です。お子さんは、言うのが恥ずかしかったり、行きたくない理由をうまく言葉にできていなかったりすることがとても多いんです。目指したいのは、「この家では、しんどいと言っても大丈夫」とお子さんに分かってもらうこと。家を安全地帯にすることです。焦って理由を聞きたくなる気持ちもよく分かりますが、まずは受け止めて、今日の過ごし方を決める。これがステップ1です。
休むと決めたら、学校への欠席連絡は保護者が引き受ける
休むと決めたら、学校への連絡が必要です。お子さんに「自分の言葉で連絡しなさい」というご家庭もあると思います。
僕のおすすめは、保護者の方が引き受けて、学校に連絡することです。お子さんに直接連絡させると、休む理由をお子さん自身が何度も説明しなくてはいけなくなります。そうすると、しんどい状態が続いてしまうんですね。
連絡するときは、お子さんがそばで聞いていても大丈夫なように、理由を決めつけずに伝えてください。たとえば、こうです。
「今朝は登校が難しい状態なので、今日はお休みします」
欠席の連絡は、これで十分です。朝の時点では、お子さん本人も理由をうまく言えていないことが多いので、保護者の方が理由を決めつけて足さなくて大丈夫です。学校に連絡する言葉は、そばにいるお子さんにもそのまま聞こえている。それだけ気にかけておいてください。
ステップ2は、タイプに合わせて休み方と勉強のしかたを決める
ステップ2では、4つのタイプに合わせて、休み方と勉強のしかたを決めます。
| タイプ | 休み方 | 勉強のしかた |
|---|---|---|
| 人間関係 | 安全が確保されるまで休んでいい。保護者の方は学校と相談して環境を変える | 家で、学校の時間割に合わせて教科書とワーク |
| 勉強についていけない | 責めずに、勉強する時間を一緒に作る | 分かるところまでさかのぼる |
| 体と心の不調 | まず受診。朝は無理に起こさず、お医者さんのアドバイスに従う | 午後など、調子のいい時間に |
| まだわからない | 起きる時間は学校の日と同じ | 学校と同じ時間割で過ごす。ゲームとスマホは放課後の時間から |
人間関係タイプ。 休んでいる間も、トラブルの原因は学校に残ったままです。学校の先生やスクールカウンセラーと相談して進めてください。一方で、このタイプは勉強そのものがつらさの原因ではない可能性があります。学校の時間割どおりに家で勉強していると、「休んで置いていかれた」という罪悪感も軽くなります。
勉強についていけないタイプ。 大事なのは、つまずいているところまでさかのぼることです。受験教科は、数学・英語のような積み上げ式の教科と、理科・社会のような暗記系の教科に分かれます。たとえば中3の二次関数は、中2の一次関数が分かっていないと解きづらい。さらに中1の比例・反比例でつまずいていることもあります。一番気づかれにくいのが、小学校で習う分数や小数の掛け算・割り算からつまずいているケースで、これが意外と多いんです。中3だからといって、中3の内容をやる必要はまったくありません。中1や小学校の内容からやり直すのは遠回りに見えますが、僕はそこから一つひとつ積み上げ直すことをおすすめしています。
体と心の不調タイプ。 不調は朝に強く出て、午後になると楽になる子も多いです。お医者さんの話に合わせたうえで、13時や14時のような、気持ちが乗るタイミングで勉強してください。
まだわからないタイプ。 休んだ日のほうが楽しい、楽だと感じてしまうと、学校に向かう気持ちがより重くなります。だから、起きる時間と過ごし方を学校の日に合わせます。
家のルールは、理由ごとお子さんに話す
「まだわからないタイプ」で決める「ゲームとスマホは放課後の時間から」のようなルールは、決めて終わりにしないでください。なんでそのルールにするのか、理由をそのままお子さんに説明してあげてほしいんです。
中学1年生、2年生は、ついこの間まで小学生だった子たちです。それが思春期を迎えて、自分のことをもう立派な大人だと思っています。自分の人生は自分で決めたい。そこへ「〇〇しなさい」と命令されると、自由を取り返そうとする気持ちが働きます。これを心理的リアクタンスと呼びます。リアクタンスは、リアクション(反応)と同じ仲間の言葉です。
だから、「スマホは放課後からだよ」と決めつけるだけだと、反抗したくなってしまいます。「家でもしっかり過ごさないと、次に学校に行くときに気持ちが重くなっちゃうから、こうしようと思うんだけど、どう?」と、理由を話して納得してもらうことが大切です。
「勉強しなさい」が中学生に効きにくい理由と、代わりにどう声をかければいいかは、こちらの記事でくわしくまとめています。心理的リアクタンスの話から、「らしくないね、どうしたの?」と聞いて、何時から何をやるかをお子さんに決めてもらう3つのステップまで書いています。

どのタイプでも、目指すのは、休んでいる間に勉強が止まらないことです。勉強が止まって、より大きな罪悪感を生まないように。お子さんのコンディションに合った時間で、楽しく勉強できる環境を一緒に決めていきましょう。
ステップ3は、毎朝同じ一言で聞いて、朝の様子をメモする
ステップ3は、毎朝同じ一言で聞いて、朝の様子をメモしておくことです。次の朝もまた「今日はどうしたい?」と聞いて、お子さんの状態を確かめてください。
メモするのは、この3つです。
- お子さんが何と言ったか
- どこが痛い、どこがつらいと言ったか
- 休みの日をどう過ごしたか
メモは、保護者の方の手帳に書いてください。そして、このメモはお子さんに見せないでください。 毎朝記録されていると分かると、お子さんにとってはすごいプレッシャーです。大人でいえば、上司が横でずっと採点している状態で営業しなくちゃいけない。そんな感じだと思います。
メモをつけるのは2週間です。2週間分たまったら、そのメモを持って、担任の先生かスクールカウンセラーに相談してみてください。学校に行ったか行っていないかは、学校も把握しています。でも、家での様子や、なんで行きたくないとなったのかという、保護者の方から見たお子さんの状態は、学校からは見えにくいんです。メモを見せながら相談すると、それを材料にして、学校と一緒に次の一歩を決めやすくなります。
公式LINEに「休み方シート」と送るだけで、2つとも受け取れます(無料)
- 休み方シート(3つのステップ・4つのタイプ別の休み方と勉強のしかたの表・14日分の朝のメモ欄/A4 2枚)。1枚目は、この記事の3つのステップと4つのタイプの表、欠席連絡の言い方をそのまま書き込める形。2枚目は、保護者の方だけが書く2週間の朝のメモ欄と、やってはいけない3つの関わりです
- おっしー塾長の無料オンライン授業3回。午前中や14時からの授業もあるので、学校を休んだ日にも受けられます。家でどこから勉強すればいいか分からないときに使えます
追加したら「休み方シート」と送ってください。6文字で、スペースを入れずにそのままです。キーワードだけを単体で送ると、自動で返信が届きます。「うちの子の場合はどうしたらいいの?」という相談は、キーワードとは別のメッセージで送ってください。
休ませる朝のやってはいけない5つの関わり
やってしまいがちだけど避けたい関わり方を5つお伝えします。どれも、学校に行きにくくしてしまう関わり方です。
1つ目。「なんで行きたくないの?」と理由を問い詰めること
お子さん本人も、理由をうまく説明できないことが多いんです。問い詰め続けると、お子さんにとってストレスになります。毎朝「将来どうするの?」「勉強大丈夫なの?」と聞くのも同じです。
2つ目。何も決めずに、ただ休ませること
休んだ日が空白のまま続くと、「置いていかれている」という気持ちが積み上がります。休ませるのは大丈夫。でも、休み方と勉強のしかたは、ステップ2で決めてください。
3つ目。休ませた日に「明日は行けるよね?」と約束させること
約束が守れなかった翌朝、お子さんは、休んだことに加えて約束を破ったことでも自分を責めてしまいます。明日のことは、明日の朝にまた「今日はどうしたい?」と聞けば大丈夫です。
4つ目。ほかの子やきょうだいと比べること
「みんなも嫌だけど行っている」「お兄ちゃんは休んでいない」と比べても、意味はありません。お子さんと保護者の方が別の人間であるように、お子さんにはお子さんのペースがあります。
5つ目。前の晩に、黙って翌日の準備を並べておくこと
前の晩に翌日の準備をしておくほうがいい、という意見と、制服を出す・時間割を見せるといった「間接的な登校刺激」は避けたほうがいい、という意見で、記事によって割れているところです。僕の考えは、黙って制服を置いたり時間割を並べたりするのは、言葉にしない圧になるので避ける。準備が必要なら、翌朝お子さんが選んだあとで一緒にすれば十分です。
「なんで?」と聞く問いがなぜお子さんの心を閉ざしてしまうのか、代わりにどんな声をかければいいのかは、こちらの記事でまとめています。

それでも朝に叱ってしまった日は、すぐ謝ってステップ1に戻る
保護者の方も、不安が積み上がって、「本当に大丈夫なのかな」と焦ってしまう。その気持ちはとてもよく分かります。「今日も行かないの?」と、朝に叱ってしまう日もあると思います。
そんな日は、「今ちょっと叱っちゃったな」と気づいたタイミングで、すぐにこう伝えてください。
「朝はきつく言い過ぎちゃってごめんね」
すぐに謝って、またステップ1に戻る。そこからまた一つひとつ積み上げていきましょう。叱ってしまった一言より、そのあとにどう戻るかのほうが大事です。 冒頭でお話しした、叱って行かせたあとで「休ませるべきだったのかな」と悩んだ朝も同じです。次の朝は、また「今日はどうしたい?」の一言から始めてください。
お子さんの人生は、42.195キロのマラソンのような持久走です。最初の100メートルを全力で走って、途中でリタイアしてしまったら意味がないですよね。うまくいかなかった朝を美化する必要はありません。でも、そこから学んで次の朝にどうつなげるかに切り替えることはできます。取り返していく道はある、と僕は思っています。
先生は、不登校の子の体の不調にどれくらい気づいている?
ここで、知っておくと役立つ話を1つします。不登校の子の体の不調を、学校の先生はどのくらい知っていると思いますか?
先ほどの文部科学省の委託調査では、令和4年度に不登校と報告された子について、先生・本人・保護者のそれぞれに聞いています。報告書の本編のグラフ(p.10)から、この記事に関わる項目を抜き出しました。
| 項目 | 先生の答え | 本人の答え | 保護者の答え |
|---|---|---|---|
| いじめ被害 | 4.2% | 26.2% | 29.2% |
| 教職員への反抗・反発(本人の答えは「先生と合わなかった」) | 3.5% | 35.9% | 44.7% |
| 学業の不振(本人の答えは「授業がわからない」) | 41.2% | 47.0% | 35.9% |
| 宿題ができていない等 | 40.5% | 50.0% | 37.7% |
| 体調不良の訴え | 18.5% | 68.9% | 76.5% |
| 不安・抑うつの訴え | 19.0% | 76.5% | 78.4% |
| 居眠り、朝起きられない、夜眠れない | 8.3% | 70.3% | 74.7% |
%は、不登校の子どもの人数に対する割合です(出典:文部科学省委託事業「不登校の要因分析に関する調査研究」報告書)。先生の答えは1,424人分、本人の答えは239人、保護者の答えは200人です。先生には主観ではなく、そうした情報を得ていたかどうかという事実で答えてもらっています。
報告書の概要版は、「学業の不振」「宿題の提出」は「三者の回答割合が比較的近い値であった」一方、「いじめ被害」などは「教師と児童生徒・保護者の回答割合に違いがみられた」とまとめています。この委託調査でも、体の不調は本人や保護者の7割前後が挙げているのに、先生の答えは2割にも届きません。このギャップ、すごいですよね。報告書にも、「体調不良」などは「教師よりも家庭、保護者の方が認識しやすい可能性が高い」と書かれています。
学校が答える文部科学省の「問題行動・不登校調査」では、不登校の主な要因に「無気力・不安」がよく挙がります。でもこの委託調査は、「象徴的なきっかけ要因がない場合に「無気力・不安」を回答されやすい可能性が示唆された」と書いています。お子さんに聞いた理由とは別物、と考えておいてください。
学校の先生には、家での様子、特に朝の状態が見えていないことが多いんです。だからこそ、朝の様子のメモは、学校に相談するときの大事な材料になります。 ステップ3の2週間のメモは、ここにつながっています。
「行きたくない」の前に出やすいサイン
この記事を読んでいる方の多くは、もう「行きたくない」と言われたあとだと思います。ただ、しばらく通えていたのにまた揺れ始めたときや、きょうだいのために、前に出やすいサインもお伝えしておきます。
民間の保護者向け調査では、不登校の前兆として保護者が多く感じたのは「イライラしていることが増えた」「身体の不調を訴えることが増えた」でした。ほかにも、朝なかなか起きられない、朝の支度が途中で止まる、口数が減る、といった様子を挙げる記事が多くあります。
朝の様子だけで決めつけないことも大切です。「朝以上に見てほしいのが帰宅後から夜にかけての日々の様子です」と書いている記事もあります。朝の一言で、サボりかどうかを見抜こうとしなくて大丈夫です。
こうしたサインに気づいたら、まだ「行きたくない」と言われていなくても、ステップ3のメモを始めてみてください。お子さんが何と言ったか、どこが痛い・つらいと言ったか。先ほどの調査のとおり、体の不調は先生より家庭のほうが気づきやすいものです。そのメモが、学校に相談するときの材料になります。
生活リズムは整える?今は許す?時期とタイプで答えが変わる
生活リズムについては、記事によって意見が割れています。起きる時間を決めて整えたほうがいい、という記事がある一方で、今は生活リズムより安心感を優先して、乱れを許したほうがいい、という記事もあります。
分かれ目は時期です。行き渋りが始まったばかりの行き渋り期と、休む日が続いてエネルギーが切れている休息期とでは、答えが変わります。休息期については「昼夜逆転を許容し、家を安全基地にする」と書く記事もあります。
この記事では、今日の4つのタイプで分けて答えます。
- まだわからないタイプ:起きる時間は学校の日と同じにする。ゲームとスマホは放課後の時間から
- 体と心の不調タイプ:朝は無理に起こさない。お医者さんのアドバイスに従い、午後など調子のいい時間に勉強する
どちらの場合も土台は、ステップ1でお伝えした「この家では、しんどいと言っても大丈夫」です。
学校に少しずつ行き始める回復期にも、気をつけたいことがあります。行き始めは、最初は何もなかったように授業を受けていても、数日たってエネルギーが切れ、行ったり行かなかったりを繰り返しやすい時期です。行き始めの落とし穴と、そのときに家でできることは、こちらの記事でまとめています。

進路・卒業・出席日数が心配なとき
「休ませていいの?」の2つ目の不安にもあった、進路の心配です。先に、言葉と数字を確かめておきます。
文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では、年度の間に30日以上欠席した子を長期欠席として数えています。そのうち、「何らかの心理的,情緒的,身体的,あるいは社会的要因・背景により,児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者」が不登校です。病気による欠席は、別の区分で数えられています。
同じ調査の令和6年度の結果では、不登校の小・中学生は353,970人(小学校137,704人・中学校216,266人)で過去最多、高校生は67,782人でした。
出席の扱いについても、同じ調査に数字があります(不登校の小・中学生のうち)。
- 学校の外の機関で専門的な相談・指導を受けて、指導要録上「出席扱い」になった:42,978人
- 自宅でICTなどを使った学習が「出席扱い」になった:13,261人
- 自宅や学校の外で学んだ成果を成績に反映した:81,467人
ただ、出席扱いにするかどうかは校長先生が決めるもので、どんな学び方が対象になるかは地域や学校で違います。卒業の扱いや、高校入試で欠席がどう見られるかも、都道府県や受ける高校で違います。ここはネットの記事で判断せず、担任の先生に確かめてください。ステップ3の2週間のメモを持って相談するときに、一緒に聞いておくのがおすすめです。
勉強は、学校の進度に合わせる必要はまったくありません。「「今すぐ取り戻す」よりも「回復してから取り戻す」という視点を持つことが大切です」と書いている記事もあります。今のお子さんに必要な内容から一つひとつ積み上げていくことを、僕はおすすめしています。
勉強の遅れを取り戻せるか、高校受験にどう影響するかは、こちらの記事でもまとめています。

保護者の方へ。一人で抱え込まないでください
保護者の皆さんも、一人で抱え込まないでください。
仕事で家にいられない朝もあると思います。その日は、事情を正直にお子さんに伝えてあげてください。たとえば、こんなふうにです。
「今日は仕事に行かないといけないから、一緒にいられないんだ。一人で家にいるときの約束を1つだけ決めようか。お昼に1回連絡するから、電話に出てね」
夫婦で意見が分かれることもあると思います。お子さんの前で言い合うと、お子さんは「自分のせいでお父さんとお母さんがケンカしている」と思ってしまいます。話し合うときは、お子さんの前だけは避けてください。そのときは、今日の4つのタイプのどれに当てはまるかを整理して、休むことと勉強することは別の話として切り分けたうえで、一つひとつ話し合ってみてください。
正直、「学校に行ってほしい」と思ってしまうこともあると思います。それは、お子さんの将来の可能性を大事に思っているからこそです。愛情が足りないからだとは、まったく思っていません。
相談先もあります。担任の先生やスクールカウンセラーには、保護者の方が直接相談できます。夜中や休みの日にどうしても苦しいときは、文部科学省が案内している「24時間子供SOSダイヤル」(0120-078310・なやみいおう)もあります。子どもだけでなく、保護者も相談できる窓口です。
「学校行きたくない」の朝についてよくある質問
Q. 休ませるのは、甘やかしになりませんか?
A. 迷うのは、甘いからでも厳しいからでもありません。一人ひとりに合ったタイミングと一歩があります。僕自身、配信のときに帽子をかぶっているのは、髪型を整える準備のハードルを下げるためです。いきなり最高の状態は目指さず、自分に合った一歩を踏む。周りの子と比べても意味はありません。お子さんのペースで、一歩一歩で大丈夫です。
Q. 休ませるかどうかを見分けるチェックリストはありますか?
A. 専門家が監修した「学校休んだほうがいいよチェックリスト」を載せている記事があり、迷ったときの参考になります。ただ、この記事では、朝の一言で行かせるか休ませるかを見分けるより、4つのタイプと「安全の確保 → 体 → 勉強」の順番で考えることをおすすめしています。
Q. 起立性調節障害かもしれません。
A. 朝になると頭痛や腹痛で起き上がれず、午後になると元気になる。こうした症状が続く場合は、起立性調節障害という体の病気の可能性がある、と書いている記事もあります。判断できるのはお医者さんなので、症状が続くなら医療機関に相談してください。そのうえで、ステップ2の「体と心の不調タイプ」のとおり、朝は無理に起こさず、午後など調子のいい時間に勉強します。
Q. もう何日も休んでいます。今から何をすればいいですか?
A. 何日目からでも、次の朝はステップ1から始められます。「言ってくれてありがとう。今日はどうしたい?」と聞いて、タイプに合わせた休み方と勉強のしかたを決め、2週間メモをつけてみてください。休みが長くなっているときほど、そのメモを持って、担任の先生やスクールカウンセラーと一緒に次の一歩を決めてください。
まとめ。休ませるのはOK。でも、勉強は止めない
- 朝「学校に行きたくない」と言われたら、休ませても大丈夫。でも、勉強は止めない
- 休ませただけで休み癖がつくわけではない。休み癖につながるかどうかは、休んだ日の過ごし方が大きく関わる
- 学校に行くかどうかと、勉強するかどうかは、分けて考える
- 行きたくない理由は、人間関係・勉強についていけない・体と心の不調・まだわからない、の4つのタイプ。対応は安全、体、勉強の順
- ステップ1は「言ってくれてありがとう。今日はどうしたい?」。3つの選択肢から選んでもらう
- ステップ2は、タイプに合わせて休み方と勉強のしかたを決める。ルールは理由ごと話す
- ステップ3は、毎朝同じ一言で聞いて、朝の様子を2週間メモする。メモはお子さんに見せず、担任の先生やスクールカウンセラーへ
- 「なんで?」と問い詰めない。ただ休ませない。「明日は行けるよね?」と約束させない。ほかの子やきょうだいと比べない。前の晩に黙って準備を並べない
- 生活リズムは時期とタイプで答えが変わる。進路・卒業・出席日数の扱いは地域や学校で違うので、担任の先生に確かめる
最後にもう1つだけ。学校の勉強の進度に合わせて勉強する必要は、まったくありません。今のお子さんにどの内容が必要なのかを整理して、そこから勉強していけば大丈夫です。勉強しない時間が長く続くほど、学校にはより行きづらくなることがあります。だからこそ、一つひとつ積み上げられる状態を、家で一緒に作っていきましょう。
無理せず、一緒に頑張っていきましょう。
公式LINEに「休み方シート」と送るだけで、2つとも受け取れます(無料)
- 休み方シート(3つのステップ・4つのタイプ別の表・14日分の朝のメモ欄/A4 2枚)
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追加したら「休み方シート」と送ってください。
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